RTX 4070 Tiの超静音ビデオカードは、クリエイター向けPCなら鬼に金棒だろう
ASCII.jp / 2023年12月20日 10時0分
サイコムの「Lepton Motion Pro」シリーズは、各種エフェクトの追加やレンダリングなど、映像編集をはじめとするクリエイティブ用途に最適なPCだ。妥協のないハイエンド構成が選べるのはもちろんのこと、静音性にも配慮。高負荷時でも静かに動作するため、長時間のエンコードやレンダリングでも、騒音で悩む心配はない。
サイコムの静かなPCと言えば、「Silent-Master」シリーズもあるが、こちらは性能よりも静音性に振っている。具体的には、静音PCパーツを採用し、CPUのPL設定は高負荷時でも動作音が大きくならないように調整されている。
対して、Lepton Motion Proシリーズは性能第一。そのうえで、静音性を追求している点が特徴となる。CPUやビデオカードは当然ながら高性能なモデルを搭載し、そのポテンシャルをフルに発揮できるよう、十分な冷却性能を確保。そんな構成の中で、可能な限り静音性を追求しているというスタンスだ。
そして、最近BTOメニューには、静音性を追求したサイコムの独自ビデオカード「Silent Master Graphics」(以下、SMG)シリーズが追加された。今回はその最上位モデルとなる、GeForce RTX 4070 Ti搭載モデルを採用した、「Lepton Motion Pro Z790/D5
」をレビューする。
静音性抜群のビデオカードを採用したクリエイター向けPC
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SMGシリーズってどんなビデオカード?
高性能なGPUは当然発熱が大きくなる。そのため、巨大なヒートシンクとファンを使ったクーラーを採用したモデルがほとんだ。静音性を重視したモデルなら、低負荷時はファンの回転を止めるセミファンレス仕様になっていることが多い。
とはいえ、セミファンレス仕様の静音動作は低負荷時のみで、高負時は動作音が大きくなりがちだ。しかし、サイコムのSMGシリーズは高負荷時でも静かに運用できる。ファンは静音性と冷却性の両立で定評があるNoctua製。ファンカバーは金属加工に長けた長尾製作所で製造している。
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試用機材に搭載しているビデオカードは「Silent Master Graphics RTX4070Ti 12GB」。GPUはGeForce RTX 4070 Tiなので、十分に冷やすとなると動作音はそれなりになる。しかし、SMGシリーズなので、最大2000rpmの120mmファン「NF-A12x25 PWM」を2基備え、静音かつ強力に冷却できる。
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Lepton Motion Pro Z790/D5から取り外して見てみると、クーラーは基板の面積よりも明らかに大きいことがわかる。このオーバーサイズのファンを低回転で動かして、静かでも大きなエアフローを生み出しているのだろう。
![RTX 4070 Tiの超静音ビデオカードは、クリエイター向けPCなら鬼に金棒だろう](https://ascii.jp/img/2023/12/18/3657846/x/83be110bb2806096.jpg)
金属のバックプレートを装備し、カードの反りや曲がりを抑えている。また、これは放熱を高める効果もある。奥側には切り抜き部があり、ここを風が抜けることで熱を逃がしやすくなっている。
ヒートシンクはとにかく大きく、トップフローで吹きつける風が基板まで抜けるようなレイアウトだ。熱風はカードからはみ出した部分にも流れるエアフローですばやく排出される。
![RTX 4070 Tiの超静音ビデオカードは、クリエイター向けPCなら鬼に金棒だろう](https://ascii.jp/img/2023/12/18/3657847/x/f36eb796f8a4ac2f.jpg)
映像出力はDisplayPort 1.4aが3基とHDMI 2.1aの4系統で、最大7680×4320ドットの出力に対応。ちなみに、サイズは145(W)×315(D)×77(H)mm、約3.8スロット占有となる。GeForce RTX 4070 Ti搭載ビデオカードの中では大型の部類だ。
![RTX 4070 Tiの超静音ビデオカードは、クリエイター向けPCなら鬼に金棒だろう](https://ascii.jp/img/2023/12/18/3657848/x/7c18a4f153f48a56.jpg)
これだけ大きいと、自重で垂れ下がってしまうのではないかと心配になる人もいるだろう。しかし、ビデオカードを支えるサポートステイを標準装備しているので心配はいらない。カードの端を支柱で支えれば、長期間利用による垂れ下がりのほか、振動によるビデオカードの抜けなどを防いでくれる。
![RTX 4070 Tiの超静音ビデオカードは、クリエイター向けPCなら鬼に金棒だろう](https://ascii.jp/img/2023/12/18/3657850/x/beb34e18946ee3bd.png)
巨大なPCケースファンで静音かつ強力に冷却
