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ポタフェス2023冬で見つけた新製品、注目製品

ASCII.jp / 2023年12月12日 15時30分

 12月9日と10日に東京・秋葉原で開催された「ポタフェス2023冬 秋葉原」。会場で見つけた新製品、注目製品を紹介する。試聴を求め、長蛇の列が形成されていたブースも多数あったぞ!!

またまたいっぱい出してきたFiiO

 毎回多数の製品が並ぶFiiOの製品。参考出品だけでも9製品があった。その中で、注目したいのは直近で発表された「K9 Pro ESS Skylight」「M11 Plus ESS Stainless Steel」。デザインの美しさが印象的な2製品だ。

K9 Pro ESS Skylight
K9 Pro ESS Skylight
M11 Plus ESS Stainless Steel
M11 Plus ESS Stainless Steel
M11 Plus ESS Stainless Steel
M11 Plus ESS Stainless Steelの背面

 また、「KA17」はいわゆるスティック型のUSB DACだが、ESS TechnologyのハイエンドDACチップ「ES9069」をデュアルで採用。PCM768kHz/32bit,DSD512に対応する。THX AAA-78ヘッドホンアンプも搭載する。面白いのは、USB Type-Cの外部給電端子を持ち、デスクトップモードで最大650mWという大出力を出せる点だ。価格は未定。海外では149.99ドルの予価。

KA17
KA17

 発売が待ち遠しいのはすでにヘッドフォン祭りにも登場している「R9」だ。デスクトップオーディオのオンリーワン&オールインワン的な選択肢となる「R7」のコンセプトを踏襲しながら、音質の向上を図っているほか、DisplayPortやHDMI端子なども装備する。DACは「ESS9038PRO」のデュアル搭載。アンプはTHX AAA-788+を8回路で、最大7000mW出力。K9 Pro ESS以上の大出力だという。筐体はアルミ合金+鏡面仕上げ。音楽とリズムに合わせて変化するダイナミックRGBライトを搭載する。国内では年明け以降に発売。海外予価は1499ドル。

FiiO R9
R9

 「FT3 32Ω」は、60mm径と大型のダイナミック型ドライバーを搭載した開放型ヘッドホン。FT3は350Ωとインピーダンスが高く、ポータブル機器では音量が取りにくかったが、使いやすい32Ωとなった。

 振動板はLCPアルミニウムメッキ+アルミニウムの複合素材であり、FT3のDLC(Diamond-like Carbon)振動板とベリリウムコーティングエッジの組み合わせから変更になっている。また、ケーブルも392本の銀メッキ単結晶銅線で構成した直径23AWGのもので、古河電工製の単結晶銅ケーブルを導体にしていたFT3とは異なる。

 ここまで違うなら型番を変えても良さそうだが、中国市場では外観が同じものは同じ型番にするというならわしがあるそうだ。国内販売は未定。海外予価は299.99ドル。

FT3 32Ω
FT3 32Ω
FT3 32Ω
さりげなく32Ωのシルク印刷

オーディオテクニカの黒柿ヘッドホン

 天然木にこだわったヘッドホンを多数販売してきたオーディオテクニカ。「ATH-AWKG」は希少な黒柿をハウジングに使用した製品。「自然の神秘」と「日本の職人技」を体現できる木材。「黒柿」は黒い紋様が現れた柿の木を指し、100年以上経った古木でしか見つかっていないそうだ。乾燥作業も難しく、生産量が極めて少ない。

ATH-AWKG
ATH-AWKG

 直径53mmのドライバー、チタニウムフランジ、6N-OFCボビン巻きボイスコイル、オーディオテクニカ独自のD.A.D.S.構造による伸びやかな低音、6.3mm端子とXLR-M端子を採用した布巻きケーブルを合計2本、マグネシウム合金アーム、高耐久性のシープスキン(羊革)の仕様などが特徴。黒柿木で装飾された木製収納ケースに入れて販売する。直販価格は60万5000円。

 なお、秋のヘッドフォン祭りに出展されていた、超ハイエンドシステム「鳴神(NARUKAMI)」(価格1320万円)に含まれるヘッドホン「AW-KG NARU」の仕様を一部変更したものとなっている。

特徴ある風合いだ
【参考】鳴神のヘッドホンアンプ(写真は10月のヘッドフォン祭り)
【参考】ATH-AWKGの箱(写真は10月のヘッドフォン祭り)

Meze Audioのフラッグシップ機を現代向けにアレンジ

 Meze Audioはルーマニアのブランドで、新製品「Empyrean v2」を展示。発売から5年経った「Empyrean」向けにチューニングしなおしたもの。試聴を求める人が多かった製品だ。エンクロージャーの外部をアルミに変更して強度アップ、グリル部分のデザインやイヤーパッドの変更など、外観の細部も変わっている。価格などは未定。

