1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!

ASCII.jp / 2023年12月24日 10時30分

Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!

 サイコムのBTOパソコン「Lepton Motion Pro Z790/D5」は、フロントに180mmの大型PCケースファンを2基搭載し、エアフローにトコトンこだわることで、静音性と高性能を両立したモデルだ。

Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
サイコムのクリエイター向けPC「Lepton Motion Pro Z790/D5」。標準構成の直販価格は28万3870円~(配送料込み)

 前回は、そこにサイコム独自の超静音ビデオカード「Silent Master Graphics」(以下、SMG)シリーズの上位モデル、「Silent Master Graphics RTX4070Ti 12GB」を追加すれば、もっと静かに運用できるという話をした。

Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
Noctuaと長尾製作所とサイコムのコラボで生まれたSMGシリーズのGeForce RTX 4070 Ti搭載モデル

画像生成AIでも高速かつ静音で使える?

 今回はその試用機材を用い、画像生成AI「Stable Diffusion」で、その性能と静音性を実際に確かめてみよう。ローカルのGPUパワーが物を言うAIなので、GeForce RTX 4070 Ti版SMGの実力が推し量れるはずだ。

画像生成AIを使う前の下準備

 Stable Diffusionを使う方法はいくつかあるが、今回は「AUTOMATIC1111版Stable Diffusion web UI」を利用する。ブラウザー画面でプロンプト(いわゆる「呪文」と呼ばれるテキストのこと)の入力や出力設定ができ、比較的お手軽に使えるということで人気だ。

Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
AUTOMATIC1111版Stable Diffusion web UI

 ただし、使用する前の準備は結構手間がかかる。プログラムを動かす「Python」と、プログラムを取得する「Git」をインストールし、それからAUTOMATIC1111版Stable Diffusion web UIを実行するという手順だ。

 あと、Pythonは最新版が動作しない点に注意。これはAUTOMATIC1111版Stable Diffusion web UIがPython 3.10.6で作られているため。ゆえに、そのバージョンを選んでインストールしよう。ファイルはPythonのサイトにある「Downloads」の「Looking for a specific release?」で見つかるはずだ。

Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
過去バージョン(Python 3.10.6)を探してダウンロードしよう

 なお、インストール時はパス設定の追加を忘れずに。具体的には、インストーラーの画面で「Add Python 3.10 to PATH」にチェックを入れること。ここを忘れると、Pythonが呼び出せなくなるので注意しよう。

Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
「Add Python 3.10 to PATH」にチェックを入れる

 続いて、Gitをインストール。こちらは公式サイトから最新版をダウンロードして、インストールすればOKだ。途中、選択肢が多数出てくるが、すべてデフォルトのままで問題ない。

Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
公式サイトの「Downloads」から、Windows版のGitのインストール

 ここまでインストールが終わったら、一旦サインインし直すか、PCを再起動しておこう。

AUTOMATIC1111版Stable Diffusion web UIを導入

 Gitの役割は、GitHubにアップロードされているAUTOMATIC1111版Stable Diffusion web UIのファイルをPCにダウンロードすること。また、最新バージョンの取得が簡単になるといったメリットもある。

 コマンド入力で必要なファイルがダウロードできるが、Program Filesフォルダー以下にインストールする場合、管理者権限でコマンドプロンプトを開く必要があり、手順がやや面倒だ。

 ということで今回は、Cドライブ直下にインストールすることにした。まずはエクスプローラーでCドライブを表示。右クリックから「その他のオプションを確認」を開き、「Open Git Bash here」を起動する。

Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
WindowsのエクスプローラーからBashを開く

 すると、コマンドプロンプト画面が表示されるので、「git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui.git」と入力してEnterキーを押そう。これで必要なファイルがダウンロードされるはずだ。

Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
gitコマンドで必要なファイルを入手

 「stable-diffusion-webui」というフォルダーができていれば、準備完了。あとはこのフォルダー内にある「webui-user.bat」を実行すれば、AUTOMATIC1111版Stable Diffusion web UIが起動する。

Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
webui-user.batを実行する

 ちなみに、初回起動時はかなり時間がかかるので気長に待とう。準備が整えばブラウザーが開き、メイン画面が表示される。これで、Lepton Motion Pro Z790/D5のローカルパワーで画像を生成する準備は整った。

Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
ブラウザーでメイン画面が表示される

プロンプトを入力して画像を生成してみよう!

