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サービス開始間近! クラシック特化の音楽配信「Apple Music Classical」を解説

ASCII.jp / 2024年1月22日 12時30分

1月24日の提供開始に向けてApp Storeではアプリの予約が始まっています

 アップルによるクラシック音楽専門の音楽ストリーミングサービス「Apple Music Classical」が1月24日から日本で提供を開始します。先行するApple Musicとの違いにも触れながら、新しいサービスの特徴を解説します。

500万曲以上のクラシック音楽が聴き放題! Apple Musicユーザーは無料で楽しめる

 Apple Music Classicalは、500万以上の楽曲が揃うクラシック音楽に特化したストリーミングサービスです。Apple Musicとは別のアプリで提供されますが、Apple Musicのサブスクリプションプランに登録すれば追加費用を払うことなく楽しめます。欧米など海外諸国で先行していたサービスが、このほど日本と中国、韓国の各地言語にローカライズされ待望のスタートを切ります。

 ポップスやロック、ダンスミュージックは楽曲を検索する時にアーティストやアルバム、楽曲のタイトルなどのキーワードを頼りに比較的シンプルに探せます。クラシック音楽の場合はデータ構造が異なり、楽曲に付随する情報がとても多く複雑です。

 例えば一般的にベートーヴェンの『交響曲第5番 ハ短調 作品67』という楽曲は通称『運命』として広く知られています。クラシック音楽の場合、有名な楽曲は様々な音楽家やオーケストラにより演奏された録音があります。Apple Musicでベートーヴェンの『運命』を検索すると、アーカイブの中からものすごい数の作品が見つかってしまい、目当ての作品を探すのもひと苦労です。

 アップルはクラシック音楽を探す際の検索性を高めて、熱心なファンからビギナーまで500万曲以上のカタログを気軽に聴ける仕組みをApple Music Classicalに導入しました。

Apple Music Classicalアプリの画面のイメージ。クラシック音楽の作品に付随する数多くの楽曲情報データが500万を超える作品にひも付けられています

 下地となるのがクラシック音楽の研究者により結成されたチームが7年以上の時間をかけて作成したという、楽曲情報データです。演奏家や指揮者、オーケストラなどアーティストの情報から楽曲のタイトル、作品番号(Opus number)、通称など5000万を超えるデータポイントが登録されています。検索結果をリストに表示する際には、演奏者やオーケストラの名前などキーワードによって作品が分類され、直感的に見分けが付くようにユーザーインターフェースにも工夫が凝らされています。

Apple Music Classicalの「今すぐ聴く」「検索」の画面

iPhone/iPadとAndroidのアプリが登場

 Apple Music Classicalは昨年に欧米をはじめとする海外諸地域からiOS、Androidのアプリが導入されました。その後、間もなくしてからiPadOS版アプリを追加しています。ト音記号のアイコンが目印です。

 アプリを立ち上げると、画面の下側には「今すぐ聴く」「見つける」「ライブラリ」「検索」という4つのタブが並んでいます。Apple Musicアプリとの違いは「ラジオ」がないことです。

 「今すぐ聴く」のタブの中には配信がスタートした最新の楽曲や、ユーザーの好みを学習したレコメンデーションが並んでいます。「検索」タブの中には先ほど触れたフリーワードによる検索機能のほか、作曲家、アルバム、アーティストなどにあらかじめ分類されたタイルが並びます。それぞれの中からApple Music Classicalのエディタが厳選したタイトルが見られます。

 クラシック音楽にあまり詳しくない方は、「プレイリスト」を活用するとApple Music Classicalが親しみやすく感じられるでしょう。中には世界トップクラスのクラシック音楽のエキスパートや、自身もApple Music Classicalで作品を配信するアーティストがキュレーションした700以上のプレイリストがあります。例えばピアニストのアリス=紗良・オットがおすすめする楽曲を集めたプレイリストをきっかけにして、クラシック音楽への興味を深めることもできそうです。

 Apple Music Classicalアプリから気に入った楽曲をライブラリやプレイリストに保存すると、ユーザーのiCloudアカウントに連携する形でApple Musicからも参照できるようになります。

ドルビーアトモスによる空間オーディオ配信の作品も揃っています

ハイレゾや空間オーディオに対応する作品も充実

 元のApple Musicと同様、Apple Music Classicalにも最大192kHz/24bitのハイレゾロスレス配信や、ドルビーアトモスによる空間オーディオ配信に対応する楽曲があります。特に大編成のオーケストラが演奏する交響曲は、空間オーディオリスニングとの相性がとても良いと思います。

 アップルはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ザルツブルク音楽祭、ニューヨーク・フィルハーモニック、ロンドン交響楽団、メトロポリタン歌劇場など、世界屈指のオーケストラやクラシック音楽の劇場、イベントを主催する団体と提携しています。それぞれパートナーシップを通じて、Apple Music Classicalだけの独占コンテンツや未発表音源の配信がサービスの開始後から予定されているそうで、とても楽しみです。

 現在Apple Musicを利用している方は、1月24日以降にぜひApple Music Classicalアプリを導入してみてください。日ごろからクラシック音楽をよく聴く方はタイトルの検索や、作品情報を調べる機能が一段と便利になった実感が得られるでしょう。普段はクラシック音楽をあまり聴かない方も、まずは試してみる価値があるサービスだと思います。

 

筆者紹介――山本 敦  オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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