Empyrean v2
Empyrean v2

AUDEZE、手の届きやすい平面駆動型ヘッドホン

 AUDEZEは平面駆動の「MM-100」を展示。実売約30万円の「MM-500」の下位に位置づけられるモデル。実売8万円程度で投入される予定とのことだ。平面磁界型のヘッドホンは全体に高価だが、その魅力をまず感じてみたい人にいいかもしれない。上位モデルとの差は感じるのだが、MM-500と聴き比べても十分にエッセンスを引き継いでいるように思えた。「LCD-X 2021」などと比べるとリスニング寄りのチューニングだ。

AUDEZE MM-100
AUDEZE MM-100

SkullcandyのCrusher ANC 2

 元祖振動ヘッドホンの最新版「Crusher ANC 2」。ドライバーを一新して、クラッシャーベースのダンピングが飛躍的に強化されている。向上したANC性能との組み合わせにより、クリアで臨場感あふれる「音楽」「ライブ視聴」「映画」「ゲーム」などを楽しめる。ANC性能の強化は、周囲の騒音を打ち消すだけでなく、ヘッドホン内部で振動するクラッシャーベースの反響音を打ち消し、クリアな高音と力強い重低音につながるとのこと。左イヤーカップのホイールも刷新、振動の調整も簡単になっている。

Crusher ANC 2

 EDMやクラブ系の音楽、あるいは映画のアクションなどは本当に楽しい。細かいことは考えず、音と衝撃に没頭したくなる。こうしたイベントでは高音質(Hi-Fi)にこだわる以外の楽しみ方もあると気付かされる。Bluetooth 5.2対応で、マルチポイント接続対応。聴力を計測して再生音を個人最適化する機能なども搭載。ドライバーは直径40mm、重量は約332g。発売中で価格は4万3800円。

装着感を高めた肉厚のイヤーパッドにも注目だ。
ヘッドバンド部分の素材感も変更している。
振動の強弱はダイヤルで変更できる。最大にしたときの迫力はスゴい。

Ultrasoneの新ヘッドホンは到着ほやほや

 Signatureシリーズでは、密閉型で50mmのマイラー振動板を採用した「Signature PURE」を展開中のUltrasone。参考出品として、45mmのチタンプレーテッドマイラー振動板採用の「Signature FUSION」、40mmのチタンプレーテッドマイラー振動板の「Signature MASTER MKII」という2モデルが展示されていた。ドライバー口径と素材によって少しずつ音の変化があるのが確認できた。

Signature MASTER MkII(左)とSignature FUSION(中央)を投入予定

 Signature Master MKIIは届いたばかりということで、側圧などの調整などをしているところとのこと。ドライバーなどは同じだが、ハウジングのプレートが、中央に「×」をあしらった新デザインに統一され、イヤーパッドもアルカンターラ素材にするなど細部が変わった。価格的にもMASTERと同程度になる見込み。来年発売予定だという。

FUSION
Signature FUSION

 Signature FUSIONは、PUREとMASTERの中間的な位置付けのモデルとなる。価格などについては未定だが、MASTERは実売12万円台後半、PUREは実売3万円台となっている。イヤーパッドについては、MASTER同様シープスキンを使用している。

Ultrasone FUSION
ヘッドバンド部にメッシュのようなものがあしらわれているのも特徴。

Unique Melodyの高級イヤホン、値付けは時価

 Unique Melodyでは「MAISON FS(Fabled Sound)」や「The Multiverse Mentor」といった国内ではなかなか出回らない高級イヤホンを展示。試聴できるようにしていた。高級イヤホンでなかなか数が出ないため、欲しい場合は代理店のミックスウェーブで受注し、都度見積もりを出す仕組みになっているという。時価だが、いま値段を付けるとすると70~80万円ぐらいにはなりそうだ。

MAISON FS
MAISON FS

 完璧なトーンバランスに感じるMAISON FS、広い音場に没入した感覚のThe Multiverse Mentor。どちらも魅力的なサウンドかつキャラクター分けが絶妙で、ひとつに絞るのが難しそう。。骨伝導を始めとしたドライバーについても機種ごとに合わせて選定しているそうで、Unique Melody製品の裾野の広さを感じ取れた。

The Multiverse Mentor
The Multiverse Mentor

NUARLはOvertureのリミテッド版を展示

 NUARLは既報のMEMSスピーカー搭載の完全ワイヤレスイヤホンに加えて、カスタマイズ性が高いイヤホン「Overture」の特別版「Overture Limited Edition Titanium」を展示していた。

