ユーザー評価の高いJPRiDE「model i ANC」を手に入れた!
ASCII.jp / 2024年3月9日 12時0分
JPRiDE(ジェイピーライド)のイヤホン「model i ANC」が、家電批評誌でグランプリを受賞したというニュースが出た頃に、秋葉原のヨドバシカメラにいた。オーディオフロアのイヤホン売り場の店員さんにスマホの商品画面を見せて聞いたのだが、全く知らないし商品も置いていないとのことだった。
店頭にあれば速攻で衝動買いする気持ちで行ったのだが、見事に裏切られそれから忘れてしまっていた。それから何ヵ月かたった先月、昔からお世話になっているメディアの方から、一度使ってみてはとの話でメーカーから早速商品を送ってもらった。今回は例外的に「衝動買いできなかった!」アイテムの紹介だ。
オーディオには、デカいJBL4343Bを似つかわしくないウサギ小屋マンションの一室に置いていた1970年代からハマっていた。高校は軽音楽部で、今も細々とバンド活動をやってベースを弾いている。ここ20年ほどは大げさなオーディオからは足を洗い、リビングにはBang & OlufsenのCDが横一列に並んだお金持ち風オーディオにハマったが、これももうかれこれ数年は動かしたことがない。
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その後もっぱらオーディオ装置はモバイル系だったが、大好きだったBang & OlufsenのDAP(Digital Audio Player)「BeoSound 2」が壊れてしまってからは、もっぱらスマホで聴くのが日常となった。ワイアレスイヤホンもいくつか持ってはいるが、実は今も10年ほど昔のAKGの有線ケーブル式K3003を愛用中だ。
パッケージデザインに驚いたmodel i ANC だが序の口だった……
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今回紹介するJPRiDEのmodel i ANCは、パッケージからして筆者が過去購入したことのあるイヤホンのパッケージデザインから大きく逸脱した変態系だ。パッケージ正面は1970年代によく目にしたサイケデリック系バンドのステージの背景動画の様なイメージで、イヤホン本体より先にそっちに目がいってしまった。
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そしてパッケージの背面にはこれでもかと言うほど詳細に、おせっかいな音質設定(メイク)の名前が26種類も記載されている。後で取説をみて驚いたがこの「サウンドメイク」という名のプリセット音色の種類は、実は2倍以上の58種類だと知りサウンドメイクに賭ける同社の気迫に押し倒された。取説には「バカなのか?」という大きな文字のタグラインがあったが、「狂ってる!」というのが正直な印象だ。
パッケージを開けると製品コンセプトガイドのような小冊子とユーザーガイド以外にいろいろな印刷物がパラパラとたくさん出てくる。基本的にあまりマニュアルを読まない筆者だが、「12ヵ月メーカー正規保証」と「ご購入者様限定プレゼントキャンペーン」という2枚の名刺大の紙切れがやけに気になったが、取りあえずは使ってみることにした。
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ドキュメント関係以外の同梱品はmodel i ANCのペア、専用充電ケース、充電用のType-A・Type-C USBショートケーブル1本、イヤーピースは出荷時に装着済みのペアとサイズ違いの予備5ペアの合計6ペア。まずは充電を開始。充電時間は120分で約7.5時間の音楽再生が可能らしい(ANCオフの場合)。
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音楽を聴いている最中は左右のmodel i ANCイヤホンのタッチセンサー部分を指先タップや長押しで再生/一時停止、音量アップダウン、次曲・前曲へのスキップ、着信応答、通話終了、ノーマル・ANC・外音取込・風音軽減モードの切替など各種のアクションが可能だ。
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筆者は現在、model i ANCの他、Nothing Phone (2)を使っていた頃に同時に衝動買いしたNothing Ear (2)やGLIDiCのイヤホンを2種類ほど別々のスマホたタブレット、モバイルPC専用再生イヤホンとして愛用している。日常の登場回数の最も多いのはmodel i ANCと技術コンセプトの類似した音質変更がアプリで可能なNothing Ear(2)だ。
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Nothing Ear(2)は、専用アプリである「イコライザー」で聴力の劣化やお好みに応じた音質拡張設定で20Hz〜20KHzの音域でdBの±変更が可能だ。同様の対処を左右の聴力に細かく対応できる「AUMEO AUDIO」もこの聴力劣化補正の世界では老舗のヘッドホンアンプだ。
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今回紹介するmodel i ANCは、再生音のより良い音へのメイクではなく好きなサウンドへのメイクをするために、「Sound Make」と名付けられたアプリを使用することが前提だ。筆者が最近最も愛用しているモトローラのmotorola razr 40に導入すべく、Google Playからアプリのダウンロード、インストールをし、Bluetooth経由でペアリングした。ペアリングは8台までのデバイス情報を保持可能だ。
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サウンドメイクに凝りだすと何時間あっても足らない!
