発売直後、finalの新完全ワイヤレス「ZE8000 MK2」ファーストインプレション
ASCII.jp / 2023年11月19日 17時0分
「秋のヘッドフォン祭 2023」で、finalは新製品発表会を開催した。その中から完全ワイヤレスイヤホンの新機種「ZE8000 MK2」を紹介する。発売は11月17日、価格は3万6800円だ。
![ZE8000 MK2レビュー](https://ascii.jp/img/2023/11/19/3641764/x/c35536aebafc4628.jpg)
信号処理の変更で、8Kサウンドをより身近に
ZE8000 MK2は昨年登場し、“8Kサウンド”という新しい音の世界を提唱した「ZE8000」の後継機だ。
finalではリソースの多くを基礎研究に注ぎ込み、その目標を「完全な没入感」を目指すと設定したという。その手段の一つとして、ZE8000では従来はアコースティックな手法で実現していたことをデジタル処理で実現する手法を取り入れている。これはさまざまな電子回路を統合する完全ワイヤレスイヤホンらしい取り組みと言える。
しかしながら、ZE8000の提唱する8Kサウンドは音に対するとても新しいアプローチであり、特定周波数の強調を廃した独特の出音に関しては賛否両論があった。特に従来から高級イヤホンの音に慣れ親しんできたユーザーの中で、否定的な意見を持つ傾向があったという。そこで多くのユーザーに受け入れられるように、もっとわかりやすく8Kサウンドの魅力が伝わることを目指したのがZE8000 MK2である。
ZE8000 MK2では、オーケストラに没入できることを目指したとしている。異なる音色を有する多数の楽器で構成された音源において、各楽器間のバランスを損なうことなく、楽器独自の音色を忠実に再現できるとしている。
また、ZE8000 MK2では、そうした音傾向の違いに加えて、初代ZE8000よりもS/N比が改善され、イヤーピースも改良している。イヤーピースには新たにシールドフィンを付けて、密閉性と装着感が良くなったという。これらの改良により、ノイズキャンセリングの効率も向上し、最大音量が5dB向上したとしている。
一方で初代のZE8000は、より低価格化して併売する。
ZE8000やZE3000とどう違うのか?
finalから提供された試聴機を使ったインプレッションをお伝えする。
ZE8000とまず異なるのは、やはり新しいイヤーピースによる装着感の違いだ。以前のイヤーピースよりもよりフィットする感覚があり、遮音性も高くなっていると感じる。最近の耳穴に挿入しないタイプは装着感で不安を感じることもあるが、ZE8000 MK2にはそうした不安はあまりなく、確実に固定できる。
一方で外観的な違いは少ない。本体/ケース両方にある二本線のマーキングの有無程度であり、外型的な違いとして目立つのは先に挙げたイヤーピースのフィン程度である。
![ZE8000 MK2レビュー](https://ascii.jp/img/2023/11/19/3641767/x/488477b4437c8c2d.jpg)
![ZE8000 MK2レビュー](https://ascii.jp/img/2023/11/19/3641768/x/5658ad04c5ac559f.jpg)
音に関しては初代とは大きく異なっている。一聴しただけで、ZE8000のふわりとした柔らかな音場感よりも一般的なイヤホンのダイレクトなサウンドに近くなったと感じる。ただしZE8000、ZE8000 MK2、ZE3000の3機種を聴き比べてみると、ZE8000 MK2のサウンドは中間に位置する。つまり、ZE8000よりも音は従来型のイヤホンに近づいたが、まだ8Kサウンドの独特な傾向を有しているように感じられる。
![ZE8000 MK2レビュー](https://ascii.jp/img/2023/11/19/3641766/x/d73e71c9369bfea0.jpg)
3機種をもう少し細かく聞き込んでみた。ZE8000 MK2はオーケストラの音に向いているということなので、相応しい試聴曲としてベンジャミン・ブリテン作曲の「青少年のための管弦楽入門」を聴いた。この曲は音楽教育の一環として作曲されたものであり、オーケストラ全体に加えて木管・金管楽器、弦楽器、打楽器とそれぞれのパートも分かりやすい演奏だ。
