今の形のスマホ値引きは12月26日まで? 駆け込みで買ったほうがいい?
ASCII.jp / 2023年12月24日 12時0分
いよいよ年末。2023年の大みそかを前にスマートフォンの安売りに関しては、12月26日が1つの区切りとなる。法改正により、割引の規制が大きく変化し、12月27日以降は今のような売り方ができなくなる可能性がある。そこで、12月26日までスマホを買うべきかそうでないか、変更の説明と直前の店頭の状況を確認しておきたい。
![スマートフォンの販売モデルが変更](https://ascii.jp/img/2023/12/24/3661304/x/0ce8c3bbf8eeee5f.png)
12月27日以降はガイドライン改正により、割引上限額が変更になる
上ではざっくり「法改正」と言ってしまっているが、実際には「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン」の変更で、12月27日が施行日になっている。そのため現在の販売ルールは12月26日までということになる。
12月27日以降はどう変わるかと言えば、端末の割引上限が現在の2万2000円(税抜2万円)が、最大4万4000円(税抜4万円)になる(端末価格が8万円以上の場合)。しかし、この上限変更が単純に喜べないのは、同時に一般販売での値引き(一般に「白ロム割」と呼ばれるもの)について規制がかかるからだ。
![スマートフォンの販売モデルが変更](https://ascii.jp/img/2023/12/24/3661305/x/d695bacd9b332ee5.png)
これまでの販売現場では、たとえば、回線を契約してくれた人に本来10万円程度のスマートフォンを1円で売るために、表向きは一般の人(回線を契約しない人)にも2万2001円で売る「白ロム割」を用意していた。しかし、今後はその割引を規制対象とする。つまり、10万円から4万4000円を引いた5万6000円が限度一杯の値引きというわけだ。
なお、実際の上限は価格の50%または4万4000円なので、スマートフォンの価格が5万円なら2万5000円、8万円なら4万円で販売が可能だ。
分割払いマジックの「23円」「47円」は残るのか?
次に、最近の高額のスマートフォンに見られる「月1円」「23円」「47円」などと大書きされた売り方にも変化があるだろう。4年の分割払いのうち、最初の2年間だけ極端に安い支払い額にして後半に支払いを集中させ、2年後に端末を返却すれば、残りの支払いを免除にして実質負担額を下げる方法だ。
こうした分割払いによる工夫は値引きではないから大丈夫と思う人もいるかもしれないが、2年後の残債の金額が根拠のあるものかどうかについて、これまでより厳しい判断がされるようになる。
具体的にどういうことか説明すると、2年で返却して残りの支払いを無しにする、それが値引きではないというなら、2年使った端末の一般的な買取額が、分割払いの残債と同水準である必要がある。
そこであえて極端な例で考えてみよう。本来10万円のスマートフォンであれば、前述のように4万4000円(5万6000円で販売する)が割引額の上限だ。しかし、10万円から4万4000円を割引後、最初の2年を「23円」にして、残り2年の支払い額を5万5977円と設定。ユーザーは2年間の利用後に端末を返却すると残債が免除されるとする。しかし、その製品の市場での買取額が4万円程度である場合、本来の上限より1万数千円程度、割引額がオーバーする。それは購入者に対しての「値引き」という判断で、ルール違反になるわけだ。
実際にはこれまでも、2年後に設定する残額の妥当性については規制があったが、今後はより厳しくなるとしている。つまり、極端に後半2年間に支払いを寄せた分割払いは難しくなる可能性がある。
もっとも、端末の安売りがしにくくなると、そもそもの中古端末相場が高くなる可能性がある。そうなると買取額も高くなると予想されるのであれば、後半の支払い額を高く設定しても妥当性がでてくる。新ルールでは購入時に想定した2年後の買取額が妥当かどうかは厳しく判断されるものの、実際に2年後の予想が外れた場合でも咎められないという。
実際には販売店の売り方次第なので、12月27日以降になってみないとなんともわからない。過去、2万2000円の割引上限ができたときも、当初はタダに近い金額で入手できるスマートフォンとして2万円程度の安価な機種が相次いで登場したが、いつのまにかそうした製品は影を潜め、今のような支払い方法が一般的になったからだ。
12月27日の時点では、一度は販売競争が沈静化すると思われるが、様子を見ながら、なんらか新しい販売方法が出現する可能性も考えられる。
割引上限が増える12月27日以降のほうが得ということはないのか?
