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Galaxy純正の遺失物トレースタグ「SmartTag2」を衝動買い

ASCII.jp / 2024年2月23日 11時45分

サムスン電子のスマートタグ「Galaxy SmartTag2」をホワイト、ブラックともに衝動買いした

 スマホと連携する通信タグ付き「遺失物トレースガジェット」を初めて買ったのは、もう8年ほど昔だ。それまではスマホとは無関係の無線技術を利用した「Lost & Found」と呼ばれてた商品がそれにあたる。米国では当時、ガジェットショップと呼ばれていたシャーパーイメージやサーキットシティで数多く販売されていた。

 日本からの出張者にとっては、ちょっと先進テクノロジーの匂いのするシャレた玩具であり持ち帰るビジネスマンも多かった。しかし、1年365日24時間人間の一番近くにある存在になったスマホと連携することとGPSサービスを利用することで、より細かなトラッキングや遺失物の発見が可能となった「スマートタグ」の世界に、数多くのIoT系メーカーが参入することとなった。

 遺失物トレースタグの物理的形状やバッテリー交換の可否など多少の差はあれ、スマホの無線ネットワーク機能とレガシーなGPSサービスを組み合わせてできることは、各社それほど大きな差があるわけではない。今回は筆者が初めて手に入れたスマートタグから8年経ったいま、入手できる最新の「Galaxy SmartTag2」(以降、SmartTag2)を衝動買いしたので、その使い勝手の一部をお伝えしたい。

左から右に、Galaxy SmartTag2のホワイト、専用ケース、Galaxy SmartTag2のブラック

最新のスマートタグ「Galaxy SmartTag2」を衝動買い

 今回、衝動買いしたSmartTag2は、サムスン電子の前作の改良モデルで2023年秋に国内発売されたものだ。モデルの外観カラーがブラックとホワイトの2種類。今回ホワイトのSmartTag2用に同系色の専用ケースも購入した。発売後、しばらくは品不足が続いたが今は普通にネットでも待つことなく購入できる。

左からTile、SmartTag2、MAMORIO

 今も筆者が愛用しているTile(実測8g)とMAMORIOの2つをSmartTag2と並べて比較するとSmartTag2(実測14g)の大きさがひと際目立つ。内蔵バッテリーが交換のできないMAMORIOは、小さくより軽いサイズを実現していてICタグとしては理想的だが、1年前後で本体を含む全体の買い替えが必要となる。

 MAMORIOはトラッキングアプリとの連携も良く、買い替えでも大きなアプリ上の設定負担もなく引継ぎもスムースだ。買い替えることによって真新しいスマートタグに生まれ変わるので、新品の好きな筆者などにはうれしいモデルだ。しかし、残念ながらスマートタグのトレンドはエコ社会の反映なのか、内蔵バッテリーの交換できるより大きなサイズに全体としては移行しているようだ。

 Galaxy SmartTag2は同じバッテリー交換型のスマートタグの中でも大人の指が楽に入るほど大きな穴のある個性的な格好をしており、かなり大きなサイズだ。所詮、同時代の同じ技術を使用しているので全体のサイズ感はバッテリー交換の可否やデザインコンセプトにより、最終的に3つくらいに分化したというのが正しい理解だろう。

Galaxy SmartTag2のホワイト、ブラック、そして専用ケース「Galaxy SmartTag2 Rugged Case」

 今回購入したころはまだ品薄の時期でもあったが、ビックカメラのオンラインサイトで購入した。購入価格は1個およそ4000円(カラーにより若干異なる)。驚いたのはフック形式でSmartTag2をカバンやカギなどに取り付ける専用ケース「Galaxy SmartTag2 Rugged Case」が、別途2020円もしたことだ。SmartTag2+ケースで6000円超はアップルのAirTagに習ったのかもしれない。うっかりすると取り付ける対象を失くしてしまって、同等品を買っても総額でははるかに安いケースもありそうだ。

 かなりタイトな専用ケースは、最初からフック用の大きな穴の開いているSmartTag2の周囲にはめて、その外側に別のリングフックが付くという無駄の積み重ねに見えてしまう。そして、そのサイズはスマートタグとしては異常に大きなメタボサイズに成長してしまう。

専用ケース「Galaxy SmartTag2 Rugged Case」

 バッテリー交換は、一般的なフタのスライドによるバッテリーボックスの開閉ではなく、SIMピンをリング状の内側にある小穴に押し込み、強く押してバッテリートレイを押し出す仕組みだ。バッテリートレイの存在は美しくカモフラージュされ外観デザイン的には美しいが、押し出す時に親指の腹にSIMピンの後ろの形が付いてしまうほど硬いのが、残念だ。

筆者が初めて買ったスマートタグと比べれば大きな進化

 さて簡単にSmartTag2の設定とその運用に関してご説明しよう。スマホによるSmartTag2の認識と設定、登録はほかのスマートタグと大差はない。SmartTag2の電源を入れスマホのBluetoothをオンすることで自動で認識し、事前にダウンロードした専用アプリである「SmartThings」というアプリと自動で紐付けしてくれる。

