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昭和レトロなプレーヤー復刻版「サウンドバーガー」を衝動買い

ASCII.jp / 2024年2月17日 12時0分

オーディオテクニカのレコードプレーヤー「サウンドバーガー」を復刻した通常販売モデル(AT-SB727)を衝動買いした!

 オーディオテクニカによる「サウンドバーガー」のオリジナルモデルが発売されたのは、今から42年前の1982年だ。この年の秋(10月1日)には世界で初めて民生用のCDプレーヤーである「CDP-101」がソニーから発売された年でもある。同日、デノンのCDプレーヤーも発売された。ソニーは薄型でCD平置きモデル、デノンはCD縦置きで前面からその回転が透けて見えるモデルだった。

 そのころから衝動買いが唯一得意だった筆者は、発売日にソニーのCDP-101を入手して同日同時発売されたビリー・ジョエルの「ニューヨーク52番街」を予約してやっと手に入れた。その後かなり苦労して「カラヤンの第9」も入手した記憶がある。まだまだ珍しかったCDの新譜を買うには、予約が必要な時代だった。

 当時はまだアナログレコードが全盛期であり、筆者もウサギ小屋サイズの自宅で、食べるモノを削って身分不相応な超大型スピーカーのJBL 4343Bやオンキヨーのプリとメインのセパレート型アンプ、ラックスのレコード盤を吸着させるツインアームのバキュームプレーヤーとともに、数百枚のアナログレコードを毎日楽しんでいた。

サウンドバーガーの広告をSNSで見つけ 10%オフに釣られて衝動買い!

 1982年に発売された「サウンドバーガー」(AT-727)も確実に衝動買いしていたはずだが、何色のモデルを買ったのかすら記憶にない。アナログオーディオからは完全に遠のいていた最近になって、そんなサウンドバーガーの通常販売モデル(AT-SB727)の広告をSNSで見つけ、10%オフに釣られてAmazon.co.jpで衝動買いした。

今回筆者が衝動買いしたのは、オンラインストア限定のホワイトカラーモデル。このほかAT-SB727はイエロー、ブラックのカラーバリエーションがある

 今回手に入れたサウンドバーガーのカラーはホワイト。いま以上にミーハーだった1982年の時は、きっと赤などのできる限り目立つカラーを買ってたに違いない。しかし、最近になって長く使う予定のモノには無彩色系を選ぶのが得策だというずるい大人の知恵がやっと付きだした。

 衝動買いしたオリジナルモデルの色も満足に覚えていないのだから、今回も操作方法や仕様なんて生れてはじめて買って触ったような感覚だ。サウンドバーガーは簡単にいうならレコード盤を回転させるための最低限必要な直径のターンテーブルとカートリッジを取り付け、最低限の長さのトーンアームを収納した外形幅100×奥行き290×高さ70mm、重さ約900gの持ち運び可能な充電池内蔵のアナログプレーヤーだ。

 本体以外にパッケージにはAT-SB727の内蔵バッテリーを充電するためのUSB Type-A to Type-CケーブルとLINE OUT端子から外部アンプやスピーカーに接続するためのケーブルが付属する。

まずはUSB Type-Cケーブルで充電

 外部USB/ACアダプター(5V・500mA以上)で満充電すれば、最大12時間の再生が可能だ。側面のロックボタンを解除することで約45度ポップアップするカバーを開くと、直径約90mmのベルトドライブ方式のターンテーブルと専用カートリッジの付いたトーンアーム、奥の方に電源オンオフボタン、ターンテーブルの回転数設定ボタンが見える。

 本体背面にはUSB Type-C充電ポートと付属のオーディオケーブルで外部のアンプやアクティブスピーカーに接続するためのLINE OUT端子の2つが配置されている。USB Type-Cポート経由で充電が終われば早速アナログレコードのプレイバックをやってみよう。

 運搬途中のトラブル回避のために、トーンアームはけっこう長さのある大きなネジで固定されているので、レコード再生の前に固定ネジを取り外すことが必要だ。ポップアップするアクリルカバーのヒンジ側に近いところにPOWER(電源オン/オフ)ボタンとレコードの回転スピード(33回転/45回転)の切替ボタンがある。

外付けBluetoothスピーカーとのペアリングは簡単

 一見すると内蔵スピーカーがありそうな雰囲気のサウンドバーガーだが、再生は前述したLINE OUT端子経由で付属のケーブルで接続したアンプやアクティブスピーカーによる再生か、Bluetooth 5.2準拠による外部スピーカーでの再生が基本だ。本体側面には、外付けBluetoothスピーカーとのペアリングのためのボタンが用意されている。

