14900KF&RTX 4070 SUPERの静音ゲーミングPCはFFXIV: 黄金のレガシーでも快適4Kプレイ!?
ASCII.jp / 2024年5月3日 10時0分
サイコムのBTOパソコン「Silent-Master NEO Z790/D5
」は、ゲームプレイ中でも図書館より静かなゲーミングPCだ。前回はそのキモとなる静音PCパーツを中心に紹介したが、今回は性能について定番ベンチマークでチェックする。
なお、試用機は標準構成から、CPUを「Core i9-14900KF」、ビデオカードはサイコム独自の静音モデル「Silent Master Graphics RTX4070 SUPER 12GB」にカスタムしている。
果たして、40dB未満の静音動作で、これらの性能をフルに引き出せるものなのか。特にCPUは24コア/32スレッドのハイエンドモデルだけに、温度が気になるところ……。
図書館よりも静かなゲーミングPCの性能に迫る
![14900KF&RTX 4070 SUPERの静音ゲーミングPCはFFXIV: 黄金のレガシーでも快適4Kプレイ!?](https://ascii.jp/img/2024/04/30/3726074/x/5d684404f943a569.jpg)
PL1設定は標準の125Wでもサーマルスロットリング とはいえ、ほんの一瞬なので160W設定もアリ?
まずは「CINEBENCH 2024」で、Silent-Master NEO Z790/D5のCPU性能とその温度をチェックしてみよう。CGレンダリングを実行するベンチマークソフトだ。テストは全コアを使用する「Multi Core」と、1コア運用時の性能を測定する「Single Core」の2つ。
どちらも「pts」という単位で、この数値が高ければ高いほど、性能が高いCPUとなる。デフォルトの10分間負荷をかけてからスコアーを算出するモードで、3回以上実行した。その中で最もスコアーが高かった結果が下記だ。
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結果はMulti Coreが1751pts、Single Coreが133pts。Power Limit(以下、PL)の設定が無制限なら、Core i9-14900KFはMulti Coreは2000ptsを超える。ということは、Silent-Master NEO Z790/D5ではなんらかの制限がかかっているということになる。
そこで、PLを確認してみると、短時間の電力制限となるPL2は253W、定常的な電力制限となるPL1は125Wだった。これはインテルの推奨設定値なので、製品としては何ら問題のない値だ。電力効率的にも無制限設定よりいい。
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とはいえ、動画エンコードなどの高負荷な作業を高速化したい場合、Power Limitの値を上げて性能アップを図りたい人もいるだろう。しかし、Silent-Master NEO Z790/D5の魅力は、あくまで静音性と性能のバランスにある。
PC自作だと、デフォルトのPower Limitは無制限設定の場合が多いが、近年のハイエンドCPUは360mmラジエーターの簡易水冷クーラーでも手を焼くことがある。必然、ポンプやファンを高回転で稼働せねばならないシーンも増え、当然動作音は大きくなる。
そういった意味では、本機のインテル推奨設定は静音動作を妨げない制限と言える。とはいえ、CPU温度がずっと上限の100度に張り付き……なんてことになっていたら困る。冷却不足ならサーマルスロットリングに入り、性能がフルに発揮できないからだ。
そこで、CINEBENCH 2024実行中のCPU温度をチェックしてみた。Multi Coreテスト終了直後の様子がこちらだ。
![14900KF&RTX 4070 SUPERの静音ゲーミングPCはFFXIV: 黄金のレガシーでも快適4Kプレイ!?](https://ascii.jp/img/2024/05/01/3726707/x/d168f6a4a36a3ff2.png)
CPU温度(Core Tempertures)は最大96度。サーマルスロットリングも発生していた。とはいえ、これはあくまで短時間(PL2動作)の話。PL1に移行した後は平均71度とあるように、空冷CPUクーラーでもかなり余裕のある状態になっていた。
ここまで余裕があるなら、もう少しPL1の制限をゆるくして性能アップを図っても大丈夫なのでは……と考え、UEFI BIOSでPL1を160Wまで上げてみた。
![14900KF&RTX 4070 SUPERの静音ゲーミングPCはFFXIV: 黄金のレガシーでも快適4Kプレイ!?](https://ascii.jp/img/2024/05/01/3726708/x/66ce808f6e9adc00.bmp)
なお、本機のマザーボードでは、PL1の値を上げるとCPUクーラーのタイプが水冷クーラーに自動変更された。大きな影響はないと思われるため、気にせず再度CINEBENCH 2024を実行した。