 Overtureは“カスタムを超えたユニバーサルイヤホン”を標ぼうし、軸の部分を好みで変更できるイヤホンだ。筐体がチタンとなるほかケーブルやドライバーなども見直す計画。実売価格はOvertureの6万円台よりも高くなる見込みだが、倍程度になるのではという話もあった。

 軸の交換で中域・高域のキャラクターは変えず、400Hz以下の低音の再現に変化が出せるという。もちろんアコースティックによる調整なので、不自然さは出にくい。安定感や存在感といった音の細かなニュアンスが変化するイメージに近かった。

Overture Limited Edition Titanium
Overture Limited Edition Titanium
NUARL Overture
奥に見える複数の軸を付けかえることで低音に変化が出る。

qdcの「EMPEROR」と「8Pro」

 Astell&Kernなどを扱っている代理店アユートとqdcが共同で企画した「EMPEROR(仮)」。ユニット構成は、超低域用のダイナミック、低域用のBA×4、中域用のBA×2、高域用のBA×4、超高域用のEST×4という片側15ドライバーを搭載。詳細は未定だが、実売価格は50~60万円程度を想定する超ハイエンドイヤホンだ。

EMPEROR
EMPEROR

 一方、「8Pro」は片側8ドライバーを搭載し、スイッチ切り替えでLive、Hi-Fi、Studioの3つのモードを選べる製品。インピーダンスも19~62Ωで変化するそうだ。構成は低域用のBA×2、中域用のBA×2、高域用のBA×4。カスタム版も同時発売する予定。実売価格は25万円前後になるという。

 サウンドはバランスがよく非常に好印象だった。

8Pro
筐体はカーボン製
8Pro
H、S、Lのスイッチが見える

LUMINOX独自開発のイヤホンも

 高級ケーブルを作っているLuminox Audioは、ブランド初となるイヤホンを参考展示した。型番などもなし。製品名は「?」だ。参考出品でブランド名と同じ「LUMINOX」を冠したケーブルとともに試聴できた。このケーブルは、プラグ部分を回転させることで、経由する線材が変わるというかなり個性的なもの。I、II、IIIの3種類が選べ、IがOCC、IIがSPC(24本)とSPOCC(13本)、IIIがSPC(18本)とSPOCC(24本)となる。

製品名なども「?」で、いろいろ未定の試作イヤホン。ユーザーの声を聴きながら改善していくとのこと。
LUMINOXケーブル
LUMINOXケーブルのプラグ部分は回転。I、II、IIIの3つのモードで音を出せる。
内部構造、回すことで接触する線材が変わる仕組みのようだ。
それぞれのモードでつながる線材。

LETSHUOER S15

 中国のオーディオブランドで、SNSなどで話題。試聴を求める列でにぎわっていたのがLETSHUOER(レットシュオワー)の「S15」。14.8mmの平面磁界駆動型ダイナミックドライバーと6mmの「R-Sonic」パッシブフィルタモジュールを組み合わせた構成のハイレゾ対応イヤホン。プラグは2.5mmバランス, 3.5mmアンバランス, 4.4mmバランスに交換可能。2pin端子でリケーブルにも対応する。筐体は一体成型型の3Dプリントで作り、フェイスプレートはCNC削り出しのアルミ合金製。価格は5万7000円で、12月15日発売予定。

LETSHUOER S15
LETSHUOER S15
LETSHUOER S15
先端が交換できるプラグ

FAudioの音を手軽に楽しめる五角形イヤホン

 FAudioが参考出品した「Project X」については既報の通り。ダイナミック×1、BA×4、EST×2、ピエゾ×1と多種多様なドライバーを1筐体にまとめたハイエンドイヤホンだ。

Project X

 FAudioはこれに加えて、Hibyとコラボして開発した「Project Ace」も展示。世界初披露の製品だ。発売時期は未定だが、実売価格は3万円台とFAudioとしては手の届きやすいものになっている。五角形の特徴的なデザインで、ドライバーはシングルダイナミック型。試聴列が途切れなかった製品のひとつだ。

Project Ace
Project Ace

Acoustune初のUSB DACも登場予定

 Acoustuneは、展示会で何度か披露されてきた「HS2000MX SHO MKIII」がいよいよ1月になることを公表。実売42万円程度と高価だが、第1弾、第2弾と一定の売れ行きがあるのだという。なお、付属する「ARX500」ケーブルは単体売りも予定しており、実売価格は5万円程度になるという。

HS2000MX SHO MKIII
発売が近い「HS2000MX SHO MKIII」
歴代のHS2000MX SHO
ARX500は端子の先が交換できるタイプのケーブルとなる。

 Acoustuneは3万円前半のUSB DAC「AS2002」も開発中とのこと。仕様はまだ未確定でこれから詰めていくとする。気になるのは搭載するDAC。あまり採用されていない特殊なメーカーとのことだが、一体どうなるのだろうか?