 ペアリングは極めて簡単だ。サウンドバーガーのPOWERをオンし続いてペアリングボタンを長押し、その後、出力デバイスとして連携したい外部Bluetoothスピーカーの電源、ペアリングスイッチなどをオンすることで、AT-SB727のPOWERボタン横の青色のLEDインディケーターがゆっくり点滅すれば接続成功だ。

 筆者は今回4台ほどのBluetooth外部スピーカーと接続してみたが、全て一発で接続完了した。一度接続が確立すると以降はサウンドバーガーとスピーカーの電源が入っていれば自動接続されるので、まったく手間いらずだ。

 昨今は第二のアナログレコードブームでもあるのでご存じの方も多いだろうと思うが、再生するレコードは中央に小さな穴の開いた直径30cm盤の通称「LP」(エルピー/Long Play)や「コンパクトLP」と呼ばれる直径17cmの盤と、通称「ドーナツ盤」と呼ばれている中央に大きな穴の開いた盤などがある。レコード盤のサイズによって付属の「45RPMアダプター」の使い方も異なる。

 同じ45RPMアダプターだが、前者の場合はレコード盤をターンテーブルとの間で挟むインシュレーター的役割となり、後者の場合はレコード盤の中心位置がずれないようにスペーサー的な役目となる。また稀に例外もあるが、ドーナツ盤は45回転がほとんどでLP盤はコンパクトサイズLPも含め33回転が一般的だ。

 レコードを再生する時には、POWERボタンを押して電源を入れカートリッジカバーを取り外しトーンアームを最も外側(右側)にカチッと音がするまで退避させる。任意のレコード盤を前述した45RPMアダプターを使用してターンテーブルに固定し、回転数を設定しトーンアーム先のツマミを持ってレコード盤の任意の場所に移動させるだけで、自動的にレコードは回転を開始する。あとは針をレコード面に落とすだけだ。久し振りに懐かしくも厳かな体験を思い出した。

 交換用のカートリッジは、オーディオテクニカから「ATN3600L」として別売されているので、レコード再生回数に応じて適時交換するのが良いだろう。針先への針圧の設定は携帯性とトラッキング性能の安定を両立すべく、やじろべい型の分銅(ウェイト)ではなくバネによるアクティブな加重方式を採用している。

サウンドバーガー側にボリューム調整機能なし 音量調節可能なイヤホンやスピーカーを使うべし

 コンパクトでモビリティー性能が高く必要な時に取り出してスムースなBluetooth接続ができるAT-SB727だが、唯一の難点は外部スピーカーの選択だ。AT-SB727側に外部スピーカーを十分ドライブするパワーがないため、一般的なスマホ用のヘッドホンやイヤホンをBluetooth接続できても十分な音量の確保が難しい。

 今回、筆者はGLIDiCのイヤホンやダイソーで購入した500円防水スピーカー、Amazon.co.jpで購入したBluetoothスピーカーの3つをペアリングするイヤホンやスピーカーとして使ってみたが、いずれも音量は小さく正直使い物にはならなかった。昨今の安価なスマホ用の外部音再生デバイスは極めて小音量で使い勝手は悪い。

 筆者は最終的にアクティブ型のアンプ内蔵のAmazon Echo DotをBluetooth接続して使用している。Echo Dot側で自由に音量調整も可能で、小さな音から大音量でのレコード再生も快適にできている。また宅内で行方不明だったかなり古いJBLのアクティブ型Bluetoothスピーカーも同様に問題なく使えた。AT-SB727の外部スピーカーには、アンプ内蔵のアクティブ型Bluetoothスピーカーが必須だ。

 AT-SB727は便利な手提げフック付きなので、使わない時はどこかに引っ掛けて置いておける。また部屋から部屋やアウトドアに持ち出す時にも便利なデザインだ。小さく持ち運んでどこでもレコード再生ができるのは42年前のコンセプトと変わりない。

 我が家に数百枚あったレコードも、10年以上前にその大半を売り払ってしまった。自宅に残ったレコードは全部で20枚もないが今まで聴く手段がなく、AT-SB727を衝動買いしたおかげで50年近く前の愛聴盤を再び聴くことができて幸せだった。

 
T教授

今回の衝動買い

・アイテム:オーディオテクニカ「サウンドバーガー」通常販売モデル(AT-SB727) ・購入:Amazon.co.jp ・価格:2万1582円

T教授

 日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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