 スマートタグの世界では先行するTileやMAMORIOと異なり、iPhoneとAirTagの関係と同じくSmartTag2はGalaxyスマホを使用しているユーザー専用のスマートタグだ。なので前述したアプリのSmartThingsはより大きなGalaxyの世界観で、Samsungのスマートテレビやそのほかのアプライアンスなども含め、壮大な世界をコントロールすることを目指している。

 筆者のようにSmartTag2だけをちょっと使ってみようなんてことを考えているなら、不要な機能がてんこ盛りでまたしても無駄の集合体に映ってしまう。どうも大手のメーカーは壮大な構想でユーザーの全てのIoTライフを自社だけで囲い込もうとするようだ。

 筆者はアプリと連携した白と黒のSmartTag2を、黒はすでに先にMAMORIOを取り付けているThinkPad X1 Nanoを収納したモバイルPCケースのジッパープルに追加で取り付けた。もう一方の白い方は、どこに行くにもほぼ常時持ち歩いているTYVEK製のブリーフケースに取り付けた。

 実際のSmartThingsアプリの画面では、普段2つのSmartTag2が接続済みとして見える。画面上のSmartTag2アイコンは運用で最終的に取り付けた対象物(カバンやPCなど)のアイコンに設定画面で置き換え、SmartTag2の本体カラーをテキストで加えて自分のための識別として使っている。

 「Pet Care」アプリにリンクすると散歩の履歴を記録共有できるとのことだったが、過去のスマホ上の記録では1日1万歩(人換算)以上を散歩していた我が家のワンコも16歳を超え、ほぼ毎日家でマッタリなので実験はパスした。

 このような事情で、残念ながら今回はPet Careは評価することができない。そのほかの設定は他のスマートタグ同様、SmartTag2をスマホから呼んだ場合の音量や着信音、バッテリー運用などをきめ細かく設定可能だ。

 SmartThingsアプリによるSmartTag2の地図上のマッピングも、他社アプリと類似している。アプリが動作しているスマホも一般的なスマートタグの仲間だとみなされる。なのでスマホとSmartTag2を取り付けたカバンやPCケースが全て自宅にある時は、3つのアイコンは地図上の同じ位置に集まって重なって表示される。

 カバンとスマホを持って出かけた先で、同様にカバンとPCケースの所在を見てみると、自分の現在位置にスマホとカバンがあり、自宅に置き忘れたPCケース(黒いSmartTag2)の存在が見える。先日、仕事で関西方面に新幹線で向かっている途中でSmartThingsのマップ画面を見てみたら、カバン(白のSmartTag2)はスマホと一緒に新幹線内の手元にあるのがよく分かった。

 どこかに置き忘れてしまった大事なアイテムがあれば、スマホとのBluetoothリンクが切れた時点でその場所のGPSアドレスが記録される。紛失したことに気が付いたユーザーは、SmartThingsアプリを起動しリンクが切れた場所を特定し、「ナビゲート」をタップすることで紛失場所までGoogleマップがナビゲートしてくれる。

 また自宅やオフィス内でどこに置いたか分からなくなったSmartTag2付きアイテムを探すのは、従来よりそのUIははるかに進化している。SmartTag2の場合「近くを捜索」をタップすることで、Bluetoothの感度を利用して何とかSmartTag2のある場所まで案内してくれる。またどこに置き忘れたか分からないスマホを、SmartTag2のボタンを押してスマホの発するアラート音で見つけることも可能だ。

 見失った探し物の限りなく近くまで来ているにも関わらず、何か別のモノの下敷きになっていたりして隠れている場合などは、「タグを鳴らす」を選択することでBluetoothの届く範囲なら探し物は何とか見つかりそうだ。

 SmartTag2は筆者が初めて買った8年前のスマートタグと比べれば大きな進化だが、この製品に限らず他社製も含め全てのスマートタグ製品は時々大きなミスを犯すことがある。今回のSmartTag2も自宅に意図的に置いてきた白いSmartTag2を取り付けたカバンが、どこか家を出て数百メートル移動してもずっと筆者の持ち歩いているスマホと同じ位置に表示されることがあった。

 この状態で途中で切れたりするイベントが起こりそれが記録されると、本来のカバンは自宅にあるのに紛失場所はその歩いて来た道のどこかにプロットされることになってしまう。現在販売されているスマートタグ系のデバイスはまだまだ完成品とはいえないIoTガジェットだ。スマホを踏み台にせずに独立して動作する次世代のスマートタグが登場してくるまで、「技術上のできる」と「本当に便利」とを切り分けて使うモノだと考えている。まだまだ頼り切れるデバイスではないだろう。

 
T教授

今回の衝動買い

・アイテム:サムスン電子「Galaxy SmartTag2」ホワイト/ブラック ・価格:4060円(ホワイト)、4020円(ブラック)

・アイテム:サムスン電子「Galaxy SmartTag2 Rugged Case」 ・価格:2040円

・購入:ビックカメラ.com

T教授

 日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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