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2025年以降もWindows 10に延長サポートがある可能性!? 対応ハードを絞る真の本命は次期Windows?

ASCII.jp / 2023年11月26日 10時0分

ネットのアクセス情報から推定される Windows 10のシェアは70%前後 2025年終了で大丈夫!?

 Windows 11の出荷が開始されて2年が経過。3番目のバージョンである23H2の配布も始まった。しかし、インターネットのアクセス情報から算定するWindowsのシェアを見ると、Windows 11はいまだ30%に達しておらず、Windows 10が70%前後を占めていることがわかる。これは実際に使われているPCの比率とそれほど離れていないと思われる。

●Desktop Windows Version Market Share Worldwide | Statcounter Global Stats  https://gs.statcounter.com/windows-version-market-share/desktop/worldwide/#monthly-201507-202310

 このままでは、Windows 10のメインストリームサポートが終了する2025年に、Windows 11が現在のWindows 10と同程度のシェアになるか危ぶまれるところ。そこで来年2024年から再来年2025年にかけて何が起こるのかを考えた。

Windows 11
Microsoftのサイトには、システム要件を満たさないPCにWindows 11をインストールしたときの「免責事項」を解説したページがある。そもそもアップグレードさせたくないのであれば、インストーラーで条件をチェックして禁止すればいいだけのことだ。そうではないのは、アップグレードを黙認するが、サポート対象外とするためだろう

そもそもなぜWindows 10のシェアは高いのか?

 Windowsの世代の切り替わりには、以下のシナリオがある。

・新規マシンの導入で新しいWindowsに移行 ・アップグレードで新しいWindowsに移行 ・マシンそのまま使い続け、新しいWindowsには移行しない

 Windows 10では、Windows 7/8.1からの無償アップグレードを可能にしたため、多くのPCがアップグレードした。これにより、市場の多くを占めていたWindows 7マシンの多くがWindows 10へと移行したと考えられる。

 Windows 8.1は今年1月で延長サポートが終了しており、ほとんどのユーザーは、Windows 10にアップグレードしたか、新規マシンを導入したと考えられる。またWindows 8は、8.1への無償アップグレードが可能であったため、意図的に維持しているユーザーのみが残り、多くは8.1経由で10に移行したか、ハードウェアを切り替えただろう。

 Windows XPの延長サポートが2014年で切れたタイミングで、新しいマシンの購入などで結果的にWindows 10に移行したユーザーも少なくなかった。

 Windows 10は流入元が多かったこと、Windows 11が出るまで6年間最新バージョンであったために、長期間プレインストールマシンの販売が続いた。その結果、8割を超えるシェアに達したと考えられる。

それにしてもWindows 11への切り替えが遅いのでは?

 前述のシェア比率を見ると、現状はWindows 11が3割弱、10が7割弱、残りがそれ以外といったところ。Windows 10は、出荷の2年後のタイミングで30%を越え、40%に迫る勢いだった。しかし、Windows 11はそうなっていない。

 つまり、Windows 11の普及スピードは、Windows 10に比べて遅い。その原因の1つは、Windows 11のシステム要件が厳しく、自動でアップグレードできないPCが市場にはまだ多数残っているからだ。

 Windows 11は、CPUではインテル第8世代以降、AMD第2世代Ryzen(Zen+世代)が必要とされており、これらは2018年に出荷が始まっている。それ以前の「古いハードウェア」はWindows Updateによる「自動アップグレード」ができない。

 2015年に出荷が始まったWindows 10のシェアには、Windows 7/8.1からのアップグレードが多数含まれており、これらのマシンは当然Windows 11のシステム要件を満たさない。加えて、Windows 10プレインストールマシンであっても、2018年以前のものは同様にWindows 11へ自動アップグレードができない。

 Windows 11は、Windows 10が動作していて、システム要件を満たしていれば、Windows Update経由で無償アップグレードができる。アップグレードはこれまでのWindowsに比べると簡易化されており、マニアックなユーザーでなくても可能なはずだ。

 それにも関わらず、普及のスピードが遅いのは、手動アップグレードしなければならないマシンが大量にあり、PCの新規販売に普及の多くを頼っている状態だからだと考えられる。

