「体験と発見」を意識した、KEFの新しいショールームが南青山にオープン

　イギリスの歴史あるオーディオメーカーであるKEF。そのショールーム「KEF MUSIC GALLERY TOKYO」が12月9日、東京・南青山にオープンした。縦型の建物は、KEFの技術およびスピーカーデザインの特徴である“Uni-Qドライバー”をあしらっており、まるでスピーカーのよう。特徴的な建物が多い、エリアの中でも異彩を放つものとなっている。

まるで巨大なスピーカーのように思える外観

　もともとKEF MUSIC GALLERYは有楽町（丸の内仲通り沿い）にあったが、10月に閉館して移転。ヘッドホンやイヤホンといったパーソナルオーディオ製品から、ハイエンド製品までKEFが手掛けるオーディオ機器が一堂に会する場所だけでなく、Hi-Fiサウンドの“エクスペリエンス・センター”というコンセプトのもと、試聴だけでなく体験や集いの場としての性格が増した。

エントランスを入ってすぐのTHE GALLERYスペース。KEFとしては手ごろなワイヤレス製品を中心に展示されている。

　このコンセプトを実現するため、「THE STUDIO」というパーティーやセミナーなどが実施できるスペース、ドルビーアトモスなどの体験が可能なシアタースペース「THE EXTREME THEATRE」、2000万円を超えるフラッグシップスピーカーの「MUON」を中心に据えた試聴室「THE ULTIMATE EXPERIENCE ROOM」を用意。フロアー構造も階段と展示棚を中心として、手前に広い1Fと2Fを配置。奥側に半地下や中二階、ロフト的なフロアーを置く形式だ。入口付近の「THE GALLERY」にはワイヤレスイヤホンやワイヤレスヘッドホンから、ワイヤレススピーカーの「LSX2 II」などを展示。階段を上り下りすると、よりハイエンドの機種へとKEFの世界により深く入り込んでいける導線というわけだ。

ヘッドホン、KEF「Mu7」

イヤホンの「Mu3」

デスクトップ再生にもマッチするワイヤレススピーカー「LSXII」

コンパクトなサブウーファー「KC62」

Uni-Coreは対向配置のウーファーで小型でも力強い低音再生が可能だ。ひとつのマグネットをふたつのドライバーで共有、ボイスコイルの大きさも変え、干渉しないようにしている画期的な技術。

断面図。同軸配置の特徴あるKEFスピーカー（Uni-Qドライバー）の構造が分かる。

カラーバリエーションの豊富さも感じ取れる。

ライフスタイルに合った、デザイン性の高さをアピール。

　展示製品の豊富さは魅力だが、購入を検討している人にとって嬉しいのは、販売店などで展示されていることはほぼない、天井スピーカーや壁面埋め込み型のスピーカーなどの音を聴ける点だろう。中二階の「THE WIRELESS HIGH-FIDELITY LOUNGE」では「LS60 Wireless」とサブウーファーを組み合わせた2.1chシステムや「LS50 Wireless II」など、高級価格帯のワイヤレススピーカーに加えて、3種類ある天井スピーカーの比較試聴も可能となっている。

KDaが手掛けたショールームは、階段と棚を中心に縦方向の広がりを感じられる効果的なレイアウトだ。

LS60 Wirelessで2.1ch再生が楽しめるTHE WIRELESS HIGH-FIDELITY LOUNGE

ロータスとのコラボもアピールしている。

右側がLS60 Wireless Lotus Editionだ。

左、中央、右に異なる天井スピーカーを展示。聴き比べができる。BGM用途からTHX認定の本格的なシアター用途までラインアップを持つ。

ところどころに往年のKEF製品も展示。KEF Stringless Pleasureは棚と一体化したオーディオ再生システムだ。

放送局用に開発され、世界的に知られるようになった「LS3/5a」も展示されている。

イベントや配信など、多目的に使えるTHE STUDIO

　また、ショールーム内のレイアウトを定期的に変えられるよう、THE GALLERYに作りつけられた棚は可動式となっている。製品ラインアップの変化や期間限定イベントなどに合わせて雰囲気を変えられるわけだ。

　これ以外にも大型のサイネージを組み合わせて、さまざまな情報発信が可能であったりと、こだわりを見せる。ハイブランドの店舗が多く並ぶ南青山は、ファッションやライフスタイルについて感度の高い人々が歩く街となっている。特徴ある外観と細かな配慮が加えられたショーケース、そして、ここだけでしか得られない体験が得られる特別なスペース。それがKEF MUSIC GALLERY TOKYOと言ってもいいだろう。

Hi-Fiスピーカーの展示も充実、The ReferenceやRシリーズが並ぶ。

THE EXTREME THEATREでは、Bladeシリーズの試聴のほか、埋め込みスピーカーを活用したホームシアター体験ができる。

トップスピーカー

THE ULTIMATE EXPERIENCE ROOMはMUONを中心とした最高級のシステムでの試聴が可能。アナログレコードの再生も可能だ。

MUONは2mもある大型スピーカー。ラックに収められているフルサイズのシステムと比較すると大きさが分かる。

MUONのミニ版ともいえるBluetoothスピーカー「MUO」のカラバリも参考展示していた（生産完了）。

THE GALLERYの棚は可動式になっていて、レイアウト変更が可能だという。