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ハイレゾを音楽ストアからダウンロード購入して聴く! その魅力、楽しみ方は?

ASCII.jp / 2023年12月15日 19時0分

ミュージックストアからハイレゾ音源をダウンロード。音楽プレーヤーで楽しむ魅力を解説します
 

 今週の新選オーディオプロダクトでは、ミュージックストアでハイレゾ音源を購入してポータブルオーディオプレーヤーで聴く方法を紹介します。今はスマホでハイレゾ対応の音楽配信サービスが利用できる時代ですが、ポータブルオーディオプレーヤーを活用するメリットも色々とあります。

ハイレゾ音源を販売するミュージックストアを訪ねてみよう

 まずは、CDを超えるハイレゾ音源がダウンロード購入できる、国内の代表的なミュージックストアを紹介します。

mora

●mora https://mora.jp/

 ソニーミュージックグループのソニー・ミュージックソリューションズが運営。ソニー系アーティストの音楽だけでなく、邦楽・洋楽、アニソンまで幅広く揃えています。購入した楽曲のダウンロードをサポートするPC向けアプリケーションやモバイルアプリも充実しています。

OTOTOY

●OTOTOY https://ototoy.jp/

 オトトイ株式会社が運営するミュージックストア。音楽コンテンツのダウンロード販売だけでなく、アーティストのインタビューなど様々な音楽情報を独自の記事として制作して発信しています。アーティストのオリジナルグッズ、オーディオデバイスなども販売しています。

Qobuz

●Qobuz https://www.qobuz.com/jp-ja/shop

 Qobuz(コバズ)は、2007年にフランスで誕生したミュージックストア。日本の老舗ミュージックストアとして長くオーディオファンに愛されてきたe-onkyo musicの事業を受け継ぐ形で、2023年12月から日本向けサービスを開店しました。12月3日時点ではまだサービスがベータテストの状態で公開されていました。ダウンロードストアは、今後アップデートによる提供を予定しています。

 例えばmoraではハイレゾのデジタル音源だけでなく、通常音質の楽曲もダウンロード購入ができます。各タイトルに付いているハイレゾのアイコンが目印になります。またはハイレゾ音源の条件検索を活用すると良いでしょう。

PCM方式のハイレゾ音源

 ハイレゾのフォーマットには、デジタル化の方式により大別されるPCM系とDSD系の2種類があります。PCM系ではFLAC(Free Lossless Audio Codec)という、音質を損なうことなくファイルサイズを圧縮できる可逆圧縮方式のフォーマットで記録されているコンテンツが、多くあります。PCM系のハイレゾ音源の音質を表すひとつの指標に、サンプリング周波数があります。ハイレゾとして販売されている音源の多くは48kHz以上、または96kHz以上のサンプリング周波数で記録されています。

 サンプリング周波数が大きくなると、比例してファイルのサイズも大きくなります。PCM系の場合は最高768kHzまでのサンプリング周波数で記録されている高音質音源もあります。一般的なハイレゾ音源は48kHz〜192kHzまでのタイトルが多いようです。

moraの販売ページ。PCM系のハイレゾ音源には音質の目安として、サンプリング周波数とビット深度が表記されています

 PCM系のハイレゾ音源にはもうひとつ、音の強弱の幅やダイナミックレンジの広さによって音質の良し悪しを表すビット深度という指標があります。24bit以上の音源が「ハイレゾ」とされています。ミュージックストアなどでは「96kHz/24bit」といったような表記が見つけられます。

DSD音源の場合。moraにはサンプリング周波数が異なる2.8MHz/5.6MHz/11.2MHzの音源があります。情報量の多い11.2MHzのファイルほどデータ容量も大きくなります

DSD方式のハイレゾ音源

 もうひとつのDSD(Direct Stream Digital)とは、音楽信号を1bitの疎密波として記録する方式です。元はCDを超える高音質ディスクフォーマットとして登場したSuper Audio CD(SACD)の記録フォーマットに採用されたDSDが、インターネットで高音質&大容量なハイレゾ音源がダウンロード購入できる時代の到来とともに、再び脚光を浴びました。

 DSDはPCMに比べて滑らかな質感を備え、生音に近い自然な表現力に長けているとも言われています。一方ではPCM方式の音源よりもファイルのサイズが大きくなりがちです。また、DSDの音楽ファイルからDSD信号を取り出してそのまま再生する「DSDネイティブ再生」がPCやスマホでは困難だったり、そもそもアーティストがDSDネイティブの音源を録音・制作できる環境が限られています。そのため一般にPCM系のハイレゾ音源の方が広く普及しています。

 ポータブルオーディオプレーヤーの中にはDSDの信号をPCMに変換して再生できるデバイスも多くあります。

スマホとの2台持ちに最適なハイレゾプレーヤー「M0Pro」

 ダウンロード購入したハイレゾ音源は、ハイレゾ対応の音楽プレーヤーアプリをスマホに入れて聴くこともできます。筆者はユーザーインターフェースの操作性が高く、moraなどミュージックストアからのインポート機能などが充実しているラディウスの「NePLAYER」というアプリを愛用しています。

 今回のテーマである、単体のポータブルオーディオプレーヤーによるハイレゾ再生の場合、PC等でダウンロード購入した音源ファイルを転送・保存するだけで、よりシンプルに音楽を聴くことができます。スマホのように、別途ハイレゾ対応音楽プレーヤーアプリを導入する手間も不要です。

 筆者が普段使っているSHANLINGの「M0Pro」(直販価格1万9800円)は、PCMが最大384kHz/32bit、DSDは最大5.6MHz(DSD128)のファイルがネイティブ再生できる幅広い互換性を備えています。M0 ProのストレージはmicroSDカードです。PCからのファイルの取り込みはmicroSDカード経由で簡単にできます。

 M0ProにはWi-Fi等により、インターネットに接続して音楽配信サービスのコンテンツをストリーミング再生する機能はありません。そのぶん、音質の妨げにもなる電波通信によるノイズの干渉を受けないので純度の高いサウンドが楽しめます。

iPhone 15 Proとサイズを比較。M0Proはスマホとの2台持ちが気にならないサイズ感を実現しています

 ハイレゾ対応のオーディオプレーヤーとスマホの「2台持ち」で音楽が聴ける環境をわざわざ作る意義は、大きく2つあると筆者は考えます。

 ひとつはスマホで音楽を聴くために消費するバッテリーの負担を、オーディオプレーヤーの側に思い切り振れることです。M0Proは縦横約4.5cmのコンパクトなボディに650mAhのバッテリーを内蔵。最長14.5時間の連続音楽再生に対応します。

 もうひとつはサブスク型の音楽配信サービスは不要、好きなアーティストの楽曲だけをいい音で繰り返し聴きたい方にはオーディオプレーヤーをおすすめします。M0ProにはスマホやPCとUSB OTGケーブルで接続してUSB-DACとして使ったり、Bluetoothオーディオの高音質コーデックであるLDACによる送信機能もあります。質量が36.8gと、一般的な完全ワイヤレスイヤホンの充電ケースなみの軽さなので2台持ちの負担も少なめ。直販価格も1万9800円と手頃なので、ダウンロード音源で聴くハイレゾの魅力を知るためにも最適な選択肢です。

   

筆者紹介――山本 敦  オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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