サム・アルトマンの虹彩認証仮想通貨「Worldcoin」にスペインが一時停止命令
ASCII.jp / 2024年3月8日 19時10分
スペインのデータ保護機関Agencia Española de Protección de Datos(AEPD)は3月6日(現地時間)、仮想通貨「Worldcoin(WLD)」を展開するTools for Humanityに対し、同国での個人データの収集と処理の停止と、すでに収集されたデータのブロックを進める予防措置を命じたと発表した。
![AEPDロゴ](https://ascii.jp/img/2024/03/08/3698886/x/18ff7b1175eea276.png)
虹彩認証で仮想通貨を得られる仕組みがEUの規則に抵触か?
Tools for Humanityは、OpenAIのサム・アルトマン氏らが創業したテック系企業。Worldcoinは同社が2023年にサービスを始めた仮想通貨で、ユーザーが仮想通貨を受け取る際、目の虹彩をスキャンする点が特徴だ。
AEPDは命令に至った経緯として、未成年からのデータ収集、同意の撤回が許可されていないなど、同社に関する複数の苦情がAEPD宛に寄せられていたと説明。その上で、本命令はEUの「一般データ保護規則(GDPR)」に基づく、適切な暫定的措置だとしている。
ユーザーへの説明の仕方や、取得したデータの扱い方に関する命令ということもあってか、対象となるデータも「生体認証データ」全般と幅広い。虹彩のスキャンをやめて、指紋や顔など別の生体認証方式へ変更しただけでは、問題が解決したとはみなされないということだ。
本命令の有効期間は最大3ヵ月。Tools for Humanityが命令に従わなかった場合、同社は最大で年間売上高(全世界分)の4%に当たる金額の罰金を科せられる可能性がある。
一方、Worldcoinも3月6日(現地時間)、本件に関する声明を公表。WorldcoinのサービスはEU全体のGDPR主任監督局を務める「ドイツ・バイエルン州データ保護局(BayLDA)」の監督下で運営されていること、BayLDAの要求にも定期的に対応してきたこと、AEPDに対しても正確な情報を提供する努力を続けてきたが何ヵ月も返答がなかったことなどを挙げ、反論している。
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