【実機レビュー】M3搭載でMacBook Airはどれだけ進化したのか?(西田宗千佳)
ASCII.jp / 2024年3月7日 23時0分
M3を搭載した「MacBook Air」が3月8日に発売する。アップルはMacBook Airを「世界で一番人気のあるラップトップ」と呼んでいるが、単一機種での出荷量ということなら、確かに間違いなく世界一かと思う。
今回はどんな部分が変化したのか? 実機でのファーストインプレッションをお伝えしたい。
基本的には「プロセッサー変更」のみ
MacBook Airは、2022年6月にデザインの大幅なリニューアルをしている。2020年登場のモデルは「M1」、すなわちAppleシリコンへの移行がメインだったが、2022年6月登場の「M2」搭載モデルは、デザインも含めた新世代への大幅移行だったわけだ。その後、2023年6月に、同じくM2を搭載した「15インチ版」が登場する。
今回もデザインなどは、2022年のリニューアル版をベースにしている。だからデザインやインターフェースなどの変更はなく、プロセッサーだけがM2からM3に変わった……と言っていい。
ということは「性能がどれだけ変わったか」がポイントということだ。
今回のテストでは、筆者の手元にある「M1版MacBook Pro(メモリー16GBモデル、13インチ、2020年秋発売)」と、「M3 Pro版MacBook Pro(メモリー18GBモデル、14インチ、2023年秋発売)」を合わせて比較した。
手元に届いた試用機材は、「M3搭載・メモリー16GBの15インチモデル」だから、メモリー搭載量も同クラス。プロセッサーの種類が主な違い、といってもいい。
ベンチマークは以下の通りだ。M3 Proが速いのは当然だが、M1とM3の差もかなり大きい。
M3世代はGPUと機械学習コアであるNeural Engineの性能アップが顕著だ。だからベンチマークでも、その点での差が目立つ。
ポイントは「サイズ」「価格」「GPU」
ではどの製品がいいのか? 判断基準はシンプルだ。まず、サイズ。
今回試用したのと同じ15インチモデルはM2版が終売となり、M3版だけになる。これから買うならM3版一択だ。
次に価格。
ここではM2版も選択肢に入ってくる。M1版が終売となるので、M3版よりも2万円安価(14万8800円から)であるM2版は貴重な存在となる。
M2版を同タイミングで準備できていない関係上、シンプルに同じベンチマークで比較するのは難しいのだが、M1でも性能的には現役クラスなので、M2で困ることは少ないだろう。
ただし、GPUに依存する処理を多く実施する場合には別だ。
ゲームでいえば、「DEATH STRANDING DIRECTOR'S CUT」のフレームレートは、M1とM3の間で70%も違った。
M3 Proなどに手は出ないがGPUを使った処理を少しでも快適にしたいなら、やはりM3版がいい。
「2つの外部ディスプレイ」対応も重要な変化
そしてもう1つ、M3版を選ぶ理由として出てきたのが「外部ディスプレイとの接続」だ。
従来、M1版・M2版のMacBook Airでは、外部ディスプレイが「1台」しかつなげられなかった。本体+1で2台ということだったわけだが、その点を不満に感じる人は意外と多かった。
それに対しM3版のMacBook Airでは、「本体を閉じた状態では最大2台」に変わる。
「外付け2台なら、内蔵+外付けで合計2台と、大きく変わらないじゃないか」と考えることもできるが、大型のディスプレイを2台つけて、外付けのキーボードなとを併用して作業をしたい人にとっては、大きな変化と言える。従来そうした使い方は、M1 ProやM3 Proなどの「Pro以上」のプロセッサーを搭載した製品でないとできなかったのだ。
この点はやはり進化であり、外部出力を目的にMacBook Proを選んでいた人にとっては重要な変化だ。
実は「M3版MacBook Pro」ではこれまで、M1版やM2版と同じく「外付け1+内蔵1」だった。だがM3版MacBook Airの発売に合わせ、「外付け2」が可能なよう、後日ソフトウエアアップデートが実施されるという。
この辺も含め、どれを選ぶかを考えてみてほしい。
筆者紹介――西田 宗千佳 1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。取材・解説記事を中心に、主要新聞・ウェブ媒体などに寄稿する他、書籍も多数執筆。テレビ番組の監修なども手がける。主な著書に「生成AIの核心:「新しい知」といかに向き合うか」(NHK出版)、「メタバース×ビジネス革命 物質と時間から解放された世界での生存戦略」(SBクリエイティブ)、「ネットフリックスの時代」(講談社)、「ソニー復興の劇薬」(KADOKAWA)などがある。
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