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月2178円で30GB+通話定額付き! 日本通信SIM「合理的30GBプラン」に実際に加入、ホントに高コスパ?

ASCII.jp / 2023年12月10日 12時0分

 日本通信SIMの「合理的20GBプラン」が、料金は月2178円で変わらず、通信量アップの「合理的30GBプラン」に進化した。しかも通話定額(「1回5分までかけ放題」「月70分まで」から選択可)まで付いてくる。MVNOの格安SIMでは月2000円強の金額で20GBというプランが多いが、日本通信SIMだけ頭1つ抜けた形だ。本当に安くて使えるSIMなのか、実際に加入して確かめた。

日本通信SIM
30GB使えて、通話定額もついて月2178円と、インパクトある料金を実現した日本通信SIM「合理的30GBプラン」

30GBの通信量はうれしいが 余った分の繰り越しはない点は注意したい

 現時点で、通信量が月30GBのプランというのはMVNOの格安SIMでは日本通信SIMのほかにはあまりない。月20GBのプランは数多くあるが、それよりも上となると主なところではイオンモバイルくらいだ。月30GBをきっちりと使い、多少は電話の発信もあり、その上で安く済ませたいのなら選択肢として日本通信SIMは唯一に近いものがある。

 しかし現実には、毎月使う通信量は変動があるのが一般的だ。その点で、日本通信SIMのプランは余った分の翌月繰り越しができない点は注意が必要と言える。たとえば、月によって通信量が15~25GBくらいで変動するような場合、繰り越し有りの20GBプランでは、多く使う月に25GB使ったとしても収まる可能性がある。

 月20GBの繰り越し有りのプランとしては、IIJmioが2000円、mineoが2178円、イオンモバイルは2288円と同価格帯でいくつかサービスがある。

3000円台の初期費用は他のMVNOと異なり、基本的に必要

 また、加入時の事務手数料も総支払額に影響がある。他のMVNOの格安SIMでも、通常料金では合計で4000円近くなるが、事務手数料を含んだ「エントリーパッケージ」が用意されているサービスであれば、その分費用を下げられる。

日本通信SIM
Amazon.co.jpで購入した日本通信SIMの「スターターパック」

 日本通信SIMでも最近になって、「スターターパック」を販売するようになってきたが、現時点では3000円程度だ。筆者はAmazonのブラックフライデーセールで2400円で購入したが、セールであっても一部の格安SIMのように、タダに近い金額、または数百円程度で売られるようなことはなかったと考えられる。

日本通信SIM
中身はコードが入っているだけだった

 もし、ここで3000円程度かかってしまうと1年使うとして月あたり約250円ほどが加わる。また、IIJmioのように加入時の特典(スマートフォンの割引販売)が多いところと比べた場合に、さらに開きが出てしまう。

■Amazon.co.jpで購入
  • 【日本通信SIM】 合理的(シンプル290、みんなの、20GB※2023/11/27から30GB、かけほ)各プランから選んでお申込みいただける、新スターターパック NT-ST2-P日本通信

追加チャージが必要になった場合も安価なのは◎

 日本通信SIMでは、通信量が足らなくなった場合の追加チャージが1GBあたり220円と比較的低価格に抑えられているのも特徴。また、上限もあらかじめ設定しておける。

 たとえば、通信量が30GBを超える可能性がある場合、上限を35GBなどに設定しておけば、自動的にチャージされる。33GB使えば、プラス660円で2838円となるが、結果的に30GBで収まってしまえば2178円しか請求されない。上限に達しても達しなくても快適にそのまま高速で通信を使い続けられる。

日本通信SIM
マイページから上限を設定する。30GBプランの場合、「30GBまで」(追加なし)にしておけば追加料金が発生することはない

 これは月290円の「合理的シンプル290プラン」でも同様で、通常は上限1GB設定でも、必要に応じて設定した通信量まで自動的に課金されて使える。使った分だけ払うという非常に合理的な料金システムと言える。

 また、上限を超えた場合の通信速度だが、サポートページに「数値でのご案内をしておりませんが、短いテキストメッセージのやり取りができる程度の速度となります」と記されている。つまり、サブブランドのプランのように、通信量を使い切った後も最大1Mbpsといったものではない。

 もう1点特徴的なのは、料金の締日が開通日となること。12月3日開通ならば、毎月3日締めになり、容量超過後の速度の回復も料金プラン変更のタイミングも異なることになる。

