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ゲートロンの巨大「キースイッチ・カプセルトイ」を衝動買い

ASCII.jp / 2023年11月24日 11時30分

ゲートロンの巨大キースイッチ・カプセルトイを4000円強で衝動買いした

 昨今のパーソナル・プロダクティビティ(個人生産性向上)のツールのはやりは、リーディングエッジ・テクノロジーのAIソフトとその対極にあるようなレガシーなキーボードだ。パーソナルコンピュータの入力装置として初めて本格的なキーボードが登場したのは、今から42年前のThe IBM PCの登場時期までさかのぼる。

 キーボードのお話になると、個人の趣味や経験から様々な異論が噴出するのはいつものことだ。現在、開発者やプログラマーをはじめライターやゲーマーなどのほとんどの人がお世話になっているキーボードとそのキー配列は、その頃のIBMのキーボードをルーツとするものがほとんどだ。

PC用のメカニカルキーボードは誕生から40年以上の経った現在も人気だ

 先日、PFUからポインティングデバイスを搭載したHHKB Studioが登場した。この製品の人気を見ると、パソコンに関わる全ての人がとは言えないものの、歴史的に見て多くのパソコンユーザーが文字の入力装置としてのキーボードに極めて強い関心を示していることがよく分かる。

 独チェリーのメカニカルキースイッチが登場後、いくつかの新しい動きがあった。これらには再び文字入力の生産性向上や、打鍵感の向上、eスポーツにおけるパフォーマンスの追求、オフィスでの静寂性指向などを目指す新たな動きなどが含まれる。ユニークなキースイッチが登場し普及した結果、市場が広がり多くのチェリー互換キースイッチが生れた。

 そんな中のひとつが、中国のゲートロン(GATERON)だ。筆者はチェリーの熱心なファンのため、残念ながらまだゲートロンのキースイッチは使ったことがない。本筋のキーボード以外に、キースイッチを使ったテスターやガジェットの増加もキースイッチの認知には一役買っている。筆者もチェリーの青軸や緑軸を使って「Reboot Anytime」という指遊びガジェットの販売をいまだに続けている。

クリック感のあるメカニカル・キースイッチはガジェットでも人気だ

キースイッチを巨大化したガジェット 「Giant Switch Twister」を衝動買い

 そんなキーボードのコア・コンポーネントであるキースイッチを巨大化したガジェットが、今回紹介するゲートロンの「Giant Switch Twister」だ。残念ながら、なぜかキーキャップがない。オプションでもキャッチワードやイニシアル的な文字を描いたキーキャップがあれば楽しそうなのに、極めて残念だ。現代なら3Dプリンターで楽しみながら解決することもできそうだ。

サイズは14.5×14.5×13.8cm前後とかなり大きい

 実は筆者はいまだにパッケージに書かれた「ミステリーボックス」という名称と、その実態が頭の中で結びつかないでいる。筆者的に言うなら「巨大なキースイッチの格好をしたルーレットのようなカプセルトイ」と言うところだ。なので今回も勝手に「キースイッチ・カプセルトイ」と命名した。以降、本コラムでは「Giant Switch Twister」のことをキースイッチ・カプセルトイと呼ぶ。

筆者の大好きなチェリーのMXキースイッチ(緑軸)とサイズ比較してみた

内部のスプリングが任意のカプセルを選択する機構

 キースイッチ・カプセルトイの大きさは、14.5×14.5×13.8cmのほぼ立方体スタイルだ。小さなキースイッチの何百個分かの巨大なサイズだと思うが、実際のサイズ差は計算していないのでよく分からない。街にあるカプセルトイと同じように、ワンアクションで小さなカプセルを出してくれる。もちろん自分専用なのでコインは不要だ。

