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新興国でシェアを誇るTECNO、ゲームコントローラー型Windows機や犬型ロボット、巻き取りスマホを展示

ASCII.jp / 2024年3月4日 10時0分

 アフリカをはじめとする新興国を中心にスマートデバイスを展開するTECNO Mobile(以下、TECNO)はMWC24 Barcelonaで新製品やコンセプトモデルを展示した。なお新製品の発売時期や価格は未定、スペックもまだ一部のみ公開となっている。

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AI登載の犬型ロボットも登場

ARグラスをディスプレーにする コントローラー型ポータブルゲーミングPC「Pocket Go」

 ASUS「ROG Ally」やレノボ「Legion Go」などWindows搭載のポータブルゲーム機が話題になっているが、TECNOの「Pocket Go」も同ジャンルの製品だ。だがPocket Goはディスプレーを搭載しておらず、代わりにARグラスを有線接続して利用する。従来のゲーム機はディスプレーの分だけ本体サイズが大きくなってしまうが、Pocket Goはコントローラーの形をしたPCとメガネ型ディスプレーを分離することで本体を小型化している。

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ゲームコントローラーそのものに見えるPocket Goの本体とディスプレーとして用いるARグラス

 CPUはAMDのRyzen 7 8840HSを搭載。メモリーはLPDDR5 16GB、ストレージはPCle 4.0 SSD 1TB。本体内部にはPCレベルの冷却機能も備えており、高負荷なゲーム中も十分冷却されるとのこと。一方の本体はコントローラー型になっており、ジョイスティックなどゲーム操作用のボタン類をひととおり搭載している。

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見た目はゲームコントローラーそのものだ

 本体前部にはUSB Type-C端子とminiHDMI端子を備える。付属のARグラスはここにケーブルで接続する。なおTVに接続すれば大画面でゲームを楽しむことも可能だ。

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上部にはminiHDMIとUSB Type-Cの各端子

 バッテリーは交換式で、50Whのタイプを利用する。製品パッケージは予備を含め2個のバッテリーが同梱される予定。バッテリーを取り外す構造は本体設計を考えるとコストアップになるとも考えられるが、TECNOは充電環境があまり良くない新興国でスマートフォンを展開しており、モバイルゲーミング機器も同様の発想でバッテリーを交換式にしたのだ。

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大型50Whのバッテリーは交換も可能

 ARグラスは0.71型2K解像度のマイクロOLEDを搭載している。重量は不明だが、特に顔に負担を感じることは無かった。細かい文字も読みやすく、そしてゲームの動きは軽快だ。ディスプレーレスのゲーム機も意外と実用性がありそうだ。飛行機や電車での移動中に使うのもよさそう。なお、TECNOのスマートフォンは新興国向けだが、このPocket Goはアメリカなど先進国での販売を検討しているという。もしかしたら日本初上陸のTECNOの製品になるかもしれない。

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イスでリラックスしながらゲームできる

4本足での歩行や跳躍が可能なAI犬型ロボット「Dynamic 1」

 シャオミ同様にTECNOもスマートフォンメーカーであるのと同時に、AI搭載ロボットの開発も進めている。「Dynamic 1」はジャーマンシェパードからインスピレーションを受けた犬型のロボットで、4本足で歩行や跳躍が可能だ。障害物や階段を上ったり、実際の犬のようなしぐさも模倣できる。

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TECNOからも登場した犬型ロボット「Dynamic 1」

 8コアのARM CPUを搭載しており、AI Hypersense Fusion Systemによる自律動作も可能だ。深度カメラ、デュアル光学センサー、赤外線センサーなど複数のセンサーも搭載する。また4つのマイクを内蔵し音声認識や音声操作にも対応する。バッテリーは15000mAhだが駆動時間は90分とのこと。現時点では製品化の予定なども未定だそう。

ローラブルディスプレー搭載の左右スライド型スマホ 「Phantom Ultimate」

 TECNOは昨年9月にローラブルディスプレイを搭載したコンセプトモデル「Phantom Ultimate」を公表している。ディスプレーを折り曲げるのではなく、ロール式に巻き取ることで左右に収縮する伸びるスマートフォンだ。MWCの会場では実際に稼働する実機の展示を世界で初めて実施した。

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ローラブルスマートフォン「Phantom Ultimate」

