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Nothing EarをAirPods Proと対決レビュー! スタイリッシュなだけじゃなかった

ASCII.jp / 2024年4月26日 18時0分

Nothingが発売したノイズキャンセリング機能搭載のワイヤレスイヤホン「Nothing Ear」

 イギリスのテックブランド、Nothingがワイヤレスイヤホンの最新モデル「Nothing Ear」を発売しました。アップルの「AirPods Pro」と比べながら、本機の音質や機能の特徴をレビューします。

2万円台で買えるスタイリッシュで多機能なNothing Ear

 Nothing Earはノイズキャンセリングと外音取り込み機能を搭載し、専用アプリにはユーザーの聴こえ方に合わせたパーソナライゼーション、音を細かく好みに合わせて調整できるオーディオイコライザーなどが揃っています。今回のモデルからハイレゾワイヤレス再生が楽しめるLDACのオーディオコーデックもサポートしました。

 さらに、6月に予定するソフトウェアアップデートを済ませてからNothingのスマホにNothing Earをペアリングすると、イヤホンからChatGPTを呼び出してAIチャット機能も使えるようになります。

Nothing EarはアップルのAirPods Proよりも17000円安く、堂々の多機能イヤホンです

 Nothingの直販サイトでは本機を2万2800円で販売しています。アップルのAirPods Proは3万9800円とやや高価なワイヤレスイヤホンなので、多機能でスタイリッシュなNothing Earがお買い得に感じられてしまいます。

バランスの良さをキープ。しかも「楽しい音」になった

 Nothingは2023年7月にノイズキャンセリング機能を搭載する「Nothing Ear (2)」というワイヤレスイヤホンを発売しました。筆者はひとつ前の世代の「Nothing Ear (1)」も試していますが、サウンドに関しては「バランスは良いけれど無難」な印象を持っていました。音楽リスニングはエンターテインメントなので、もっと感情を揺さぶるような音づくりを探求してほしいなぁと、その当時はもの足りなく感じていました。

 ところが新製品のNothing Earは、活き活きとした個性的なサウンドを楽しませてくれるイヤホンになっていました。音の心臓部であるドライバーを改良したことが大きく効いているようです。Ear (2)にも大口径11ミリのダイナミック型ドライバーを搭載していましたが、振動板ドーム部のコーティングが「ナノ炭素素材のグラフェン」から、Nothing Earでは「セラミック」に変わりました。グラフェンコートは高音域の再現力を高める効果をもたらすと言われていますが、Ear (2)は引き換えに音楽の線がやや細く痩せている印象を筆者は受けました。

 Nothing Earはセラミック振動板を採用したことにより、サウンドの輪郭線がシャープに、そして太く力強く描かれるようになりました。音場の豊かな広がりも感じられます。引き換えに少し高音域が固くなった印象もありましたが、イヤホンを長時間使い込むほどに音の響きが柔らかくなった手応えを得ています。

Nothingのイヤホンのサウンドが一皮むけていました

 Amazon Music Unlimitedで、デヴィッド・ボウイの楽曲『Starman』を試聴しました。イヤホンはGoogle Pixel 8にペアリングして、オーディオコーデックはハイレゾ対応のLDACを選んでいます。

 冒頭ではアコースティックギターによるコード(和音)のカッティングが小気味よくジャキジャキっと刻まれ、ふんわりとリッチな余韻を響かせます。ほどなくして、力強いボーカルが前のめりに浮かび上がってきました。エレキギターのエネルギッシュな高音を、艶やかなストリングスのハーモニーが包み込むコントラスト感もNothing Earは丁寧に描いてみせます。ドラムス、ベースのリズムはタイトで粘り強く、確かな安定感があります。Nothing Earは生演奏の躍動感を楽しませてくれるイヤホンです。

Android版のNothing Earアプリ。フィッティングテストやオーディオEQなど充実した機能を搭載しています

アクティブ・ノイズキャンセリングやリモコンの安定感は AirPods Proに軍配

 アクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)の消音効果は、AirPods Proの方が「雑音を消す力」についてはやや上手であると感じました。Nothing EarのANCも十分にパワフルだし、音楽リスニングとのバランスを崩さない自然な消音効果は好感触です。モバイルアプリの「Nothing X」から「イヤーチップのフィットテスト」はしっかりと試しておくことをおすすめします。筆者はLサイズのイヤーピースが一番耳にフィットして、ANC効果が最大化されました。

直感的な操作で好みのサウンドバランスを探せるオーディオEQの機能

 Nothing Earには外音取り込み機能もあります。環境音の聞こえ方も自然です。ANCと外音取り込みはアプリ、または左右イヤホンのリモコン操作により切り替えます。スティック部分先端のセンサーを指で「つまむ」ジェスチャーでリモコンを操作するのですが、リモコンの反応はAirPods Proの方が安定しています。比べてしまうとNothing Earはややレスポンスが遅く、ANCと外音取り込みを切り替えた時の操作音がわかりにくと思います。違う操作音が選べる機能を追加してほしいです。

 Nothing Earはクリアパーツをあしらったイヤホン本体とケースに、デザインのテイストを合わせたスタイリッシュなアプリまで世界観が良い意味で尖っているワイヤレスイヤホンです。音質・デザイン・機能は充実しているし、2万2800円という価格に対するコストパフォーマンスの良さを筆者も実感しました。AirPods Proには空間オーディオ再生時のダイナミックヘッドトラキングのような、iPhoneと一緒に使うとさらに充実する機能も揃っていますが、スタイリッシュなイヤホンで手軽にいい音を楽しみたい方にはNothing Earもおすすめします。

     

筆者紹介――山本 敦  オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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