約500円の防犯用「ドア窓アラーム」を「PC置き引き防止ガジェット」として衝動買い
ASCII.jp / 2023年12月29日 11時30分
貼り付けるだけで使える防犯用「ドア窓アラーム」を 「PC置き引き防止ガジェット」として使うために衝動買いした
日本はまだまだ電車内やカフェなどでのPCの盗難は少ないようだ。だがカフェやファミレスでのリモートワークや新幹線車内でのPCワークで気掛かりなのは、トイレ離席やコーヒーのベンディングマシンまで出向く間、持ち主がいない時間のPCやタブレットなどの保全体制だ。
国内外でもいくつかのメーカーから、離席時のPC保護のための防犯ツールやガジェットが販売されてはいるが、いずれも筆者から見ると極めて非力なガジェットが多い。確かにガチに守るだけではなく、PCの持ち主が「盗難には注意している」という姿勢を示す表現力も、重要ではあると思うが……。
今回は、筆者宛てに販促メールが送られてきた「ドア窓アラーム」の5個セット(2195円)を衝動買いした。チョット手を加えるだけで、カフェなどで離席時にテーブルに置き去りにしたPCやタブレットをガチに第三者から守ることのできる「置き引き防止アラーム」が作れそうだったからだ。
商品名は「ドア窓アラーム」というらしいが、そっくりさんが日本国内ではいろいろな販社から様々な商品名で発売されている。ざっとウェブを見てみたところ、筆者が購入したジャストマイショップは5個で2195円。1個あたりにすると439円とかなり安い。
だいたいの相場は1個当り300〜1000円くらい。実際に買ってはいないが、ダイソーでもそっくりさんが100円で売られているらしい。基本的に日本国内では中国で生産され、多少のデザイン違い、単価違いの類似品があふれている流行のデバイスだ。
不審者が窓を開けた時に発するアラーム音は、90dBと言われている。モデルによっては100dBと書かれた商品もある。危機を第三者に音で知らせるのが目的の商品なので、けっこう大きな音だ。大きなアラーム音を出すために使用するのは、単4乾電池2本。本体前面の斜めに上下分離した、下のカバーをスライドして入れる。
ドア窓アラーム(本体)側面には、小さな黒いスライドスイッチがあり下側(乾電池側)にスライドするとREADYの状態となる。ドア窓アラームが大きな音を発するトリガーとなるのは、バッテリーの入るスピーカー付きの本体とペアとなる小さなマグネットを内蔵したバー状のデバイス(受信機)の距離が、1〜2cm離れた時だ。
本体と受信機の背面には、そこそこ分厚い両面テープが貼られている。本体と受信機の2つのデバイスが離れることでアラームが鳴るので2枚の窓枠やガラス面、ドア本体とドア枠に接近して取り付けることが原則だ。感覚的には、本体と受信機の表面に描かれたウェイブ線がきれいにつながるような見掛けになるのがベストだ。
昨今は見守り用のトイレのドアセンサーや冷蔵庫の扉センサーなどが多く市場にあるが、基本的にはドア窓アラームも同じような仕組みで動作する。前者はドアが開けられるとセンサーが起動し、Wi-Fi無線でルーター経由でクラウドに情報を送るのに対して、ドア窓アラームは単純に内蔵のスピーカーで大音量を流す仕組みだ。
筆者宅でも唯一侵入防止センサーの付いていない窓に、ドア窓アラームを実際に取り付けてみた。窓や窓枠の形状によっては、本体と受信機の関係が理想的な位置関係になりにくい場合がある。筆者宅での使い方も推奨通りでは取り付けが難しかった。しかし、実際の対応は極めて簡単で両面テープを貼る面を変更する程度で、多くの窓に対応可能だ。
ドア窓アラームは前述したようにスピーカー、乾電池、センサーの入った本体と受信機の2つのペアで動作するが、後者の受信機は実際にはマグネットに過ぎない。マグネットの入った受信機と呼ばれるデバイスが本体から1〜2cm離れると、本体のセンサーが動きを検知し内蔵スピーカーを90dBで鳴らす仕組みだ。
ペアの片側である受信機の主たる内容物がマグネットであれば、比較的簡単に今回の狙いである1個439円のドア窓アラームを、PC置き引き防止ガジェットとして機能するように、簡単に改変できそうだ。
誰もが思い付く超簡単な仕組み ダイソーのマグネットと両面テープを使って改変!
筆者が実施したのは、誰もが思い付く超簡単な仕組みだ。ドア窓アラームの本体以外に使うのは、受信機よりもはるかに小さくてモバイルPCの側面に違和感なく貼り付けることのできる、ダイソーで1個10円程で手に入る直径6mmほどの小さなマグネットだ。
そのマグネットをモバイルPCの側面に両面テープで取り付け、側面に1〜2cm以下の距離にドア窓アラームの本体のスライドスイッチの位置辺りの反対側を接するように置くだけだ。これで誰かがモバイルPCを動かしたりすると、90dBの大音量がドア窓アラームの本体から発することになる。
極論を言えば90dBの大音量が鳴っていても、鳴っているのは盗る目的のモバイルPCではなくドア窓アラームの本体なので、大音量を無視してモバイルPCだけを持ち去ることも不可能ではないが、一般的には十分ではないかと思っている。より強力にプロテクトしたければ、大きなドア窓アラーム本体の方をモバイルPCに貼り付けることも可能だが、スッキリした収まりは期待できない。
現在筆者宅には、モバイルPCやタブレットの置き引き抑止対策用として3つのアイテムを常時備えている。まずキングジムの「TRENE(トレネ)」は、アラートの音量は極めて小さく音による抑止力はほとんどないだろう。ただ離席時のLEDによる点灯や点滅動作が、盗ろうとする人に違和感による抑止力となる可能性はあるかもしれないが、スペックを知られていると効果は薄いだろう。
2番目は「ドーベルマンセキュリティ」の100dBの防犯アラーム(改)だ。離席時のモバイルPCの蓋を閉めてその上にただ置いておくだけで超強力だ。ただこのデバイスは移動ではなく基本、振動を検知して動作するので、モバイルPCを置いたカフェや新幹線のテーブルなどが揺れたりすると、感知して大音量を発する危険はある。
今回のドア窓アラーム(改)は、基本はドア窓アラーム本体とモバイルPC側面に取り付けたマグネットとの距離だ。マグネットの強度スペックにもよるかもしれないが、改造後は確実に1cm離れると鳴るので効果はあるが配置はクリティカルだ。いろいろなマグネットで試してみるおもしろさはある。
100〜500円で入手可能なドア窓アラームは、商品名の通りドアや窓に取り付けるあくまで防犯デバイス、注意喚起デバイスなので、ほかの目的で使用する場合は自己責任での応用となる。あくまで個人の楽しみとして活用してほしい。
今回の衝動買い
・アイテム:デジタルランド「ドア窓アラーム(5個セット)」 ・購入:ジャストマイショップ ・価格:2195円(5セット/単4電池別)
T教授
日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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