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ソニーのPS5ヘッドホン、聴きやすさも使いやすさも◎でした「PULSE Elite」レビュー

ASCII.jp / 2024年2月16日 19時0分

ソニー・インタラクティブエンタテインメントがPlayStation 5のアクセサリーとして発売するワイヤレスヘッドホン「PULSE Elite」の実機を試しました

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が、PlayStation 5(PS5)に最適化したワイヤレスヘッドホンのフラグシップ「PULSE Elite」を2月21日に発売します。今回はSIEから借りた実機を試して、サウンドや使い勝手についてわかったことを報告します。

平面型ドライバーの特徴がよくわかるヘッドホン

 SIEは昨年末にPS5に最適化した左右独立型のワイヤレスイヤホン「PULSE Explore」を発売しています。本連載でも実機をレポートしました。PULSE Eliteは、PULSE Exploreと多くの技術的な特徴が重なるアラウンドイヤー(大型のイヤーカップで耳を覆う)スタイルのワイヤレスヘッドホンです。

 筆者は特に2つの技術に注目しました。ひとつはヘッドホンにも採用されたカスタム設計によるプレーナーマグネティック(平面磁界駆動型)ドライバーです。SIEのパートナーである、アメリカのヘッドホンブランド「Audeze(オーデジー)」の協力により、今までソニーのラインナップになかった平面型ドライバーを搭載するヘッドホンがSIEから誕生しました。

Bluetooth接続の機能もあり。日常の音楽リスニング用のワイヤレスヘッドホンとしても活用できます

 PULSE Exploreも中高音域の情報量に富み、きめ細かくバランスの良い平面型ヘッドホンらしいサウンドを特徴としています。ゲーミング時には、細かい効果音や人の声が聴きやすいヘッドホンがプレイの成果を高めてくれるとも言われています。この点も含めて、アラウンドイヤースタイルのヘッドホンであるPULSE Eliteの方が平面型ドライバーの個性がより明快に感じられると思います。

 ダイナミック型ドライバーを搭載するヘッドホンに比べると、PULSE Eliteはわずかに低音が細身な印象を受けました。ただ低音の切れ味は鋭く、存在感は十分に感じられます。音楽を聴いてみると、ボーカルものやクラシックピアノのようなアコースティックな楽器の音色がとてもリアルに感じられます。相性はとても良さそうです。

PlayStation Linkに対応する専用のUSBトランスミッター

独自の「PlayStation Link」による ロスレス、低遅延伝送に対応

 もうひとつの特徴的な技術が、専用のUSBトランスミッターによるロスレス・低遅延伝送を実現する「PlayStation Link」です。

 この技術の効果によって、入力操作に対するサウンドのシビアなレスポンスが求められる音楽ゲームの得点アップにつながります。楽器アプリで弾いた音も遅れることなく聴こえてきます。

 また、PULSE Eliteは汎用性の高いBluetoothオーディオにも対応しています。SIEがPlayStationシリーズのワイヤレスヘッドホンとして2020年に発売した「PULSE 3D」は、PlayStation LinkとBluetoothオーディオには非対応でした。

 なお、SIE独自の立体音響技術「Tempest 3Dオーディオ」に対応するゲームをPS5でプレイすると、包み込まれるような立体サウンドが楽しめる技術はPULSE Eliteでも搭載しています。

 PlayStation Linkの低遅延伝送技術の効果は、入力操作に対するサウンドのシビアなレスポンスが求められる音楽ゲームの得点アップにつながります。楽器アプリで弾いた音も遅れることなく聴こえてきます。

iPhoneにアダプター経由でUSBトランスミッターを接続。ゲームのサウンドも遅れることなく聞こえてきます

 専用のUSBトランスミッターは変換アダプタを使えばiPhoneやiPad、AndroidスマホにMacBookなどのデバイスにも挿せます。集音性能が高く、AIノイズリジェクション機能を搭載するマイクも内蔵しているので、Macでビデオ会議に参加する時にもPULSE Eliteが役に立ちました。

ケーブルによる有線リスニングにも対応。サイレントギターの練習用モニターとしてもすごく使いやすいです

 付属のケーブルによる有線リスニングもできます。筆者はサイレントギターを練習するときのモニターヘッドホンとしても活用しています。ただし、有線ケーブルによる使用の場合もヘッドホンの電源投入は必要です。内蔵バッテリーによる連続駆動は最大30時間です。

購入前に実機でのフィッティングテストをオススメ

 筆者がPULSE Eliteに対して一点注文を付けたい箇所は、ヘッドバンドが短くて装着状態が安定しないことです。筆者の頭が大きすぎるのかもしれませんが、イヤーカップでギリギリ耳を覆える寸法感なので、イヤーパッドの上部で眼鏡のフレームを押さえつけられるような感覚も気になりました。これからPULSE Eliteの購入を検討する方は、実機を試着してから決める方が良いと思います。

 フィッティングが安定すれば、PULSE Eliteはイヤークッションが柔らかく、長時間着けていても負担が少ないヘッドホンだと思います。質量は約347g。ソニーのヘッドホン「MDR-Z7M2」(約340g)に近い重さです。

 PULSE Eliteは外観もユニークなワイヤレスヘッドホンですが、サウンドや操作方法は奇をてらわず、誰でも使いやすいようにシンプルにまとめられています。ソニーストアの販売価格が1万8981円と比較的手頃なので、平面型ヘッドホンを持っていない方は本機をコレクションに加える価値があると思います。

   

筆者紹介――山本 敦  オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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