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10万円で10日間、東南アジアを何ヵ国まわれるか挑戦してみた トラブル続きのシンガポール/インドネシアの巻(2〜3ヵ国目)

ASCII.jp / 2024年1月24日 6時30分

 今回は、円安やインフレの影響を乗り越えて「東南アジアを10万円・10日間で何ヵ国まわれるか?」という企画チャレンジの第2回。前回はベトナム・ホーチミンで約20時間の乗り継ぎを利用して、現地で1泊しつつ、現地のベトナム美女とバイクデート(現地ツアー)を楽しみました。

2日目(2023年12月21日) 早朝にベトナムを出発→シンガポールへ!

 1泊402円の安宿をあとにして、タンソンニャット国際空港に7時頃到着。乗り込む飛行機はベトナム航空のVN651便で、シンガポールへと向かいます(ホーチミン発 9時発→シンガポール着 12時15分着)。このチケットは成田からシンガポールへ乗り継ぎ便として購入(2万6730円)しており、旅の予算としては前回計上済みです。

ホーチミンのタンソンニャット国際空港は入国も出国も大行列でしたので、出国時は早めに空港に来たほうがよさそうです

 実はこのチケット、購入したときはホーチミンからシンガポールへの便は、格安航空会社パシフィック航空のコードシェア便(VN6855便 ホーチミン発7時10分)だったのですが、フライトがキャンセルとなりベトナム航空のVN651へと変更になりました。

搭乗した機体はベトナム航空の緑……ではなく、なぜかタイ・スマイルのカラー。中古機材なのかな?

 フライトの変更案内は日本を出発する前からありましたし、出発時刻が7時10分から9時へと変更になっただけなので、旅のスケジュールには大きな影響はありません。逆に2時間ゆっくり寝られたくらい。

 さらに変更となったVN651便は、ベトナム航空運航なのでFSC(フルサービスキャリア)です。シートも広めですし、ちゃんとした機内食も提供されるので、フライト変更になってラッキーと言えます。

シートピットも広めなのと、空いていて3席使えたのでラクチン!
機内食もしっかりめのご飯がちゃんと出ました

 (次ページ:2ヵ国目となるシンガポールへ到着!)

2ヵ国目となるシンガポールへ到着! ふらふらと鼎泰豐に吸い込まれる私……

 というわけで、オンタイムで2ヵ国目シンガポールのチャンギ国際空港に到着。このあと夕方には船で次の目的地へと移動するため、シンガポールはあまり滞在時間がありません。駆け足で街中に出かけようかと思ったものの、外はあいにくの雨。

 以前のレポート「乗り継ぎ17時間!? 最悪を最高に変えるシンガポール・トランジット」でもお伝えしたとおり、シンガポールのチャンギ空港は、いろいろな施設があるので便利です。そこでしばらく空港の休憩エリアで充電をしたり、バタフライガーデンで蝶々を見たりと空港で時間をつぶしつつ、隣接する商業エリア「ジュエル(Jewel)」でお昼を食べることにしました。

シンガポールのチャンギ空港内にあるバタフライガーデン
いろいろな蝶が実際に飼育されています
巨大な人口滝があるジュエル
訪問時のジュエルではスーパーマリオのイベントをしていました

 なにかシンガポールらしいものを食べようかなと、ジュエルを歩き回ってみたものの、うっかり小籠包が美味しい台湾の名店「鼎泰豐(ディンタイフォン)」を見つけてしまい、ふらふらっと入ってしまいました。

 小籠包6個セットと炒飯、そしてビールを2瓶オーダー。鼎泰豐は小籠包のお店として有名ですが、個人的には「炒飯」が絶品だと思っています。日本も含めて世界各地に出店しているので、海外で「美味しい米の飯が食べたい!」となったとき、ふらふらと入っちゃうんですよ。

鼎泰豐と言えば小籠包
炒飯も絶品です

 ただしお値段のほうも、43.72SGD(シンガポールドル)で、約4700円とかなりお高め。シンガポールは東南アジアのなかでもかなり物価が高い国ですし、それに加えて名店の空港価格ということもありこの価格に。節約旅行中にはかなり厳しいです。

