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クラシック音楽が身近に!「Apple Music Classical」アプリ体験レビュー<入門編>

ASCII.jp / 2024年1月26日 19時0分

1月24日からApp StoreとGoogle Playストアで配信が始まったクラシック専門の音楽ストリーミングサービス「Apple Music Classical」

 アップルによる新しいクラシック専門の音楽ストリーミングサービス「Apple Music Classical」が1月24日から、日本国内でも待望のスタートを切りました。今回はスマホによる楽しみ方を中心にApple Music Classicalのファーストインプレッションをレポートします。

Apple Music クラシック

App Storeでダウンロード

 筆者はクラシック音楽をリスペクトしていますし割とよく聴いていますが、知識についてはとても浅い方であると自認しています。なのでApple Music Classicalによるクラシック音楽の楽しみ方を、入門者の目線からご紹介したいと思います。

便利な検索機能。整理整頓されたリスト表示

 Apple Music Classicalには、クラシック音楽を中心とした500万以上の作品が揃っています。ほかのジャンルの音楽に対するクラシック音楽の特性は、ひとりの作曲家が遺した作品の数がとても多かったり、その作品を多くの音楽家やオーケストラが演奏した作品もまた複数存在していることです。

Apple Musicのユーザーは追加料金を払うことなく「Classical」アプリのサービスが楽しめます。Classicalアプリはページタイトルやアルバムタイトルに明朝体を使ったシックな雰囲気が特徴

 ゆえに、モバイルやパソコン向けのアプリでは、聴きたい作品がなかなか見つけにくいことが課題でした。作曲家と作品番号を手がかりにして、アプリの検索機能から聴きたい作品を探し当てようとしても、従来の音楽ストリーミングサービスの場合はポップス・ロックのアーティストがカバーした作品なども検索結果のリストに並んでしまうことが多々ありました。

 Apple Music Classicalの場合、約1億曲にも及ぶApple Musicの膨大なカタログの中から「ピュアにクラシック音楽だけを選り分けた500万以上のカタログ」が検索の基点になります。そのうえ、1つ1つの作品には作曲家、演奏家、オーケストラ、作品番号やカタログ番号、主に演奏されている楽器や制作された年代など細かな情報が付随します。アプリからそれぞれの情報を手がかりにした精度の高い検索ができます。

有名な作品の場合、検索結果には人気のレコーディング作品をトップに表示。関連するタイトルとして見つかった作品にも、作品のタイトルや演奏者、リリース年などの情報が整理された形で見やすく表示されます

 それだけでなく、検索結果がとても見やすいデザインになっています。トップには「人気のレコーディング」が表示され、すべての作品リストにはカバーアートのほか、作品のタイトルと演奏者、リリースされた年と演奏時間など関連する情報が一緒に表示されます。従来のApple Musicよりも、ユーザーが聴きたい作品に素速くたどり着けるユーザーインターフェースが秀逸です。

クラシックの作品に関連するざっくりとした記憶を辿りながら、聴きたかった曲を見つけて再生できます

うろ覚えな知識のまま、聴きたかった曲が見つけられる

 クラシック音楽について深い知識を持っていなくても、Apple Music Classicalは「つい、クラシック音楽が聴きたくなってしまうアプリ」です。

 小中学校の音楽の教科書で学んで以来、“うろ覚えなままの音楽の知識”でApple Music Classicalのカタログを検索してみても、目当ての作品や関連する興味深い作品がリストに上がってきます。

 例えば検索ワードに「隅田川」とタイプすると、滝廉太郎の作品『花』に関連する作品がずらりと表示されます。ドビュッシーの作品『月の光』を、筆者はずっと『月光』だと思い込んでいました。検索ワードを「月の光」と指定した場合でも作品の候補リストにドビュッシーの『月の光』が出てきます。

 筆者が子どもの頃にクラシック音楽が好きな両親から「パッヘルベルのカノン」として、ひと続きの単語のようにすり込まれてきた作品が、実はヨハン・パッヘルベルの『カノンとジーグ ニ長調 P37』であることをApple Music Classicalの検索機能のおかげで知ることができました。

好きなアーティスト・楽器・映画の代表曲も盛りだくさん

 Apple Music Classicalアプリの「見つける」タブからは、カタログにある作品を指揮者やソリスト、オーケストラなどの条件から探せます。筆者はよろず弦楽器が演奏する音楽が好きなので、「ギター」はもちろん「リュート」や「ハープ」などの楽器から探せる機能のおかげでクラシック音楽に親しみがわきました。

 好きなクラシックの「アーティストの代表曲」や「アーティストによるプレイリスト」も、Apple Music Classicalに親近感を持つきっかけになると思います。

 クラシック音楽のスタイルで制作、演奏されているジョン・ウィリアムズの『スター・ウォーズ』や『シンドラーのリスト』、久石譲の『天空の城ラピュタ』など「映画音楽」もあります。例えば「千と千尋の神隠し」の代表曲『あの夏へ』を、国内外の著名なオーケストラやアーティストが演奏している作品を聴き比べてみると、雷鳴に打たれたように突然クラシック音楽の魅力を発見できるかもしれません。

耳馴染みの映画音楽、好きなアーティストや楽器を頼りにクラシック音楽のリスニングを深めることもできそうです

 ユーザーがApple Music Classicalからお気に入りの作品をライブラリやプレイリストに追加すると、同じ情報がApple Musicアプリにも共有され、Apple Musicアプリからも再生できるようになります。

 Apple Music Classicalで配信されている楽曲は、iPhoneやiPad、Androidスマホにダウンロードして「オフライン再生」ができます。ただしその方法はApple Music Classicalアプリから直接ダウンロードするのではなく、いったんプレイリストにまとめるなどしてから、Apple Musicアプリの方でダウンロード、および再生を楽しむ形式になっています。飛行機による旅支度の前に知っておきたいポイントです。

Apple Music Classicalの方でいったんプレイリストなどにダウンロードしたい楽曲を登録後、Apple Musicアプリに移動してダウンロード、オフライン再生が楽しめます

 Apple Music Classicalにはハイレゾロスレス、ドルビーアトモスによる空間オーディオで配信されている楽曲も充実しています。次回はヘッドホンなどのオーディオ機器、HomePodでApple Music Classicalを高品位に楽しむ方法に踏み込んでみたいと思います。

 

筆者紹介――山本 敦  オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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