任意のスマートホンとペアリングを終えて完全充電済のmodel i ANCを充電ケースから取り出すと、スマホで起動中のSOUND MAKEアプリが自動的にmodel i ANCを見つけ、アプリ画面上に「接続されました」とメッセージが明示される。続いて「メイクする」をタップすることで、各種音楽ソースの再生音を自分好みに変更できる「メイク」画面に移動する。
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サウンドメイクページトップには「プリセット」「DRIVE」「MY-EQ」の3項目が横表示される。プリセットはメーカー提供の推奨設定で全部で58種類、DRIVEはプリセットの初期音圧レベルだ。Level4以上はかなりの音圧なので、ユーザーのスマホ出力と合わせて事前の確認調整が必要だ。右端のNY-EQはプリセットのサンプルから自分好みのプリセットを作っ、て固有のネーミングを設定して保存する場所だ。
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任意のプリセットを選択して上段の「メイク」をタップすることで、プリセット済の全ての周波数帯別の音圧設定を見ることが可能だ。音楽ソースを聴きながら、グライコをアップダウンしフィルタータイプを調整編集することで、きっと自分好みの設定に出会えるだろう。リセットしたければ「戻す」を押すだけだ。気に入ったマイプリセットができ上がれば、ユニークな名前を付けて保存すれば先ほどの「MY-EQ」に保存されていつでも呼び出すことができる。
今回は筆者の好きなサリナ・ジョーンズの「アントニオの歌」をAmazonミュージックで聴きながらプリセットの「VC-1:主役はボーカル」を選び、自分な好きなサウンドを変更編集してみた。そしてそのプリセットファイルに「サリナ・ジョーンズ」とアーティスト名を付けて保存した。これでサリナ・ジョーンズを聴く時は、マイプリセットを呼び出すだけでお気に入りの音楽環境で楽しめる。
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続いてちょっとマイナーだが、筆者の好きなロベン・フォードのアルバムに自分が聴きたい音に最も近いサウンドに変更してみた。「HR-1T:僕はヘビーロックしか聴かない(Tube)」をベースにイコライザーをいじって自分専用の「Robben Ford Boost」という名前で保存した。一度やってみるとマイ・フェイバリット・サウンドのメイクは極めて簡単で朝令暮改的にできるのがうれしい
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ついつい調子に乗ってデビューした頃から大好きなヘビーメタルロックグループのアイアン・メイデンのマイ・フェイバリット・サウンド・プリセットもメイクしてみた。アルバムごとに個性が強くミキシングや音質の傾向も違うことの多いバンドなのでメイクがより楽しい。
今回やってみたのは通常のCDである「A Matter of Life and Death」の「Different World」とYoutubeのネット上にある「Different World」の両方を何度も聴き比べて最高のメイクができたと思ったら、同じグループの同じ曲でもメイクは2種類になってしまった。こういう変態的な結果も極めて楽しい。
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サウンドメイクは凝りに凝ってくると何時間あっても足らない感覚になってくる。しかし同時にこの世界はとことん突き詰めて見ることも時には重要だ。クラシックも嫌いではない筆者だが、まだまだこだわりと経験が不足しており、モーツアルトの交響曲「ジュピター」は「CL-1W:クラシック(ウォーム)」をベースにして一発変更ですぐに満足してしまった。
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今回はmodel i ANCを手に入れてまだ時間が経ってなかったのでAmazon Prime Musicやスマホの中のデジタルミュージック(通常はVLCで再生)、Dropbox上に保管している自分たちのバンドの音楽データなどの20曲くらいを聴いて、メイクをやってみた。Amazon Prime Musicではリアルタイムで聴きながらプリセットを切り替えたりメイク可能で超便利で楽しい。
残念ながらスマホ内部ストレージやDropbox上のミュージックソース、YouTubeのコンテンツではメイク時に再生がストップしてしまって、メイクのビフォーアフターのサウンド特性の記憶力が試されてしまうちょっと惜しい結果だった。やはり普段から耳の記憶訓練と鍛錬は重要だ。
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「フラット」という音響環境を知ることが重要だと考えていたオーディオマニアだった筆者は、1970年〜1990年頃は音楽を楽しむことより「良い音」で聴きたいという欲望が強かった。40年前には10万円のキットオーディオと300万円のコンポーネント・オーディオの世界では、その音質には極めて大きな隔たりがあった。しかし音響技術は大きく進化し「良い音」「悪い音」の幅は限りなく縮小しているのが現実だ。
人間中心のダイバーシティ社会の到来と共に、音楽も極めてパーソナルに楽しむ主観的なモノだという意識が普通になって来た。model i ANCの出現は極めて個人差のある「好きな音」という最も大事な要素を再認識させてくれる令和時代のヒューマンデバイスだ。今は昨年末に大阪でやった我々のライブの録音を、より楽しい自分風のミュージックに仕立て上げるべく日々サウンドメイクを楽しんでいる。
![T教授 T教授](https://ascii.jp/img/2011/06/22/1511551/x/f5fe44986d09d330.jpg)
今回の衝動買い
・アイテム:JPRiDE「model i ANC」 ・価格:1万2999円
T教授
日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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