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ついにFeliCa対応のモトローラ「motorola razr 40」は折りたたみ入門機に適している

ASCII.jp / 2023年11月20日 14時0分

 モトローラが「motorola razr 40 ULTRA」を発表した際、日本への投入を求める声が多く挙がっていた、スタンダードモデル「motorola razr 40」がオープン市場で、同スペックの「motorola razr 40s」がソフトバンクから販売されることが決まった。

 上位モデルのmotorola razr 40 ULTRAと比べ性能や背面ディスプレーのサイズなどは抑えられているが、そのぶん折りたたみスマートフォンを安く手軽に利用できるのがメリットだ。発売前の実機をお借りできたので、その実力を検証してみよう。

◆デザインは上位モデルとほぼ共通

 まずは外観だが、motorola razr 40は約6.9型の有機ELディスプレーを採用しており、サイズは開いた状態で約74×171×7.4mm、重量は約189gとなっている。上位モデルのmotorola razr 40 ULTRA(74×171×7mm、188g)と比べるとやや厚さはあるが、かなり近いサイズ感といえるだろう。

「motorola razr 40」を開いた状態。ディスプレーサイズや本体のサイズ感は上位モデルの「motorola razr 40 ULTRA」と大きく変わらない

 同じシリーズということもあって、デザインもmotorola razr 40 ULTRAを踏襲しており、従来のrazrシリーズよりもサムスン電子の「Galaxy Z Flip」シリーズなどに近い印象となった。それゆえヒンジを自由な角度で固定できる「フレックスビュースタイル」に対応、上下に分割したディスプレーにそれぞれ異なる機能やアプリを表示することも可能だ。

ヒンジ部分も新しいものに変更され、自由な角度で固定できるようになった

 またヒンジ部分は、従来同様ディスプレー部分をしずく型に折り曲げることで、隙間なく折りたためる構造を採用。背面にはヴィーガンレザー加工が施されており、しっとりした触感を実現するなど、折りたたんだ時のデザインにも配慮がなされている。

従来のrazrシリーズ同様、折りたたんだ時にはヒンジの隙間が生じないようになっている
開いた状態で背面にしたところ。アウトディスプレーが狭いので、ヴィーガンレザーの素材感と質感が目立つデザインとなっている

 ちなみに折りたたんだ時のサイズは約74×89×15.8mmとなり、シャツのポケットにも収まるので収納性の高さには安心感がある。

折りたたむとコンパクトで、胸ポケットなどにも収納しやすくなるのは縦折り型のスマートフォンならでは

 側面のインターフェースを確認すると、右側面に音量キーと電源キー、底面にUSB Type-C端子のみとシンプルな構成となっている。なお、キーは指紋センサーを兼ねているタイプだが、開いた時に親指が来る位置を考慮するならば、本体の上部より下部にあった方がロック解除しやすいのではないかとも感じる。

右側面には音量キーと電源キーが備わっている
底面にはUSB Type-C端子がある

◆アプリは動かせないが使える機能は多いアウトディスプレー

 razrシリーズといえばメインディスプレーだけでなく、アウトディスプレーが大きく色々な用途に活用できることが大きな特徴となっているが、motorola razr 40は低価格化の影響もあってかアウトディスプレーは1.5型に小型化されている。「Galaxy Z Flip 4」までのアウトディスプレーに近いサイズ感なので、さすがにmotorola razr 40 ULTRAのように通常のアプリを動作させることはできない。

本体を閉じた状態で利用できるアウトディスプレーは1.5型と非常に小さいので、motorola razr 40 ULTRAのようにアプリを動かすことはできない

 だが通知を確認したり、音楽やボイスレコーダーなどいくつかの機能の操作をしたりすることは可能だ。利用できる機能はスワイプする方向によって異なり、下で通知、上でクイック設定、左右でさまざまなパネルを切り替えて表示できる。

上下左右にスワイプすることでさまざまな機能の利用は可能だ

 表示するパネルは設定の「外部ディスプレー」から登録することが可能で、デフォルトでは「カレンダー」「メディア」など6種類が用意されている。好みのものを登録して利用するのがいいだろう。

左右にスワイプして利用できるパネルは、設定の「外部ディスプレー」から好きなものを登録できる

 また詳細は後述するが、アウトディスプレーはもう1つ、小さいながらもカメラビュー画面としても利用できる。これを利用すれば、画素数の高いメインカメラでセルフィーを撮影できることから有効活用したい。

◆カメラはアウトディスプレーの使い方にやや癖あり

 続いてカメラを確認すると、motorola razr 40のアウトカメラは約6400万画素/F値1.7で光学式手ブレ補正対応の広角カメラと、約1300万画素/F値2.2の超広角カメラの2眼構成。フロントカメラは約3200万画素/F値2.4となっている。

背面のカメラは広角カメラと超広角カメラの2眼構成。メインカメラは約6400万画素と、motorola razr 40 ULTRAとは異なるイメージセンサーを採用している
広角カメラで撮影した写真
同じ場所から超広角カメラで撮影した写真

 広角カメラは画素数だけを見ればmotorola razr 40 ULTRAより高い。それゆえモトローラ製のカメラではおなじみの、4つの画素を1つにして暗い場所でも明るく撮影できるクアッドピクセルにも対応する。

暗い場所で撮影した写真。高い画素数を生かしたクアッドピクセルと光学式手ブレ補正により、暗い場所でも明るく撮影できる
こちらは夜景モードで撮影した写真

 もちろん折りたたみ型であることを活かしたフレックスビューでの撮影にも対応。本体を90度近くに折り曲げれば上部をカメラビュー、下部をコントロール画面に分割して撮影できるのは便利だ。