AS2002
AS2002の装着方法
リングが付属し、マグネットで簡単にスマホの背面に装着できるとのこと。

Hibyの世界初披露プレーヤー

 Hibyのハイレゾプレーヤー「R8 II」は世界初出展。実売価格は30万円台の半ばになる見込みで、Rシリーズの上位モデル「RS」から技術を流用。DACは同社独自開発のMPAを搭載する。3.5mmと4.4mmのヘッドホン出力を装備している。

R8 II
R8 IIは2色が展示されていた。
R8 IIの背面。アルカンターラ素材を使用するなどリッチな仕様だ。

 さらにHibyのサブブランド的な位置付けの“HIBY DIGITAL”の製品となる「m300」も展示されていた。こちらはワイヤレスを含む接続で気軽に音楽を聴くためのプレーヤーと案る。実売価格は3万円台程度を見込んでいるようだ。

HIBY DIGITALのm300

SHANLING EC Mini

 デスクトップオーディオや据え置き型製品にも力を入れているSHANLING。「EC Mini」は、トップローディング型の「EC3」に続くCDプレーヤーだ。しかもローディング方式は懐かしいスロットインタイプ。バッテリー内蔵で最大7.5時間のCD再生が可能。とはいえ、ただのポータブルCDプレーヤーではなく、4.4mmのバランス駆動用端子やBlurtooth、USB DAC機能、プリアンプ機能なども搭載。MQA-CDのハイレゾ再生(ハイレゾCD)にも対応している。コンパクトサイズでデスクサイドにも置きたい製品だ。実売価格は6万円前後。

EC Mini
EC Mini
4.4mm端子でヘッドホンのバランス駆動にも対応!
ハイレゾCDをデコードできているのが分かる。

iFi audioとXI AUDIOの新製品など

 トップウィングのブースでは同社が取り扱う海外ブランドの製品が並んだ。目新しいものは少なめだったが、発売日などが決定し、超ハイエンド製品を最終もしくはそれに近い形で体験できた点が見どころだろう。

 iFi audioで注目は11月から受注生産している「iCAN Phantom」。真空管を使用し、ブランドではフラッグシップとなるアナログヘッドホンアンプだ。対応するヘッドホンの幅が広く、高感度のイヤモニから静電型ヘッドホンまで1台で対応できる。SDカードの差し替えで様々なメーカーの静電型ヘッドホンに適したバイアス電圧に変えられる。価格は66万円。

 XI AUDIO(イレブンオーディオ)の「SagraDAC」(66万円)と組みあわせ、STAXのヘッドホンで聴いてみたが、割合ふくよかでゆったりと中域中心に聞かせる傾向。回路も後段が独立しており、通常のヘッドホンアンプ部につなぐ場合とはキャラクターが異なるようだ。1台でオールマイティに使える製品でもある。

iCAN Phantomは真空管を利用したハイエンドヘッドホンアンプだ。
550Vの出力で静電型ヘッドホンを駆動中。ディスプレーの下にあるボタンのうち左から2番目のものを押すとインピーダンスの切り替えられ、ゲイン調整に近い役割を果たす。静電ヘッドホン版のIEMatchと言っても良さそうだ。
静電型ヘッドホンアンプの設定変更に使うカード

 11月に発売したばかりのiFi audio「NEO iDSD2」も展示。前モデルとの比較試聴が可能だった。aptX Losslessなど最新仕様に対応。ほかにも出力が5倍アップ、多数のアップグレードと業界初を贅沢に盛り込んだ製品。DAC&ヘッドホンアンプだ。縦置きと横置きの両使用が可能。価格は15万4000円。

NEO iDSD2
NEO iDSD2(右)

 XI AUDIOの日本未発売ヘッドホンアンプ。「Broadway」はフルバランスかつディスクリートで組んだA級アンプを内蔵。「BroadwayS」はシングルエンドのA級アンプ。低インピーダンスのヘッドホンや高感度IEMに適したものだという。XI AUDIOの「K-DAC」と組み合わせて試聴できた。価格などについては未定。

XI   AUDIOのBroadwayとBroadway S
BroadwayとBroadway S(上段の2台)。下段はK-DAC。

 過去何度か出展されて注目されていたLotooの「Mjolnir」(ミョルニル) の発売日と価格も決定。据え置き型のデジタルオーディオプレーヤーだ。専用ケース付きで、148万5000円で1月15日発売とのこと。

Mjolnir
Mjolnir

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