別の考え方として、単純に割引上限が最大4万4000円になるため、12月27日以降の方が得な機種が増える可能性は十分ありえる。現在、2万2000円以外は値引きなしで売られている人気機種、具体的にはiPhone 15シリーズは、12月27日以降に販売価格が下がることは考えられる(ただし、店頭で販売員に聞いた範囲では、12月27日以降のことは分からず、値引き上限が上がったとしても4万4000円の限度いっぱいまで値引き販売するかはまた別問題とのこと)。
そして、現在の店頭では本来前面に押し出してもいいはずのiPhone 15シリーズより、むしろiPhone 13や14がオトクということを示すPOPが目立つ状態だ。今、iPhone 15シリーズは値引きしてまで積極的に売りたくないのかもしれない。Galaxy S23 UltraやXperiaシリーズの最新機種についても同様の印象だ。
ちなみにMVNOの格安SIMについても扱いが変わる。これまでIIJmioやmineoといった大手の独立系MVNOもシェアが0.7%以上あることで、3大キャリアなどと同様の規制を受けていた。しかし、新たなガイドラインでは4%以上と基準が上がり、IIJmioやmineoは規制対象から外れる(MNOのサブブランドや子会社は引き続き対象)。
![スマートフォンの販売モデルが変更](https://ascii.jp/img/2023/12/24/3661306/x/7f3af966a27c0521.png)
これはつまり、MVNOの格安SIMでは値引きは自由、以前にあった長期契約を途中解約した場合の高額違約金の復活も可能となる。実際にどういう施策がされるかはわからないが、最初から長く使う予定の人であれば、長期契約の代わりにメリットが多くなること自体は歓迎だろう。こうしたMVNOにも春商戦に向けて、動きがあるかもしれないので注目しておきたい。
最後のセールに駆け込むのも悪くない
このように12月27日の前後で大きく変わるスマートフォンの販売ルール。最新人気機種は26日までと27日以降のどちらが得が判断できない部分もあるが、白ロム割を使った高額値引きや、後半に支払いを極端に寄せた分割払いで割安な機種は、26日までに買ったほうがよさそうだ。
該当する具体的な機種は、たとえば以前にも紹介したPixel 8(「発売されたばかりのPixel 8が実質1万円以下? 量販店の店頭では何が起きてる?」)のほか、1世代前のGalaxy S22やXperia 5 IV、ソフトバンクだとXiaomi 13T Proやrazr 40sのような機種では、23円や47円といった表示は難しくなる可能性が高い。これらのAndroidスマートフォンだと、2年後の残額が実際の買取相場と離れていると考えられるからだ。
そして、これらの機種ではすでに品切れが生じているケースも見られる。UQ mobileのGalaxy S22は総額で非常に安く売られていたが、一部店舗では在庫がなくなっている。ほかにも、一部の23円機種の品切れも確認済みだ。狙っているなら早めに動いたほうがよさそうだ。
とはいえ、さらに直前にもっと高額な機種での好条件が出てくる可能性もある。たとえば、最新のGalaxy S23の2年間の支払いが安い例は最近になって増えている。
また、店頭では表示していないところで個別に大胆な提案もあるようだ。たとえば、auやUQ Mobileの場合、au+1 collectionで販売しているシャオミのチューナーレステレビがSIMのみ回線を追加契約でおまけについてきたという事例も確認している。
セールに乗るためには、MNP番号などの準備はしっかり
現在、最もオトクになる条件を引き出すには、MNPによる新規契約や22歳以下の若者が契約するのが前提だ。そのため、セールに乗るにはMNP番号は事前に準備しておきたい。MNPワンストップ方式も登場しているが、店頭契約は対象外で、事前にMNP番号を用意しておく必要があるからだ。
3大キャリアなどのMNOは申し込んだその場でMNP番号を発行してくれることが多いが、MVNOの格安SIMの場合は数日かかることもある。また3大キャリアでも、家族割引を組んでいるとネットで番号取得手続ができず、オペレーターと会話するなど時間がかかるケースがある。
スマートフォンに限ったことではないが、この時期、街を歩けばオトクなセールに遭遇する可能性は高い。ぜひ、MNP番号と身分証を持ち歩き、うまくスマートフォンをゲットしてほしい。
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