 実はシンガポールの滞在を短くしたのは、この物価高も関係しています。宿も高いので泊まらずに今回の旅では立ち寄るだけとなってしまいました。

一転、予定の便に間に合わない!? 慌ててタクシーへ飛び込むも、出費が痛手に

 高いとは言えお気に入りの小籠包と炒飯なので、お腹は大満足。そのまま次の国へと向かうため地下鉄に乗り込んだのですが……ここでミスが発覚。地下鉄に座ってGoogleマップでの経路案内を確認しつつ、事前に入力しておいたGoogleカレンダーの予定計画を見合わせてみると、このまま地下鉄に乗っていると、次の国へ行く船便へのアクセスが間に合わないことがわかりました。

シンガポールの地下鉄改札はApple Payで通過できる

 どうやら1時間ほど勘違いしていたようです。ベトナムとシンガポールは1時間の時差があるので、それが原因だったのかも。とにかく地下鉄からさらに路線バスでの乗り継ぎでは間に合わないので、慌てて列車を飛び降りてタクシー乗り場へと向かいます。

 ちなみにシンガポール地下鉄は、クジットカードのタッチ決済や、Apple Pay、Google Payでも乗れるので、改札を出るときもタッチ決済でオーケー。ただし同じ駅で出入りしたわけですが、1.80SGD(約194円)はしっかりと加算されていました。

 地下鉄と路線バスの乗り継ぎだと1時間かかる予定でしたが、幸いタクシーなら20分の距離。なんとか船には間に合ったものの、タクシー代として16.90SGD(約1816円)がかかりました。地下鉄と路線バスなら400円ほどで行けたはずなので、ムダな出費となってしまいました……。

タクシーはApple Payでは支払えなかったものの、クレジットカードのタッチ決済は通りました

 (次ページ:なんとか船に間に合うも海は大シケ!)

なんとか船に間に合うも海は大シケ 波に揺られながら3ヵ国目のインドネシアへ

 到着したのはタナメラ・フェリー・ターミナル。ここから船で3ヵ国目のインドネシア・ビンタン島へと向かいます。ビンタン島はシンガポールから南東へ約46kmの沖合にあり、島の北側には綺麗なビーチなどが整備され、シンガポールから50分ほどの船旅で行ける人気のリゾートアイランドです。

インドネシア・ビンタン島への船が出ているタナメラ フェリーターミナル

タナメラ フェリーターミナルの売店で購入した水(小)は2.30SDGなので約247円。シンガポールは節約旅行に厳しい

 ただし今回の旅ではフェリーの運航時間の関係で島の北部へアクセスするフェリーではなく、南部の「タンジュンピナン」という街へ向かいます。こちらはビンタン島を含むリアウ諸島州の首府になっていて、行政や商業の中心地となっています。

 フェリーの運航会社は「SINDO FERRY」。変わった名前だと思っていたのですが、Singaporeの「SIN」とIndonesiaの「INDO」を組み合わせた名前なんじゃないかと、あとから気がつきました。

乗船した「SINDO FERRY」

 シンガポールのタナメラ フェリーターミナル出発は17時10分で、ビンタン島のタンジュンピナンへは17時55分に到着。ただしシンガポールとは1時間の時差があるので、乗船時間は2時間近くあります。

 料金は往復98SGD(約1万700円)で事前にネットから購入済み。フェリーターミナルのSINDO FERRYカウンターで予約情報を見せると、往復のチケットに引き換えてくれました。

 船内の座席には充電設備はなかったので、スマートフォンなどはあらかじめ充電してから乗り込んだほうが良さそうです。また乗船した日は天候もあまり良くなく、波が高かったので結構揺れました。特に前方は波にたかれて上下にかなり揺れるので、船に弱い人は酔い止めを飲んでうしろのほうに座ったほうがいいかも。

SINDO FERRYの船内
エアコンが強すぎて寒いため船内で上着を着用。東南アジアは乗りもの内が寒いので上着は必携です。寒い……
かなり波に叩かれるので、うしろの席のほうが揺れは少なめです

3ヵ国目のインドネシアに入国 アライバルビザの申請のため必要なお金は?

