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社会人の勉強がはかどる2つのタイミング

ASCII.jp / 2023年12月7日 7時0分

 社会人になってから改めて、「学びたい」「知識を得たい」という意欲が高まってきた。けれども皮肉なことに、学生時代よりも確実に記憶力は衰えている気がする。仕事が忙しいからか、はたまた脳が衰えているからなのか……。

 こうした悩みを抱えている方は、決して少なくないだろう。

 だが、脳内科医/医学博士である『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』(加藤俊徳 著、サンマーク出版)の著者によれば、加齢と記憶力の低下を結びつけることは間違いであるらしい。それどころか、記憶力の低下も物覚えの悪さも、加齢による脳の老化が原因ではないと断言するのである。

理由は人それぞれですが、もしかしたらあなたが仕事に熱心なあまり、脳の使い方に偏りが出てきてしまったせいかもしれません。あるいは、得意な脳のルートばかりを使ってきたせいで「脳のおじさん化」現象が起き、脳全体の機能が下がってしまっているのかもしれません。(「はじめに」より)

 そこで本書では、現代人が陥りがちな脳の仕組みや、もっとも効率よく頭が働くようになるための勉強法を解説しているのだ。

 毎日のちょっとした習慣によって大人の“脳力”を強化するための習慣術を紹介した項目のなかから、すぐに実践できそうなアイデアを抜粋してみることにしよう。

朝の短い時間で勉強し、それを一日かけて定着させる

 脳は、こまめに復習することによって、それを大事な情報だと認識して記憶するのだという。そんな特性を最大限に活かすために有効なのは、朝に勉強すること。しかも、ほんの少しの時間でいいようだ。

 朝の脳は眠りによってリセットされた状態であり、そもそも脳にはデッドラインを好むという性質がある。したがって、短時間でも効率よく学びを深めることができるわけだ。

朝、学んだ内容を移動時間や隙間時間にこまめに復習(見たり聞いたりするだけでOK)し、1日を通して脳との連続性を維持し続けます。そして、眠る前に仕上げの復習をすれば、記憶としてしっかり定着させられるというわけです。(215ページより)

 まさに、忙しい現代人には最適な手段だといえそうだ。

仕事終わり直後は絶好の勉強タイム

 もうひとつ、「勉強に適した時間」についてのポイントも記憶にとどめておきたいところ。具体的には、「仕事終わり直後」こそが絶好の勉強タイムだというのである。

 仕事に必要な脳番地が機嫌よく働いてくれるのは、8〜10時間ほどなのだそうだ。そのため仕事が終わってから、仕事内容に似たような勉強に取り組んでも、脳は思うように働いてくれない。

 なのになぜ、仕事終わり直後が絶好の時間なのか?

 それは、脳全体が疲れ切っているわけではないからだ。たとえば営業職や接客業など人と接する機会の多い職種の人は、言語力を担う伝達系脳番地を酷使していることになる。事務職などデスクワークが中心の人であれば、おもに視覚系脳番地や思考系脳番地を酷使している状態だ。

 つまり疲れているといっても、脳全体が疲れ切っているわけではなく、一部の脳番地を酷使している状態なのである。そのため、日中ほとんど使うことのなかった脳番地を刺激することで脳はリフレッシュし、疲れているという意識から自分を解放することができるというわけだ。

 当然ながら絶対条件は、仕事で酷使したのとは異なる脳番地を使うこと。

デスクに座っている時間が短い人であれば、帰宅途中のカフェや自宅でテキストを広げて視覚系脳番地を刺激してみたり、仕事中にあまり会話する機会がないのであれば、オンラインで英会話のレッスンを受けるのもいいでしょう。 音読で自分に読んで聞かせたり、勉強した内容を自分が先生の立場になったつもりでひとり授業を開催してみたりして伝達系脳番地を働かせましょう。 また、散歩をしたりジムに通ったり、指先を動かすような趣味に取り組んだりして運動系脳番地を刺激するのもおすすめです。(224ページより)

気分転換を試みることが大切

 医療系や介護職、接客業など人に対する気遣いやケアを求められる職種の人は、感情系脳番地が疲弊している状態だということになる。本人にはさほどの自覚がないというケースも考えられるだろうが、仕事の質を考えれば多少なりとも疲れて当然であるはずだ。

 そこで、日常的にそのような仕事に携わっている方であれば、植物の世話や日曜大工、裁縫などによって視覚系脳番地を刺激したり、自然の多い場所をのんびり散歩するのもいいかもしれない。

 要は、日常的に携わっている仕事とは対照的な位置にあることをして気分転換を試みることが大切だということ。脳を強化するなどと聞くと大げさに感じられるかもしれないが、この程度の小さな習慣が、じつは重要なのだろう。

 さほど難しいことではないだけに、試してみる価値は充分にありそうだ。

■Amazon.co.jpで購入
  • 一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方加藤俊徳サンマーク出版

 

筆者紹介:印南敦史

作家、書評家。株式会社アンビエンス代表取締役。 1962年、東京都生まれ。 「ライフハッカー[日本版]」「ニューズウィーク日本版」「東洋経済オンライン」「サライ.jp」「マイナビニュース」などで書評欄を担当し、年間700冊以上の読書量を誇る。 著書に『遅読家のための読書術』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)、『読書する家族のつくりかた 親子で本好きになる25のゲームメソッド』『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(以上、星海社新書)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』(KADOKAWA)、などのほか、音楽関連の書籍やエッセイなども多数。

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