 カプセルトイは100円硬貨を何枚か投入してハンドルを回すと、カプセルが落ちてくる仕組みだ。キースイッチ・カプセルトイは本来ならキーキャップが乗っかる最上段の+型の軸を下側に手のひらで押し下げることで、内部のスプリングパワーでルーレットのように回転音を出しながら、内部の円盤が回転し任意のカプセルが選ばれる。

てっぺんの+軸を押し下げ、レバーを引いて、引き出しを引くとカプセルが出てくる

 そしてキースイッチ・カプセルトイ側面にあるレバーを引くことで、先ほど選択された1個のカプセルが取り出し口である引き出しの中に落下する。あとは引き出しの6角形の取っ手を引けば、中に小さなカプセルが入っているという簡単な仕組みだ。

5個のカプセルには種類違いのゲートロンのキースイッチが1個入っている

 小さ過ぎて密閉感が半端ないカプセルを両手の爪先2つに割って開けるのはなかなか厄介な作業だが、慣れればどんどん速くなってくる。出荷時は、内部にゲートロンの種類の異なるキースイッチが入っている。カプセルは5個付属する。カプセルの再装填は、+型の押し手を指でつまんで強く引き上げ、引き抜くと内部が見えるのでカプセルを落とすだけで簡単に再装填できる。

カプセルの再装填は+軸を引き抜いて内部に入れるだけ
ゲートロンのキースイッチ以外にもいろいろ入れて遊んでみたい

年末年始のイベントやパーティの抽選機に使えそう!

 キースイッチ・カプセルトイは、出荷時のままでは単なるキーボードマニアの時間潰しガジェットのような位置づけだ。そしてこれからのクリスマスや新年会、忘年会、仲間やサークルの集まりや会食などで、どう演出するかでそのイメージは決りそうなガジェットだ。

 実物のキースイッチサイズに合わせたカプセルサイズは、極めて小さく内部に収納できるアイテムにはかなりの制限が付きそうだ。小さくて価値のあるものを探して入れるのもおもしろいかもしれないが、ナンバーを記入した小さなボールを入れて凝ったサイコロとして使ったり、アイテム名を筆記した紙を折って入れておくとか、いろいろアイデアを考えることはできそうだ。

 出荷時に付属するカプセルはたったの5個だけなので、小家族のホームパーティやグループ別の抽選会などには向いているが、大人数のパーティなどの抽選機に使うのは少し無理がありそうだ。

 最大の課題はキースイッチ・カプセルトイが、超マイナーで特殊な環境の限られた人達だけが知っている「キースイッチ」という、ハードウエアコンポーネントを模して作られたモノであることだ。非マニアックな大多数の層にとっては、これがいったい何モノなのか全く見当がつかず、注目度がゼロになってしまう危険性がある。

 間違いなくキースイッチ・カプセルトイは、その異様な外観とその存在自体を楽しめるマニアックなキーボード廃人のための超ニッチなガジェットだ。巨大キースイッチ風のアイテムの仲間には、より目的の分かりやすいクッキーボックスのようなモデルもあるが、多くの人がキースイッチの外観に違和感を持つことは変わりないだろう。

 驚くのはこの手のガジェットだけでも何十種類も見つかるAliExpressは、アマゾンや楽天とは一味も二味も異なる驚嘆の世界であることだ。そして世界市場を見れば、その品揃えの幅広さと誰もやらないならやるというポジティブなスタンスは、昔懐かしい「ロングテール」マーケティングを思い出してしまう。

 キースイッチ・カプセルトイに対して大いなる疑問を抱いている読者諸兄も、新しいアイデアの創出とポジティブマインド養成のために、この際思い切ってキースイッチ・カプセルトイを1台手に入れてみるのはどうだろうか? たった4000円程で早ければ注文して1週間くらいで配送されてくる。年末年始のイベントやパーティにはまだ間に合いそうだ。

 
T教授

今回の衝動買い

・アイテム:GATERON「Giant Switch Twister」 ・購入:AliExpress ・価格:4310円

T教授

 日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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