 基本的な使い方は、プロンプトを書き込み「Generate」ボタンを押すだけ。「プロンプト」と言うと難しそうだが、簡単な英文で生成したい画像の特徴を伝える言葉と考えてもらえればいい。翻訳サービスなどを活用し、日本語の短文を英語にするだけでも、かなりそれっぽい画像が生成できる。

 例えば、「PC DIYを楽しむ男」を英語へ機械翻訳すると、「A man who enjoys PC DIY」となる。これを入力してみよう。

Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
Google翻訳でまずは英文に
Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
翻訳した英文をプロンプトとして入力して、「Generate」ボタンをクリックすると、右下に画像が生成される

 どうだろうか。かなりイメージに近いものが出力できることがわかるだろう。デフォルトでは画像サイズが512×512ドットと小さめのせいか、生成にかかった時間は2秒ほど。一瞬で生成されるわけではないが、クリックからワンテンポ遅れて画像が表示される、といったくらいには早い。

 画像サイズをフルHD(1920×1080ドット)まで大きくしてみたところ、生成にかかる時間は約64秒に。とはいえ、1分ちょっとでフルHDの画像が生成できるのだから、さすがVRAMを12GB搭載したGeForce RTX 4070 Tiといったところ。

 ちなみに、フルHDで画像生成中のGPU負荷をタスクマネージャーで見てみると、VRAMがフルに使われ、GPU負荷もMAXだった。

Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
CPUの使用率は5%と低いが、GPUは100%だった

 GPU温度は最高でも40度前後で、負荷が高いにもかかわらず、しっかりと冷えている。そして、画像生成中の動作音もとても静かだった。SMGの冷却性能と静音性は本物だ。クリエイター向けPCのLepton Motion Pro Z790/D5にぴったりなビデオカードと言える。

 ちなみに、画像の生成枚数はデフォルトでは1枚だが、「Batch count」の値を変更すると、任意の枚数を連続生成できる。

Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
Batch countの値を「9」にすると、9枚の画像を連続生成する

 また、生成した画像はブラッシュアップもできる。構図が一番気に入ったものをクリックし、「img2img」に送ってみよう。

Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
生成した画像のアイコンをクリックすると、img2imgに転送される

 img2imgはプロンプトだけではなく、画像も参考にして新しい画像を生成できる。例えば、上記で選んだ画像の人物を日本人にして、アゴヒゲをなくすといったプロンプトを追加してみよう。

 変更点は、最初のプロンプト(A man who enjoys PC DIY)の後にカンマで区切って「japanese」を追加。さらに、ネガティブプロンプトに「beard」(アゴヒゲ)という単語を入れるだけだ。

Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
プロンプトにjapanese、ネガティブプロンプトにbeardを追加して再度生成
Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
似たような構図で日本人っぽくなった

まとめ:仕事も趣味も1台のPCで済ませたいクリエイターのための1台

 今回は画像生成AIのStable Diffusionを試してみたが、低解像度なら数秒、高解像度でも数分程度で生成できた。普通のビデオカードなら生成中は轟音になりそうなものだが、SMGのおかげで動作音がほとんど聞こえないほど静かだった。

 また、高解像度な画像の生成や連続生成するといった長時間の稼働でも、同居人に迷惑をかけることなく作業できるだろう。ゲームはもちろんのこと、最近は動画編集でもGPUを利用するシーンが増えている。仕事でも趣味でも、この静音性は大きな魅力になることは間違いない。

 クリエイティブ用途であれば、高性能なPCが欲しくなる。しかしながら、性能と動作音の大きさは基本トレードオフなので、静音性にまで配慮したクリエイター向けPCは少ない。Lepton Motion Pro Z790/D5+SMGの構成なら、パワフルかつ静かに運用できる理想の1台になるはずだ。

Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
ちなみに、「Sycom BTO PC」というプロンプトをもとに生成した画像がこちら。現実のラインアップと比べて、かなり地味な仕上がりになってしまった。まあ、それだけサイコムの現行ラインアップが個性派だとも言える
Noctuaコラボのグラボ×クリエイター向けPCはGPUフル稼働の画像生成AIでも超静か!
こちらはChatGPTにプロンプトを考えてもらって生成したもの。いろいろ自分でプロンプトを加えたりしてもなかなか面白みのある画像ができなかったので、悩んだらChatGPTに訊いてみるといいかも

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください