夕暮れの富士山を見ながらゲームをプレイ! 1月発売のAYANEO KUNを先行レビュー
ASCII.jp / 2024年1月10日 12時0分
携帯ゲーム機感覚でWindowsマシンを運用できるUMPC市場はまさに戦国時代といった様相で、多くのメーカーが使い心地や機能性などの面で覇権を争っている。
そこで今回は2024年1月下旬に発売予定であるAYANEOの最新機種「AYANEO KUN」を代理店であるリンクスインターナショナルにお借りできたので、実際に使ってみたり外出してみたりといったレポートをお届けしようと思う。
ただし、お借りできた機種は、日本で未発売のグレーのカラー。日本発売モデルはブラックフェザーとシルクホワイトのみなので、本体写真は公式のものを使用してご紹介したい。
AMDのハイパワーCPUを搭載!
AYANEO KUNはAMDの「Ryzen 7 7840U」(8コア/16スレッド、最大5.1GHz)を搭載したUMPCとしてはハイパワーなCPUを搭載している。グラフィックス機能はRDNA 3 アーキテクチャーのRadeon 780M(12CU、2700MHz)を搭載し、FSRやRSRといったアップスケーリング機能にも対応。まさに鬼に金棒といった所だろうか。
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ディスプレーサイズは8.4インチのIPS液晶を搭載し、最大解像度は2560×1600のWQXGA規格の2K解像度を誇り、高精細な表示を可能にしている。
なお、ディスプレーのリフレッシュレートは60Hzまでとなっているため、基本的に垂直同期をオンにした状態での運用が前提と言えるだろう。それにしてもこのサイズで2Kの映像というのは結構エグいですよ。![](https://ascii.jp/img/2023/12/28/3663860/x/e8fdb4486d77d2ab.jpg)
メモリーは16GBか32GB(LPDDR5X)を搭載し、ストレージはM.2接続の512GBか2TBのSSD(NVMe)が選べる仕様だ。ストレージの内訳はCドライブのみとなっており、用途に応じてドライブを変えたいという人はパーティションをイジる必要がある。
価格はメモリー16GB、512GB SSDモデルが18万8900円、メモリー32GB、2TB SSDモデルが22万8800円。どちらも先行予約で2万円引きで購入できるので、購入を検討したい人は早めに予約しよう。
ゲーム用途に特化しているその実力は?
ゲーマー向けであるAYANEO KUNはそのボディーにアナログスティックやタッチパッドをはじめとしたゲームを遊ぶときに欲しい入力機能が多分に揃っている。ここからは、その外観と使い心地を確認していこうと思う。
本体上部のインターフェースは、電源ボタン、音量調節ボタン、USB4 Type-C、USB 3.2 Type-Aに加えて左右にトリガー、ショルダー、Cボタンが配置されている。ちなみにこの電源ボタンは指紋認証センサーを搭載しているので、セキュリティーを気にする人であるなら利用しておくといいだろう。
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底面部にはスピーカー、USB4 Type-C、3.5mmイヤホンジャック、内蔵マイクが配置されていた。マイクに関してはゲームプレイ時にスピーカーからの音を拾うことがあるので、イヤホンやヘッドホンでゲーム音が入らないようにしておくと良いだろう。
背面部にはアディショナルのボタンが4つと、スタンドとして利用できるバックサポートがあり、このスタンドの裏側にはSIMカード(4G通信のみ対応)やTFカードを挿入できるスロットが設けられていた。しかし、残念ながら日本モデルは4G LTEに非対応なので、マイクロSDカードのみ利用できる。
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最後に前面部。こちらは左右アナログスティック、デュアルタッチパッド、方向キーをはじめとするXbox系のコントローラーに搭載されているボタンを備える。また、Windowsボタンに加え、本機の操作に便利なお役立ち機能にアクセスできる管理ソフト「AYA Space」を起動するためのAYAボタンを搭載。最初は見た目がややこしいのだが、慣れると結構快適だ。
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ゲームパッド部の使い心地にも触れていこう。左右のトリガーとショルダーは比較的柔らかめでストロークも短く非常に扱いやすい印象。Cボタンはショルダーボタンとの誤爆を防ぐためか、やや固めでクリッキーな感触となっている。このちっさいゲームプレイ時への配慮って結構嬉しいもんですよね。
アナログスティックについては少し柔らかめでスティック操作性は格闘ゲームでも問題なく扱えている。
で、問題なのは方向キーだ。こちらは正直言うと使いにくい。入力時に動く幅が結構広いのと、恐らくお借りした個体の問題だが上方向と右方向に入力するとキーがめり込んで戻ってこない。格闘ゲームやシューティングゲームを方向キーでプレイする人には厳しいと言えるだろう。