 また、IPv6に対応していない。現時点ではIPv6対応のMVNOの方が少数派と思うが、業務などの都合でIPv6が必須というのなら、現時点で日本通信SIMは選べない。

実際に契約してみた eSIMなら一瞬で開通した

 続いて、実際に加入を試みた。eSIMかつ、マイナンバーカードで個人確認をした場合は、すぐ開通するとのことだったが、実際に申込完了後、数分で開通した。なお、マイナンバーカードを使う場合は、日本通信SIMのスマホアプリから手続きする必要がある。

日本通信SIM
マイナンバーカードを使うにはスマホ用アプリからの手続きが必要
日本通信SIM
SIMの種類や通話定額をどちらにするかを選択する

 なお、その際にはカードのパスワードが2つ必要になる。一般的な用途では4桁の暗証番号しか要求されないことが多いため、長い署名用のパスワードを忘れていると手続きできない点には注意してほしい。

 また、ドコモ系MVNOでのeSIMで共通だが、使用する端末のEIDが求められる。機種によっては設定の奥深くに隠れていることもあるので事前に確認しておきたい。

日本通信SIM
マイナンバーカードを読み取る。今回、モトローラのmoto g53y 5Gを用いた

 MNPではない純粋な新規契約でアプリとマイナンバーカード、eSIMで開通させた今回のケースでは、平日の午後だったが申し込み完了メールの2分後に開通手続き完了メールが来ていた

 その後、eSIMの読み込みをして、APN設定をすると使える状態になる。手順や必要なものを揃えてさえいれば、最短なら申し込みから5分程度で利用可能になったわけだ。

日本通信SIM
ステータス情報に電話番号が表示されたら完了。開通したら5Gオプションもオンにしておこう。機種によっては日本通信SIMの接続設定が入っていないので、今回、新たに作成した

 ただし筆者の場合は、前述のスターターパックをAmazon.co.jpのセール時に購入したため、手元に届くまで3日ほど時間がかかった。Amazon.co.jpで販売している各サービスのパッケージでは、シリアル番号だけメールやサイト上で表示させるタイプもある。現時点で、日本通信SIMはその仕組みに対応していないため、届くまで時間がかかることは覚えておきたい。さらに物理SIMを選ぶと、当然ながらSIMが届くまでの時間も必要だ。

MVNOとしては快適度が高く、昼の速度低下も少なめ

 最後にデータ通信回線としての快適さを示す目安となる、速度測定の結果を見ておきたい。すべて郊外の住宅地で測定しているため、無線区間の差よりも、利用ネットワークであるドコモとMVNO間やその先のインターネットへのデータ伝送の能力の比較と思ってほしい。環境は揃えたわけではないが、結果的にすべて4Gでの接続だった。

 参考として、MVNOの格安SIMの代表と言えるドコモネットワークのIIJmio、サブブランドのY!mobile/UQ mobile、そして楽天モバイルと比較している。

 昼に近い午前中といった混雑の少ない時間帯では、各社フルスピードの速度を記録している。Y!mobileと楽天モバイルが少し低い程度。電波環境の違いもあるため、このくらいの速度が出れば最高速が出ていると言っていいだろう。

 また、格安SIMを動画視聴などで使う場合に重要な昼休み時間帯の通信状態だが、IIJmioが一桁台まで落ちていることに比べると日本通信は健闘している。このくらいの速度が出れば、昼休みの食事のあと、高画質で動画を見て楽しむということもできそうだ。

 夕方の落ち込みもほとんどない。夕方から夜にかけては、一度の速度測定ではなく、継続的に利用していかないと良し悪しは判断しにくいが、今のところ問題はなさそうだ。

 なお、ネットワークがドコモなので、今年に入ってから話題になっている通信品質の低下は当然関係してくるが、今回のテストでは繁華街などで試していないため、問題になるようケースには当たらなかった。

月30GBの余裕は大きい! 継続的にデータ通信を使い、通話定額が必要な人におすすめ

 繰り越しがない点など、日本通信SIMが不利になっている部分もあるが、日本通信の30GBプランは安定して毎月25GB程度使い、通話定額も必要とするのなら良い選択であることは間違いない。

 今のところ通信速度という面でもMVNOのなかでは良好なと思われ、昼休みの速度の落ち込みも少ない。この条件に合致した人は検討してみてほしい。

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