 シンガポールの出国審査などは出発したタナメラ フェリーターミナルですませており、インドネシアの入国審査は到着したタンジュンピナンの港でします。インドネシア入国にはビザの取得が必要で、オンラインでも可能。自分はうっかりオンラインでの申請を忘れていて、到着時に取得するアライバルビザを利用することに。

 ビザ代は50万インドネシアルピア(4603円)で米ドルだと35ドルくらい。ところがここでもプチトラブル。いろいろ調べたのですがタンジュンピナンでのビザ申請の情報があまりなく、インドネシアの空港から入国する際の情報を元に米ドルで用意しておきました。

 その際、シンガポールの空港にあるATMで日本の口座からまずシンガポールドルを引き出し、空港両替所で30米ドルへと両替。それに以前アメリカを旅行した際に残った10数米ドルを合わせれば、40米ドル以上ある計算になるので大丈夫だろうと、タンジュンピナンの入国審査手前にあるビザ取得カウンターに向かったのですが……。

ビザ代の支払いで米ドルが使えず 両替所トラブルで約2000円を失ってガックシ

 なんとタンジュンピナンでは、ビザ代の支払いに米ドルは使えず、インドネシアルピアかシンガポールドルのみとのこと。それならわざわざシンガポールドルを両替する必要はなかったのですが、さらに問題なのは入国しないと両替所がないため、ビザ代が払えないという状況に……!

 どうしようかと困っていると、係員の人が「パスポートと荷物を置いて入国審査を通り抜け両替をしてきなさい」と。しかたなく手に握った米ドルをひらひらと見せ「両替所に行くから!(I'm going to exchange!)」と言いながら、入国審査と税関の手荷物検査を素通りしていきます。

 税関を抜けてすぐのエリアに両替所があったので、そこで手持ちの米ドルすべてを渡して両替をしてもらおうとすると、今度は10ドル札が1枚だけ少し破れていて「これは受け取れない」と言われてしまいます。

制限エリアを抜けた先にあった両替所

 海外、特に東南アジアでは破れたお札を受け取ってくれないことが多いんですよね。なので、両替所で受け取る際には金額だけでなく、お札が破れていないかどうかなども確認して、もし破れていたらその場で交換してもらいましょう。ちなみに破れていた10ドルは、アメリカ旅行で残ったぶん。マネークリップでポケットにいれていたので切れてしまっていたようです。

この少しだけ破れたドル札を受け付けてくれない! そんなぁ

 結局、30数米ドルぶんしか両替できず、手数料などを含めるとビザ代に必要な50万ルピアには届きません。一瞬冷や汗をかきましたが、幸い以前インドネシア旅行をした際に残っていたルピアが財布に入っていたので、それをあわせて、なんとか50万ルピアを用意できました。

 とはいえ、日本円→シンガポールドル→米ドル→インドネシアルピアとムダな両替を挟んでしまったこともあり、トータルすると手数料で2000円くらいは損している計算に。節約旅行をしている身としては、かなり痛い出費です。オンラインでの申請はクレジットカードで支払えるので、インドネシア入国の際は現地ではなく、オンラインでのビザ取得がオススメです。

 (次ページ:やっとの思いで入国、1540円の宿へ!)

やっとの思いで入国、1540円の宿へ 部屋は綺麗だがシャワーは水のみ

 インドネシアルピアを握りしめてビザを取得し、入国審査と税関も通過。無事3ヵ国目のインドネシアに到着です。ここから徒歩10分ほどの宿へと歩いて移動します。

港を出るとタクシーの勧誘攻撃をくらいますが、無視して街中へと進む
タンジュンピナンのメインストリート

 予約していた宿は、個室で1540円。今回の旅では宿代1000円以下を目安としているので、もっと安いところを探したのですが、港から歩いて行ける距離に安宿はなく、翌日も早朝から移動なため、予算オーバーですがこちらの宿を予約。ところが到着してから気がついたのですが、スタンダードルームということで、水シャワーしかないとのこと。

1540円の個室は広さも綺麗さもじゅうぶん
ただしシャワーは水だけでした。残念

 南国インドネシアとはいえ、水シャワーは結構辛いんですよね。とはいえ背に腹は替えられないので、そのまま水シャワーの部屋に宿泊。部屋は綺麗だしバスタオルなども付いていました。

 寝床も確保したので晩ご飯を食べようと、ホテルの周りを歩いてみますが、まだ20時台だというのに、街のお店はほとんど閉まっています。小さな売店は所々開いていますが、レストランなどはほとんど見当たらず。しかたがないので、フライドチキンとご飯のセットを売っている屋台で買って、部屋で食べることにしました。

売店は開いているものの、アルコールの取り扱いはなし
屋台でフライドチキンを購入

 ところでインドネシアのビールというと「ビンタン」が有名です。せっかくビンタン島に来たのだからビンタンビールを飲もうとあちこちの売店に入ってみたのですが、ビンタン島はイスラム教徒の多いエリアのようで、軒並みアルコールの取り扱いはなし。