タッチパッドについては感覚としてはSteam Controllerのソレに近い操作感は得られるが、ことゲーム用途においてはアナログスティックが完備されているのでWindowsの操作くらいでしか利用する機会がない。ただ、ジェスチャーでの操作やブラウザのスクロールなどはタッチパッドでパパッと行えるので非常に便利だ。
本体右側にあるA,B,X,Yボタンはサイズが一般的なゲームパッドの物より若干サイズは小さめ。ボタンストロークは少し深めで、押し込もうとするとほどよい抵抗感の後にガコッと押し込まれる操作感だった。
普通にゲームをしている分には特に問題なく使えるのだが、外側にあるBボタンだけは設計上の問題で横ブレをするのが若干気になる。まぁプレイフィールを阻害するようなものではないので筆者が気にし過ぎなのかもしれないが。
最新の格闘ゲームを遊んでみた
なんやかんや言っても実際にゲームを遊ばないと説得力がないんだよなぁと思い、今回はSteamでリリースされている人気格闘ゲームシリーズの最新作を本機で遊んでみた。ちなみに外部給電をしないハンドヘルド状態でのプレイだということも付け加えておく。
まず最初に『ストリートファイター 6』のSteam版を起動してみたのだが、こちらはデフォルトの設定のままだとゲームがスローモーションで進行してしまい、処理が追いついていないことが判明。で、グラフィックオプションを可能な限り低く設定してみたところ、激しいエフェクトが描画されても59~60fpsを維持。
続いて来年発売予定の『鉄拳8』のデモ版でも試してみた所、こちらは描画設定を低くしてもフレームレートが30~60と安定せず、時折スローモーションに。
しかしながら、AYAボタンから呼び出せるパフォーマンスメニューでTDPリミットを上限まで上げれば、ほぼ60fpsに張り付くパフォーマンスが得られ快適に遊べるようになった。ただ、バッテリーを食うし発熱もするので長時間の運用はやや厳しいだろう。
結論としてはゴリゴリに3D描写をするゲームではパフォーマンスに不安は残るが、AYANEO KUNのパフォーマンスを調整することで快適に遊べるケースもある……という感じだ。
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やっぱ出先でも遊んでみないとね!
AYANEO KUNは携帯できるゲームPCということで、やっぱ外に持っていかなきゃね! と、いうことで今回も外出先に本機を持ち出してゲーム遊んでみた。 最近は気温が一気に低くなっていたりと外で遊ぶにはやや厳しい時期ではあるが、そんなこたぁどうでもいいんだよ!
まず最初は年の瀬ということで久しぶりに実家へ。こちらは西東京の某所にあるのだが、夕暮れの富士山が綺麗だったので景色を眺めながらポチポチとWindowsの操作やゲームをプレイ。というか、ベランダだったので寒くて死ぬかと思った。
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なんてことをやっていたところ、外出先か帰宅した筆者の兄上が登場。普段VRchatに入り浸ってはDJをするというVR民なのだが、AYANEO KUNを見て興味津々な模様。UMPC自体を触ったことがないらしいので実際に持たせてみたところ「これなら出先でもVR出来そうだな」と目をガン開きにさせながらいじくり回してました。
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続いては筆者の住居の近くの公園にてテスト。こちらは朝の6時というまだまだ周囲が暗い時間帯をセレクト。ぶっちゃけこんな環境でゲームを遊ぶことなんて人生では基本的に無いとは思うが、過去記事のようにエクストリームな環境よりは可能性があるのではないだろうか。
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こういった環境でUMPCを使う場合、季節や地域によっては露出している手と耳が寒さで徐々に痛くなる。なので、ヘッドホンや薄地の手袋を利用するのが必須になるだろう。ちなみに、写真は夜でも明るく撮影できるスマホを使用しているのだが、はたから見ると真っ暗な公園に薄っすらと浮き上がる人間の顔……というホラーな状況下で、早朝出勤しようとしている方が「ヒッ」という声を漏らしていたのは内緒だ。
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最後は公園の王者とも言える滑り台に挑戦。ここの滑り台はフレームが全て鉄製なのでいざ座ってみるとかなり冷たい。それに前傾姿勢にどうしてもなってしまうので長時間遊ぼうとすると首に負担が……。無理な体制でのゲームは体を痛めるので、やはり普通にベンチなどに座って興じるほうが良いだろう。
以上、AYANEO KUNを使ってみた簡単なレポートだ。一部のゲームはデフォルトだと処理が間に合わないということもあるが、TDPを高くすることで処理能力が向上しパフォーマンスの向上が見込める。ただし、バッテリーの消費が著しく高くなるため注意が必要だ。
それ以外ではゲームパッド部の方向キーが正直使いにくい印象はあるものの、それ以外は快適にゲームを遊ぶことができるので満足度は高い。
価格は15万円以上と高価ではあるが、それだけの価値はあるスペックを誇っているのは確かだと断言できる。
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