 ディスプレーのサイズは6.55型。背面右側には縦に長い透明な窓が見えるが、ここはローラブルディスプレーが裏側に巻き取られる部分の一部を背面のサブディスプレーのように使える。本体を裏返しにしておいても時刻や通知などを表示しておくことができるわけだ。なおカメラの画素数は非公開。

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背面はサブディスプレーのようにも使える

 本体の厚さは9.93mm。この厚みの中にスライド機構とローラブルディスプレーを内蔵している。重量は不明だが、片手で持って特に重いと感じることはなかった。

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複雑な機構なのに厚みは10mmもない

 本体上部にはスライド機構のボタンがある。このボタンを押すと本体が左右に収縮する。なお途中の位置で止めることはできず、全締・全開どちらかで使うことになる。

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スライドタイプのボタン

 ローラブルディスプレーの巻き取り側を見てみる。巻き込まれる部分は大きな隙間は無いものの、製品化する場合はここからの異物の侵入を防ぐ機構が必要だろう。なお同様の機構を持つモトローラの巻き取りスマートフォンのコンセプトモデル「rizr」はこの部分をカバーで覆っている(「モトローラの巻き取りスマホ「rizrコンセプトモデル」を見てきた」)。

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本体左側のディスプレーが巻き取られる部分

 それでは本体を伸ばしてみよう。上部のボタンを押すか、画面上を指先三本で左にスワイプするとディスプレーが裏側から伸びてきて本体が左に拡張する。完全に開くまでの時間は1秒ちょっと。なお画面が消えているときはディスプレーは伸びず、画面点灯中のみ動作する。これは誤操作を防止するためだろう。開いたときのサイズは7.11型だ。

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ディスプレーが伸びると7.11型になる

 裏側から見るとどのように本体とディスプレーが伸びるかわかるだろう。ディスプレーの端はスライドする部分に固定されており、スライド部分の動きに合わせて収縮するわけだ。

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伸びた状態を背面から見る

 スムーズに動くスライド機構は十分実用性があると感じられたが、閉じたときに異物を挟み込んでしまう恐れもあり、そのあたりも製品化する際に必要そうだ。とはいえ実機を触った範囲では完成度が高く、あと少しの改善をすれば、ぜひ販売してほしいと思えるほどだった。今後のブラッシュアップに期待したい。

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隙間の処理など、製品化に向けての課題はある

スマホ新製品ももちろん登場 カメラ重視モデルの「CAMON 30 Premier」など

 MWCに合わせてスマートフォンの新製品も発表された。いずれも日本で販売される予定はないが、特徴的な機能を搭載しているので紹介しよう。

 「CAMON 30 Premier」はMediaTekのDimensty 8200 Ultraを採用。新しい画像処理システム「PolarAce」を搭載したカメラ強化モデルだ。PolarAceはソニー製ISP「CXD5622GG」、ソニーLYTIAコンポーネント、TECNO開発のマルチスキントーンイメージング技術「Universal Tone」とAIイメージング技術を融合したもの。チップセット内蔵のISPより優れた画像処理が可能とする。

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ソニーと開発した画像処理チップ&エンジンを搭載するCAMON 30 Premier

 背面デザインは高性能カメラフォンのトレンドである円形バンプを採用、カメラ下部をくぼませたアクセントを持つ外観にしている。カメラは広角/超広角/2倍望遠の3つでいずれも5000万画素、フロントカメラも5000万画素だ。なおCAMON 30はほかにも「CAMON 30 Pro」「CAMON 30 5G」とシリーズ展開されるが、いずれも同類のデザインコンセプトで仕上げている。

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特徴的な背面デザイン

 PolarAceの性能を活かしたAIカメラアプリも搭載されている。撮影した画像をその場でAI処理し、年齢や性別、背景を変えた写真を生成AIが自動的に作成してくれるもの。思いもよらぬ出来の写真ができるなど、撮影結果をシェアする楽しみがありそうだ。

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AIカメラでの作例

 続いて、「POVA 6 Pro 5G」はDimensity 6080登載のミドルレンジモデル。バッテリー容量は6000mAhと大きく、メインカメラの画素数は1億800万画素だ。

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ミドルレンジのPOVA 6 Pro 5G

 最大の特徴は「Dynamic-Tech Design」と呼ぶ背面の仕上げだ。光り輝く仕上げとなっており、中央部は同心円状に光を反射する。またカメラ右横の逆Yラインはライティングが可能で、210個のミニLEDが内蔵されている。着信や通知などに合わせて光らせることが可能で、108通りのパターンから選ぶことができる。

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ライティング可能な背面

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