フレックスビューを活かし、上部の画面でカメラビューを見ながら下部の画面でシャッターを押す、といった撮影ももちろん可能だ

 また先にも触れた通り、本体を閉じた状態でアウトディスプレーをカメラビューにし、セルフィーを撮影することも可能だ。カメラは電源キーを短く2回連続で押すと起動できるが、モトローラ製端末ではおなじみのジェスチャー操作を用い、手首をひねるようにして本体を2回振ることでも起動できる。

 通常タイプのスマートフォンでは使いどころが難しかったジェスチャー操作だが、折りたたんだ状態での操作に制約のあるmotorola razr 40でカメラを呼び出す際には非常に便利だと感じた。

アウトディスプレーをカメラビューとして利用することも可能。本体を閉じた状態でのカメラ呼び出しにはジェスチャー操作が便利だ

 ただ一方で、アウトカメラの画面が狭く横長ということもあって、写真の中央に自分がうまく収まるよう撮影するのが意外と難しい。何度か撮影して慣れる必要がありそうだ。

実際にアウトディスプレーを見ながら初めてセルフィーを撮影した写真。位置や距離の間隔がつかみづらく、離れてしまっているのが分かる

 ちなみにアウトディスプレーにはもう1つ使い方があり、本体を開いて撮影する際にアウトディスプレーにアニメーションを表示し、撮影される側の気を引いて目線を向けやすくできるようにもなっている。カメラに顔が映し出されている限りアニメーションは表示されているので、興味が移りやすい子供などを撮影する時に役立つ機能といえそうだ。

アウトディスプレーにアニメーションを表示することで、目線を集めやすくする機能も搭載されている

◆性能はミドルハイ、待望のFeliCaもついに搭載

 性能面を確認すると、motorola razr 40はチップセットにクアルコム製のミドルハイクラス向けとなる「Snapdragon 7 Gen 1」を搭載しており、メモリーは8GB、ストレージは256GBでmicroSDスロットは用意されていない。

 Snapdragon 7 Gen 1も日本では採用端末が少ないのでベンチマークで性能を確認してみると、やはり「Snapdragon 8 Gen 2」搭載機種より下で、「Snapdragon 6 Gen 1」搭載機種より上という順当な結果であった。とりわけグラフィック周りが8 Gen 2と比べると差があるだけに高度なゲーミングを求める人には物足りないが、ディスプレーのリフレッシュレートは最大144Hzだし、長時間ゲームをプレイしてもそこまで熱くはならないことから、大抵のゲームは満足してプレイできるレベルといえるだろう。

「Geekbench 6」のベンチマーク結果
「3DMark」(Wild Life Extreme)のベンチマーク結果
「PUBG MOBILE」のグラフィック設定はクオリティが「HDR」まで、フレーム設定は「ウルトラ」まで上げることが可能と、ハイエンドよりやや下となる
「原神」のグラフィック設定はデフォルトで「低」と、こちらもハイエンドモデルと比べると低い

 一方で、motorola razr 40 ULTRAより優位性を持つ点がいくつかあり、1つはバッテリーだ。motorola razr 40 ULTRAのバッテリー容量は3800mAhだったが、motorola razr 40はそれより多い4200mAh。急速充電は30Wまでと共通しているが、背面ディスプレーが小さいこともあって一層の長時間利用が期待できるだろう。

 そしてもう1つは国内向けカスタマイズが施され、FeliCaに対応したことだ。これはソフトバンクから同一性能のmotorola razr 40sが販売されることが影響していると見られる。ついにrazrシリーズでFeliCaに対応したことは、利用者にとっても非常に便利な変更といえる。ちなみに防水性能はIP68ではなく、IP52の生活防水レベルとなる点には注意したい。

待望のFeliCaにも対応。本体下部のモトローラロゴの右斜め下にFeliCaマークがある

 最後にモバイル通信についてだが、SIMは物理SIM(nanoSIM)とeSIMのデュアルSIM構成で、5Gにも対応する。ただ下位モデルであることに加え、こちらもソフトバンクからmotorola razr 40sが販売されることもあって、motorola razr 40 ULTRAとは異なり5Gの対応バンドにドコモの4.5GHz帯(n79)が含まれていないのは惜しい。

SIMスロットは本体左側面の上部にあり、eSIMとのデュアルSIM構成なのでnanoSIM×1。左側のスロットは使用しないようだ

【まとめ】FeliCa搭載はうれしいが価格高騰はかなり痛い

 motorola razr 40はmotorola razr 40 ULTRA同様、従来のrazrシリーズの不満要素だったヒンジなどの改善を進め、利用しやすさに重点を置いたモデルとなっている。先行投入されたmotorola razr 40 ULTRAと比べると性能は落ちるが、そのぶん価格も安く、販路も広いうえ、何よりFeliCaに対応したことで折りたたみのために「おサイフケータイ」を諦めなくていいのは非常に大きな意味を持つだろう。

 海外では折りたたみスマートフォンとしては非常に安い価格で販売されているだけに、国内の折りたたみスマートフォン普及促進に期待がかかるmotorola razr 40だが、円安と国内向けカスタマイズなどが影響したことで価格はかなり高騰してしまっており、公式オンラインショップでの価格は12万5800円と、motorola razr 40 ULTRAとの価格差がわずか3万円というのは消費者にとってかなり痛いというのも事実。購入する際は、ソフトバンクなどが提供する割引施策を利用した方が良さそうだ。

 

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