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Silent Master Graphicsは静音ゲーミングPCの新潮流? サイコム・Noctua・長尾製作所のコラボグラボ

ASCII.jp / 2023年11月22日 11時0分

Silent Master Graphicsは静音ゲーミングPCの新潮流? サイコム・Noctua・長尾製作所のコラボグラボ

 サイコムは以前からBTOパソコンにおける高性能と静音性の両立に取り組んでいる。その完成形の1つと言えるBTOパソコンが、同社の看板モデルとなっているデュアル水冷PC「G-Master Hydro」シリーズだろう。

 同モデルではビデオカードを独自に改造して水冷化。簡易水冷クーラーキットを使ったものとはいえ、CPUもビデオカードも水冷化したPCは珍しく、高負荷時でも高性能を安定して発揮できることから人気となっている。

Silent Master Graphicsは静音ゲーミングPCの新潮流? サイコム・Noctua・長尾製作所のコラボグラボ
他社ではほとんど見かけないデュアル水冷構成のG-Master Hydroシリーズ

 ただし、水冷クーラーは高負荷時の動作音は抑えられるものの、ポンプが常時動いている。つまり、低負荷時でもある程度の動作音はしてしまう。それに対し、低負荷~中負荷時の静音性もトコトン追求したモデルが「Silent-Master」シリーズとなる。

Silent-Masterシリーズがもっと静かに

 大型の空冷CPUクーラーを採用することでファンの回転数を抑え、動作音を低減。また、ビデオカードや電源ユニットはセミファンレス仕様で、低負荷時はほぼ無音と言っていいほどの静かさを実現している。

Silent Master Graphicsは静音ゲーミングPCの新潮流? サイコム・Noctua・長尾製作所のコラボグラボ
空冷仕様で静音性を極めたSilent-Masterシリーズ

 PCは一般的に、高負荷時はCPU温度が高くなり、動作音が大きくなるもの。しかし、静音性に優れたPCケースの採用や、適切なCPU電力設定でかなり抑えている。一般的なゲーミングPCのアイドル時の動作音が、Silent-Masterシリーズの高負荷時の動作音、と言ってもいいレベルだ。

 そのSilent-Masterシリーズをさら静かにするべく、サイコムは独自ビデオカード「Silent Master Graphics」シリーズを開発した。今回は、Silent Master GraphicsのGeForce RTX 4060 Ti版を搭載した「Silent-Master NEO Z790 Mini/D4」を貸し出していただいたので、その魅力をチェックしていこう。

Silent Master Graphicsは静音ゲーミングPCの新潮流? サイコム・Noctua・長尾製作所のコラボグラボ
サイコムの静音ゲーミングPC「Silent-Master NEO Z790 Mini/D4」。標準構成の直販価格は26万400円~(配送料込み)

サイコム・Noctua・長尾製作所のコラボで誕生!

 G-Master Hydroシリーズで採用しているビデオカードは水冷クーラーだったが、Silent Master Graphicsでは独自の空冷クーラーを搭載。ファンは低騒音かつ高冷却性能で定評があるNoctua製で、ファンカバーは金属加工に長けた長尾製作所が製造したオリジナルモデルとなる。

Silent Master Graphicsは静音ゲーミングPCの新潮流? サイコム・Noctua・長尾製作所のコラボグラボ
Noctuaのファンと長尾製作所のファンカバーを採用

 試用機のビデオカードはSilent Master GraphicsシリーズのGeForce RTX 4060 Tiモデル(ビデオメモリー16GB版)。厚みは約2.2スロットぶん、ファンは92mm角・14mm厚のものを2基備える。

 さらに、6mmのヒートパイプを3本搭載したヒートシンクを採用し、高温になりがちなGPUやメモリーをしっかり冷やす。また、背面にはたわみを防ぎ、放熱性能を高めてくれる金属バックプレートを装備している。

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背面は金属プレートで補強。補助電源は6+2ピン
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太いヒートパイプで大型ヒートシンクに熱を伝導する

 インターフェースはHDMIとDisplayPort×3と、GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルとしては標準的。インターフェースぎりぎりまで穴を複数開けたブラケットで、エアフローの妨げにならないような作りだ。