 ホテルの1階にある売店で缶ビールを発見したものの、オランダブランドのハイネケンのみ。お腹も空いてきたし、このまま探し続けるのがめんどうになったので、夜はハイネケンを片手にフライドチキンライスを頂くことにしました。価格はフライドチキンライスが2万5000ルピア(約230円)でハイネケンが1万8000ルピア(165円)でした。

ホテルの1階で購入したビールとあわせて、ホテルで部屋食です
フライドチキンに加えて、テンペ(大豆の発酵食品)とタフ(インドネシアの豆腐)にキャベツとキュウリ、そしてご飯がセットで230円

 (次ページ:やっと就寝……と思ったのに!)

夕飯を食べてやっと就寝…… と思ったら近所でカラオケ大会がスタート

 翌日朝も5時起きなので、晩飯を食べたら早々に床へ。ところが、ホテル内のどこかで宴会をしているのかカラオケ大会が始まり、うるさいのなんの。0時を過ぎてようやく終わったかと思えば、今度はダンスミュージックに変わりました。そのまま朝3時頃までパーティタイムは続き、二日連続で安宿の洗礼を受けることになりました。

 そんなわけで、せっかくの個室なのに、あまり寝付けないまま起床。宿をチェックアウトして次の移動のため港へと戻ります。港では、さらに出国税の徴収が待っていました。価格は6万ルピア(約552円)。インドネシアはビザ代も含めてこういった費用がかかるので、ひと晩だけ泊まりにくるような旅程には不向きですね。次に来るときは、リゾートでのんびりと楽しみたいです。

フェリーターミナルに行く途中で朝市を発見したものの、雨模様ということもあり散策は断念したのが心残り
出国税に6万ルピア(約552円)が必要です

フェリー乗り場でビンタンビールを発見! 念願のビンタンビールを飲むことができました

 今回の旅の目的は「10万円で10日間、東南アジアを何ヵ国まわれるか」ですので、滞在時間12時間ほどでインドネシア・ビンタン島をあとにするわけですが、最後にフェリー乗り場の売店をのぞいてみると、探していたビンタンビールを発見しました! 価格は4万ルピア(約368円)と割高でしたが、これで「ビンタン島でビンタンビールを飲む」を達成できました。

フェリーターミナルの売店で探していた「ビンタンビール」を発見

 ちなみに「ビンタン島」は「Bintan」で「ビンタンビール」は「Bintang」と正式には綴りも発音も違います。なのでビンタン島の名産というわけではなく、「ビンタンビール」の「Bintang」は星という意味で、ラベルにも大きく赤い星が記されています。

 この星のマーク、昨晩飲んだハイネケンと似ていますね。実はインドネシアは植民地時代の宗主国がオランダで、当時からオランダのビール「ハイネケン」が現地生産されていました。そのためハイネケンの星マークから、「星/Bintang」がビールの代名詞としても広がり、「ビンタン」というビールがインドネシアで生まれたわけです。またビンタンの製造元「P.T. Multi Bintang」はハイネケンのグループ会社でもあります。

ハイネケンの星マークがビンタンビールのネタ元

3日目はシンガポールへ戻ります! 移動費の残金は6万625円

 ある意味昨晩のハイネケンも場違いなビールではないなと思いつつ、ビンタンビールをフェリーターミナルのベンチで飲み干したあと、インドネシアの出国審査を受けフェリーに乗船。昨晩来た航路をたどってシンガポールへと戻ってきました。ここからさらに次の国に向かいますが、今回はここまでです。

 以下はここまでかかった費用です。

■移動予算10万円(国境越えや長距離移動+宿代)  フェリー代(SINDO FERRY/シンガポール=ビンタン島):1万0703円  ビンタン島宿代:1540円  合計:1万2243円  前回までの費用:2万7132円  残金:6万625円

※そのほか滞在費など(予算に含めず)  −シンガポール−  鼎泰豐:4700円  地下鉄:194円  タクシー:1816円  水(小):247円  −インドネシア−  ビザ:4603円  晩ご飯:230円  ハイネケン(缶):165円  出国税:552円  ビンタンビール(缶):368円  合計:1万3004円(累計:1万8198円)

この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)

世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

  • 「旅人ITライターさとる」(IT系メイン)
  • 「さとる・たべる・あそぶ」(旅行・エンタメ系メイン)

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