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MEMSスピーカーの製品化が進む、Nobleの新製品に期待

ASCII.jp / 2023年12月10日 17時50分

Noble XM-1
XM-1

 Noble AudioもMEMSスピーカー採用に動いた。

 11月11日と12日に開催された「CanJam Dallas 2023」」において、Noble AudioがMEMSスピーカーを搭載したイヤホン「XM-1」を公開した。価格は699ドルだ。XM-1はMEMSスピーカー(xMEMSのCowellユニット)と8.3mmのダイナミックドライバーのハイブリッド構成を採用している。Cowellは、クリエイティブメディアの「Aurvana Ace」シリーズも搭載しているが、同様にツィーターとして使用するようだ。Cowellは設定によって、ツイーターとしてもフルレンジドライバーとしても使用できるユニットである。

 Aurvana Aceシリーズの記事でも書いたが、MEMSスピーカーの音響的な優位性は高域の歪みを減らせる点にある。XM-1はMEMSスピーカーの採用によって、クリアな中高域が実現できたとしている。

 USB-Cデジタル接続の有線イヤホンである点もユニークだ。MEMSスピーカーは発音体としてはピエゾ形式であり、MEMSチップ内の稼働部を動作させるために高い電圧が必要となる。XM-1はそのバイアス電圧を供給するために特別なアンプをイヤホンに組み込んでいる。その電力を供給するためにUSBを採用しているようだ。このようにMEMSスピーカーの制限事項をどのように処理してメリットを活かしていくかは、メーカーが今後試行錯誤していくポイントの一つになるだろう。

端子部分のアップ

 XM-1は、USB-CまたはLightning端子搭載のスマートフォンで使用可能となっている。ただしAstell&KernのDAPとは互換性がないので注意が必要だという。また、イヤホン側の端子に、JH Audioのような独自4ピン端子が採用されているのも注目だ。シェルはアルミ製で、ノズルはステンレススチールが採用されている。

 CanJamでXM-1(このショウの時点では製品名を「K-XM 1」と呼んでいる)を試聴した人のコメントによると、「XM-1」のサウンドは中高域が美しく、ピークはマイルドに調整されているようだ。特に解像力の高さに感銘を受けたそうで、いままでのNoble製品の中でも気に入ったイヤホンの一つになるとコメントしている。一方で、低音は少し誇張されているそうなので、いわゆるハイブリッド構成のイヤホンらしい味付けになっていると思われる。

ポタフェスでも国内初披露

 また、Noble Audioは、完全ワイヤレスイヤホンの「FALCON MAX」を“ポタフェス2023冬 秋葉原”で公開した。FALCON MAXもやはりMEMSスピーカーとダイナミックドライバーのハイブリッド構成が採用されている。また、同じイベントでNuralが「X878」というMEMSスピーカーとダイナミックのハイブリッドドライバーを採用した完全ワイヤレスイヤホンを参考出品している。

 MEMSスピーカーはここ数年の話題の一つであったが、コロナ禍のためにメーカーが新しい手法に手を出すのを控えていたように感じられた、しかし、いよいよ本格的にMEMSスピーカーが始動していく時期が来たのかもしれない。

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