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映像出力端子すれすれまで肉抜き加工しているブラケット
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ちなみに、BTOメニューではM.2 SSDのヒートシンクを追加できるが、こちらも長尾製作所に制作を依頼している

ストレステストで冷却性能と静音性をチェック

 では、Silent Master Graphicsがどのくらい静音なのか、簡単にチェックしてみよう。試したソフトはビデオカードに負荷をかける「MSI Kombustor」。デフォルト設定のフルHD解像度のストレステストで、約1時間半ほど負荷をかけ続けた後の状態がこれだ。

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MSI Kombustorを約1時間半動かした状態
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モニタリングツール「GPU-Z」のセンサー値

 結果は見ての通り、GPU温度で72度前後。最も温度が高い部分でも84.5度に抑えられており、冷却性能は十分と言える。では静音性はどうかというと、さすがに「まったく音が聞こえない」というわけにはいかなかった。

 とはいえ、PC正面約40cmの距離で測ったアイドル時の騒音値約33.2dBに対し、MSI Kombustor実行中の騒音値は約37.2dB。音量的には会話に支障がないレベルで、音楽が流れていればほとんど気にならない程度だ。

 ゲーム内では普通何らかのBGMが流れているはず。つまり、プレイ中に動作音が気にならないぐらいの静かさと言える。Silent-Masterシリーズの標準ビデオカードにふさわしい出来である。

 ちなみに、ファンの回転数は最大2100rpm程度。1700rpmぐらいまではファンが回ってることに気づかないほど静かなので、描画負荷の低いゲームであればさらに快適にプレイできるだろう。

CPUクーラーやPCケースファンも静音性重視のNoctua製

 もちろん、Silent Master Graphicsを採用しただけで静音PCになるわけではない。Silent-Master NEOならではの工夫があるからこその、静音性だ。というわけで、ここからはPCケース内を確認していこう。

Silent Master Graphicsは静音ゲーミングPCの新潮流? サイコム・Noctua・長尾製作所のコラボグラボ
Silent-Master NEO Z790 Mini/D4の内部

 Silent-Master NEO Z790 Mini/D4はミニタワーなので、本体サイズは小さめ。そのため、ないぶはわりとみっちり入っているように見える。そしてすぐ目に入ってきたPCパーツはやはり、Noctua製のPCケースファンとCPUクーラーだ。

 Noctuaファンは静音にこだわるのであれば必ず選んでおきたいPCパーツだが、ビデオカードにSilent Master Graphicsを採用したことで、電源ユニット以外のファンはすべてNoctua製になった点が興味深い。

 空冷PCで重要となるエアフローもしっかり考えられている。裏配線を徹底し、PCケース内のケーブルは必要最小限でレイアウト。その裏側も見ていただきたい。

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裏側も無駄がないケーブルレイアウト

 用途やケーブルの方向を考慮した束ね方で、整然とまとめられている。こういった細部までこだわった組み立てがサイコムのいいところだ。

 PCケースはCooler Masterの「Silencio S400」を採用。サイドパネルの内側に遮音材が貼られている静音仕様のPCケースで、動作音が外に漏れづらい構造になっている。もちろん、フロントパネルの内側にも吸音材を装備。吸気口にはラクに着脱できるフィルターを備え、メンテナンスもしやすい。

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フロントパネルは開閉式で、フィルターを搭載

静音性にコダワリながら性能面でも妥協したくない人に

 Silent-Masterシリーズはもともと静音性を重視する人に高い支持を得ているモデルだ。今回のSilent Master Graphicsの採用でその地位は不動のものになることだろう。

 なお、フロントインターフェースは2基のUSB Type-A(USB 3.2 Gen1)とヘッドセット端子のほか、SDカードリーダーを備えている。USB Type-Cもあれば満点なのだが、そこはリア側で補っている。

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フロントインターフェースにはSDカードリーダーも搭載

 そのリアインタフェースにはUSB Type-Aを7基(USB 3.2 Gen 2が1基、USB 3.2 Gen 1が4基、USB 2.0が2基)備え、USB Type-C(USB 3.2 Gen 2)も1基ある。

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リアインターフェースはUSBポートが豊富

 今回は静音面、特に独自ビデオカードのSilent Master Graphicsを中心に紹介したが、次回はほかのPCパーツも含めた性能面をチェックしていく。

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