ロレックス風カメラデザインを取り入れたスマホ「realme 12 Pro+ 5G」は高級感あふれる仕上がり
ASCII.jp / 2024年4月6日 12時0分
スマートフォンメーカーのrealme(リアルミー)は、2021年4月に日本に参入し、モバイルバッテリーやスマートバンドなど数製品を発売したものの、現時点では国内での動きは止まっている。しかし、海外では着々とスマートフォンの販売台数を増やしており、新興国を中心に人気メーカーとなっているのだ。
今回はグローバル向けに投入された高性能カメラモデル「realme 12 Pro+ 5G」をテストした。
◆当初はOPPOのサブブランドだったが、その後に独立し 大手メーカーの仲間入りを果たしたrealme
OPPOのサブブランドとして2018年に誕生したrealmeは、その後、独立したメーカーとなり、新興国を中心とした製品展開をしている。2024年1月、ラスベガスで開催されたCES 2024に合わせてメディア向けに新製品説明会が行なわれ、realme 12 Pro+ 5Gの実機が披露された。
realmeは2023年に総出荷台数が2億台を突破し、名実ともに大手メーカーの仲間入りを果たした。当初はコスパを重視した低価格モデルを中心とした展開をしていたが、今ではハイエンドモデルも揃える総合的なスマートフォンメーカーになっている。INFOBARのデザインで知られている深澤直人氏をデザイナーに起用したり、世界最速240Wの急速充電モデルを投入してきた(世界最速! 240W充電スマホ「realme GT3」はなんと9分半で満充電可)。
5年と2億台のマイルストーンに到達したことから、企業スローガンも従来の「Dare to Leap Dare」(臆することなく・飛び越える)から「Make it real」へと変更する。従来の精神を継承しながら、ターゲット層である若い世代の生活に沿った製品開発をより強化することでブランド力を高めていく戦略だ。
製品のラインナップも特徴を明確にしていくという。現在realmeのグローバルモデルは「GT」「数字」「C」と3つのラインナップがあるが、それぞれの製品特徴をより明確にする。
GTシリーズはゲーミングモデルという見方もされてきたが、高パフォーマンスに加え最新のテクノロジーを搭載する。前述した240W充電対応モデル「realme GT3」もGTシリーズだ。数字シリーズは今回発表されたrealme 12 Pro+ 5Gなどであり、イメージングに特化したカメラ強化モデルとする。
そして、Cシリーズはコストパフォーマンスを高めながらもデザインにも優れた、若い世代の日常ツールを目指す。
◆スペックはミドルだが、カメラはハイエンドクラス
最新モデルのrealme 12 Pro+ 5GはチップセットこそクアルコムのSnapdragon 7s Gen 2であり、ミドルハイレンジクラスの製品だ。しかしカメラは5000万画素に加え6400万画素の3倍望遠も搭載。どちらも光学手振れ補正に対応する。さらに超広角カメラとして800万画素も搭載している。
メインカメラの画素数だけでいえば2023年モデルの「realme 11 Pro+」が2億画素を搭載するが、高解像度な望遠カメラは非搭載。realme 12 Pro+ 5Gのカメラ構成は大手メーカーのハイエンドモデルにも匹敵するぜいたくな組み合わせだ。
さらに背面仕上げに高級感をもたせるために、高級腕時計デザイナーのオリヴィエ・サヴェオ氏との協業も発表した。同氏はロレックスなど著名な腕時計のデザインで協業をした経験があり、realme 12 Pro+ 5Gのカメラバンプ部分のローレット処理などにそのエッセンスを融合させている。
◆高級品を思わせる背面デザイン
ではrealme 12 Pro+ 5Gの実機を見てみよう。ディスプレーは6.7型2412 x 1080ドット、120Hz駆動で3200万画素のフロントカメラを搭載する。ディスプレーは左右の角を丸めたエッジデザインだ。なおバッテリーは5000mAhで67Wの急速充電に対応する。
背面はヴィーガンレザーで左右から覆い、中央で留め合わせたようなデザインとしている。センターを走るゴールドのラインもプレミアム感を高めてくれる。シルキーな触感は本革まではいかないものの、肌触りも優しくカメラとして使うときのホールド感もとても良い。カラーバリエーションはブルーとベージュの2色である。
カメラバンプを覆う金属リングは、CNCによるマシンでカットで300のラインが精密に削られている。金属の質感も高く、手で触れてみると質感も心地よい。思わずベゼルのように回してしまいたくなるような、腕時計をインスパイアしたデザインである。
本体サイズは約74×161.5×8.8mm、重さは196gだ。カメラバンプのでっぱりは多少あるが、デザイン性が高いためあまり気にならない。また、望遠カメラを3200万画素、光学2倍にした「realme 12 Pro」も一部の国で販売される。
今回は発表会での試用のため、10分程度しか操作できなかったが、本体のパフォーマンスはチップセット相応であり、ハイエンドゲームをプレイしない限り不満が出ることは少なそうだ。インドでの価格はメモリー8GB、ストレージ128GBの構成で約3万ルピー、約5万4000円となっている。
カメラは室内で簡単にしかテストできなかったので、参考までに簡単な作例を掲載しておく。6倍のデジタル望遠も十分使い物になるだろう。20倍では全体の構図が縮小表示されるため、遠くのターゲットを撮影しやすくなるが、画質はかなり粗い。実用性を考えると10倍以下までが現実的だ。
【まとめ】カテゴリーを明確にしたことで キャラクターがわかりやすくなった
realmeはもともと、シャオミのコスパモデルである「Redmi」シリーズの対抗モデルとして登場した。そのRedmiも中国ではSapdragon 8 Gen 3を搭載するハイエンドモデルを出すなど、シャオミのメインシリーズとは別のラインとして製品数を増やしている。
realmeは3つの製品カテゴリを明確にしたが、ライバルは他社のハイエンドモデルではなくそれより下、ミドルハイレンジ、ミドルレンジ、エントリークラスの製品になるだろう。シャオミのRedmiシリーズの中でも売れ筋のモデルに真っ向からぶつかる製品を出すことで、realmeはさらなる製品出荷数を伸ばそうとしているのだ。
日本でrealmeのスマートフォンを見かけることはほぼないだろうが、海外で目にしたときは「GT」「数字」「C」それぞれのモデルにぜひ触れて、性能や品質を体験してほしい。
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