冒頭のオーケストラ全体による合奏部をZE8000 MK2で聴いてみると、かなり迫力があり、オーケストラの力強さを感じる。遮音性が高くなったことで、低音の迫力が初代よりも大きくなったようだ。ティンパニーが埋もれないで存在感を出しているのも良い。
ZE8000で同じパートを聴くと、独特の没入感はあるが音の分離がつかみにくく、全体の演奏がそれぞれの楽器の集合体であるということを感じ取りにくい。また、ZE3000は低音の迫力が足りず、音場の広がりも少ないのでスケール感に欠けてしまう。
中間部にある弦楽部と打楽器が競演する箇所は、ZE8000では音が溶け合いすぎて楽器の特徴がわからなくなってしまうが、ZE8000 MK2ではそれぞれ明確に聞き取れる。ZE3000だと、それぞれの楽器音は明確にわかるが、ZE8000 MK2に比べると明瞭感が足りないと感じる。この3機種の中ではZE8000 MK2がもっとも弦楽器と打楽器の分離がいいと感じられる。ピッコロにリードされる木管楽器パートでは、ZE8000 MK2では木管楽器の音色再現もいい。この点から、実のところZE8000 MK2はZE3000よりも音質が向上した上位機種なのではないか、という感想も持った。
また、ZE8000 MK2は低音がかなり豊かなので、打ち込み系にも意外と向いている。ただ、ヴォーカルなど分かりやすいパートで他の音と溶け合う感じがするので、この独特の8Kサウンド的な表現に共感できるかどうかで好みはやはりあると思う。 ZE8000は好き嫌いが分かれる機種だが、ZE8000 MK2はわりと聴きやすくなり、場合によっては単にZE3000の上位機種と考えても良くなった。ただし独特の8Kサウンド的な表現も有しているので、興味ある方は店頭などで音が自分の好みに合うかどうか試聴してみると良いかもしれない。
この記事に関連するニュース
-
「AQUOS R9 デビューキャンペーン」を実施。対象の「AQUOS R9」をご購入いただくと、10,000ポイント(dポイント/PayPayポイントのいずれか)をもれなくプレゼント
PR TIMES / 2024年7月2日 13時45分
-
ソフトバンク、「AQUOS R9」を7月12日に発売 - 124,560円、ポイントやイヤホンがもらえるキャンペーンも
マイナビニュース / 2024年7月2日 13時15分
-
【VGP2024 SUMMER】ゲーミングイヤホン「VR500 for Gaming」がコスパ大賞を受賞! final/ag/DITAで企画賞や金賞など受賞多数
PR TIMES / 2024年6月25日 15時31分
-
1万円台で超小型ケース付き! 個性派イヤホン「Beats Solo Buds」を聴く
マイナビニュース / 2024年6月21日 7時0分
-
専門店の売れ筋&イチオシ「イヤホン&ヘッドホン」8選【買って得モノ&夏のトレンド大調査】
&GP / 2024年6月18日 20時0分
ランキング
-
1「鳥肌たった」「これこそアート」 SNSで約13万いいねを集めた1枚のイラスト、衝撃の種明かしに反響 作者に制作経緯を聞いた
ねとらぼ / 2024年7月6日 12時30分
-
23月末にコンビ解散したお笑い芸人、「また美人になった?」「見るたびにキレイになってく」と反響
ねとらぼ / 2024年7月5日 18時37分
-
3「マナー守れないなら釣りやめろ」テグス被害に遭った鳥のショッキングな姿に「胸が苦しい」 注意喚起に賛同の声続々
ねとらぼ / 2024年7月7日 6時30分
-
4Ryzen 5 8600Gを標準搭載する1.92LのBTO PC、超小型PCの決定版になりそう
ASCII.jp / 2024年7月7日 10時0分
-
5「これはやばいw」 モスバーガーの“狂気のLINEスタンプ”が話題 公式も認める異様な絵面に「夢に出てきそう」
ねとらぼ / 2024年7月6日 17時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)