 ただし、システム要件を厳しくした時点で、この状況はある程度予想できたことであるはず。つまり、Microsoftは想定済みの状況であると考えられる。

今の状況を想定済みとして、Microsoftはどういう対策を打つか

 今から2年後の2025年10月には、Windows 10のメインストリームサポートが終了する。一般消費者向けエディションはアップデートが停止、企業向けエディションでもセキュリティアップデートのみが配布される延長サポートが開始される。いわゆる「ディスコン」みなるわけだ。

 この時点で問題になりそうなのは、多数のWindows 10マシンがまだ動作していることだ。Windows XPのときのように一般消費者向けのエディションも「延長サポート」の対象になる可能性はある。

 Windows 11では、システム要件を厳しくしたが、自身で手動アップデートが可能であることなどを発表するなど(後述)、何のためのシステム要件だがわからない状態だ。しかし、市中在庫を考えると、これには意味が出てくる。

 実際のところ、今でもWindows 11のシステム要件を満たさないPCが大量に売られている。しかし、2025年にメインストリームサポートが切れれば、Windows 10プレインストールマシンの販売を継続することは難しい。こうした事態は、Windowsのバージョンアップにはつきものなので、大手メーカーは困ることはないだろうが、問題は中小企業も少なくない流通系企業が持つ「流通在庫」などである。

 通販サイトなどを見ると、Windows 11のシステム要件を満たさないCPUなのに、Windows 11を搭載したマシンを見かける。おそらく販売業者などが手動でアップグレードをしたのであろう。現状Windows 11では、システム要件を満たさないハードウェアでも手動でインストールが可能でライセンス認証もできる。こうした業者は、少なくとも一般ユーザーよりは技術力があり、売らなければ損するだけなので手動によるアップグレードを避けることはないはずだ。

 つまり、システム要件を満たさないマシンへの手動インストールが可能で、ライセンス認証を拒否しないのは、Microsoftとしてはユーザーで勝手にやってくれということだ。

 逆に、Windows 11には、そういう逃げ道を用意しておいて、来年に噂されるWindows 12(仮称)では、システム要件の適用を厳しくし、要件を満たさないPCでは、アップグレードやライセンス認証を拒否する可能性がある。というのも、Windows 11でシステム要件を明確化したのは、サポート対象のハードウェアを限定して開発を容易にするのが1つの理由と思われる。しかし、手動インストールでは、システム要件を満たさないマシンでのインストールが可能では、ハードウェアを限定したことにならない。

 Microsoftのサイトにある「最小システム要件を満たしていないデバイスに Windows 11をインストールする」にある「更新プログラムを受け取る資格がなくなります」(冒頭画面)というのは、Windows 12にはアップグレードできないという意味だとしたら、最初から計画済みだったということだ。

Windows 10と11の差は小さく 引き続き長期のサポートは可 古いハードウェアを切り捨てる本命は次期Windows?

 Windows 10と11の差は実際とのことろ、かなり小さい。見た目は異なるもののカーネルバージョンも大きく違わない。このため、セキュリティアップデートの開発なども多くの部分を共有できると考えられる。Windows 10と11に対して、長期間セキュリティアップデートを提供することは難しくなく、最初から、そのつもりで内部的な差分を小さくしてあると考えることもできる。

 つまり、Windows 10とWindows 11に古いハードウェアを留めておき、Windows 12から制限を厳しくするというのが、最初からの計画だったのではないか?

 筆者は、最初Windows 10に「古いPC」を留めておく計画と考えていたが、Windows 11も同じ狙いのバージョンだったのかもしれない。そう考えると、Windows CopilotやLinux GUIアプリケーションを起動できるWSLgが、Windows 10にも提供されていることへの見え方が変わってくる。

 Windows 11のとき、5月のイベントで予告、6月に発表がされた。その例から考えると、次のWindowsの発表まであと半年である。Windows 11は、Windows 10のように6年間も主力OSになることはないはずだ。なぜなら、9を飛ばしてWindows 10にしたのは、2つのメジャーバージョンアップに相当する6年間の開発を、1つのバージョンでする計画だったと考えられるからだ(もちろんAndroidやiOSとの対抗というのもあるだろう)。もしWindows 11が6年間開発を続ける計画なら6年後でも古くならない名称を選んだはずだ。

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