ここからは、Lepton Motion Pro Z790/D5の内部を見てみよう。
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CPUクーラーは空冷タイプで、Noctuaのサイドフローモデル「NH-U12S chromax.black」を採用。ベージュ×ブラウンの「NH-U12S」との違いは色だけで、ファンもヒートシンクもブラックで統一されている。
![RTX 4070 Tiの超静音ビデオカードは、クリエイター向けPCなら鬼に金棒だろう](https://ascii.jp/img/2023/12/18/3657853/x/c3b01d4aae7e8254.jpg)
このCPUクーラーの延長線上、熱風があたる部分に排気用のPCケースファンを配置している。CPUから出た熱を、そのままPCケースの外へ排出しやすいレイアウトだ。
PCケースはミドルタワーの「Torrent Compact Black TG Dark Tint」。その最大の特徴は強力なエアフローにある。フロントには2基の180mmファンを搭載し、CPUクーラーの上からビデオカードの下まで完全にカバーしている。
![RTX 4070 Tiの超静音ビデオカードは、クリエイター向けPCなら鬼に金棒だろう](https://ascii.jp/img/2023/12/18/3657854/x/396608cb5fbda2b6.jpg)
また、見てもらえるとわかる通り、PCケースのリアはブラケット以外もパンチ穴が多く、通気性は抜群だ。熱気が外に抜けやすいため、PCケース内温度が上がりにくいというメリットがある。
ちなみに、CPUの電力設定をモニタリングツール「HWiNFO64 Pro」で確認してみたところ、プロセッサーのベースパワー(PL1)は160W、最大ターボパワー(PL2)は253Wだった。PL1に関しては、インテル推奨設定(125W)よりもだいぶ高いことになる。
![RTX 4070 Tiの超静音ビデオカードは、クリエイター向けPCなら鬼に金棒だろう](https://ascii.jp/img/2023/12/18/3657855/x/f2f929ff26b0c9de.png)
CPUの電力設定は自作PCだとどちらも無制限設定の場合が多い(というか、デフォルトがその設定である場合が多い)が、BTOパソコンだと基本的にはインテル推奨設定がほとんどだ。
前者の場合、自分で選んだCPUクーラーの冷却能力と用途を考慮し、負荷をかけてどの程度の性能を安全に引き出せるか検証し、電力設定を探る必要がある。
一方で、後者の場合はCPUをフル稼働しても危険水域にならないように、メーカー側が設定しなければならないため、どうしてもインテルの推奨設定、あるいはその下の設定になりがちだ。必然、前者と比べ、性能が落ちてしまうことが多い。
サイコムの場合は、そのハイブリッドと言ってもいいかもしれない。独自の検証で温度・動作音・性能のバランスが良くなるラインを見定め、電力を設定している。この絶妙なさじ加減こそ、同社ならではの魅力と言える。
USB Type-Cはフロント/リアに装備
ドライブベイは表面からアクセスできる位置にはないものの、裏側に2.5インチベイが3基、天面カバー内部に3.5インチベイが1基ある。
![RTX 4070 Tiの超静音ビデオカードは、クリエイター向けPCなら鬼に金棒だろう](https://ascii.jp/img/2023/12/18/3657856/x/f0985ef11da49c92.jpg)
![RTX 4070 Tiの超静音ビデオカードは、クリエイター向けPCなら鬼に金棒だろう](https://ascii.jp/img/2023/12/18/3657857/x/0ad7b78b8e4725c9.jpg)
フロントインターフェースはUSB Type-A(USB 3.0)が3基、USB Type-C(USB 3.2 Gen 2)が1基。ほか、マイク入力とヘッドフォン出力を備える。
![RTX 4070 Tiの超静音ビデオカードは、クリエイター向けPCなら鬼に金棒だろう](https://ascii.jp/img/2023/12/18/3657858/x/e76f391978b9d24a.jpg)
リアインターフェースはUSB Type-Aが7基(USB 3.2 Gen 2が1基、USB 3.2 Gen 1が2基、USB 2.0が4基)、USB Type-C(USB 3.2 Gen 2)が1基。また、2.5GbEをサポートしており、別途スイッチングハブなどでLAN環境を構築しなければいけないとはいえ、有線LANを高速化したい人にとってはありがたい仕様だろう。
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Lepton Motion Pro Z790/D5は、強力なエアフローで空冷でもCore i9を静かに冷やし、PL1も上げた「鬼」のようなこだわりを感じるクリエイター向けPCだ。SMGのRTX 4070 Ti搭載モデルはさらにその性能と静音性を上げる、「金棒」のような存在と言える。次回は実際にソフトを動かして、性能や静音性についてベンチマークする。
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