![14900KF&RTX 4070 SUPERの静音ゲーミングPCはFFXIV: 黄金のレガシーでも快適4Kプレイ!?](https://ascii.jp/img/2024/05/01/3726710/x/64213580287cddeb.png)
Multi Coreテストは1855ptsと、割合的には6%ほど上昇したことになる。そして、終了直後のCPU状態がこちら。
![14900KF&RTX 4070 SUPERの静音ゲーミングPCはFFXIV: 黄金のレガシーでも快適4Kプレイ!?](https://ascii.jp/img/2024/05/01/3726709/x/1826176e3cc86c3e.png)
CPU温度は最大100度、平均温度は88度まで上昇した。PL1=125W設定のからかなり上がってしまっているものの、CINEBENCH 2024のスコアーは伸びているので、結果オーライといったところだろう。
とはいえ、まったく性能が変わらなかったSingle Coreテストの結果が示す通り、負荷が低いシーンではPL1の値が与える性能への影響は薄まる。サイコムの標準設定のまま使ったほうが無難だろう。
重くなったFFXIVの最新ベンチマークでテスト WQHDなら最高画質でも最高評価だが、4Kは……
実際のゲームに近いベンチマークソフトも試してみよう。まずは、「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」(以下、FFXIVベンチマーク)から。 このベンチマークソフトは、この夏に公開される最新アップデート(黄金のレガシー)に対応したもの。解像度設定ではAMD FSRやNVDIA DLSSといったアップスケーリング機能が選べるようになった点が特徴だ。
![14900KF&RTX 4070 SUPERの静音ゲーミングPCはFFXIV: 黄金のレガシーでも快適4Kプレイ!?](https://ascii.jp/img/2024/05/01/3726711/x/0bbdbe832f879e8d.png)
最新アップデートでは画質がリッチになってやや重くなったとはいえ、そもそもFFXIVのジャンルは比較的軽めなMMORPGだ。GeForce RTX 4070 SUPER搭載ビデオカードであれば、最高画質でWQHD(2560×1440ドット)はもちろんのこと、4K(3840×2160ドット)も狙いたいところ。
そこで、画質はプリセットの最上位となる「最高品質」、表示は「フルスクリーン」を選択。まずはアップスケーリング機能を使わない設定で検証した。
![14900KF&RTX 4070 SUPERの静音ゲーミングPCはFFXIV: 黄金のレガシーでも快適4Kプレイ!?](https://ascii.jp/img/2024/05/01/3726712/x/c681880891b52e3c.png)
WQHD時のスコアーは20533で、評価は最高の「非常に快適」。平均フレームレートは143.78fps、最低フレームレートでも85fpsと高く、間違いなく快適に遊べるだけの実力がある。
なお、FSRと表示されているが、「3Dグラフィックス解像度スケール」の設定は「100」。つまり、実質はアップスケーリングしていない状態だ。続いては4Kの結果。
![14900KF&RTX 4070 SUPERの静音ゲーミングPCはFFXIV: 黄金のレガシーでも快適4Kプレイ!?](https://ascii.jp/img/2024/05/01/3726713/x/14aaecb0990d89e8.png)
10049スコアーで評価は「快適」。フレームレートは平均71.02fps、最低43fpsとさすがにWQHD時よりも苦戦していた。MMORPGは最低30fpsを超えていれば遊べるレベルではある。しかしながら、スムーズなプレイとなると、最低60fpsは超えてほしい。
となると、頼みはFSRとDLSSだ。これらはいわゆるアップスケーリング機能で、実際の解像度よりも低解像度で画面を描画し、高解像度化できる。処理データを大幅に減らせるため、フレームレートの向上が期待でき、画質も大きく落とさずに済む機能だ。
では、DLSSの結果から見てみよう。
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スコアーは10947と伸びたが、評価は変わらず「快適」のまま。とはいえ、フレームレートは平均75.87fps、最低50fpsと着実に上昇していた。4K快適プレイまであと1歩というレベルだ。
続いては、FSR。こちらは設定で「3Dグラフィックス解像度スケール」をいじることで、スケーリングの度合いを変えられる。 まずは画質の落ち込みが少ない「90」で試してみたが、スコアーは10567と微増。最低フレームレートも47fpsと効果が薄かったので、「80」に変更した。
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12599スコアー、評価は「とても快適」、最低フレームレートは58fpsと大幅にアップ。もちろん、疑似的にスケーリングしているので、素の4K設定と比べれば、画質はやや落ちる。しかし、FSRをうまく使えば、4K快適プレイも視野に入ると言っていいだろう。
14900KF&RTX 4070 SUPERなので総合性能も当然優秀
高性能な静音PCとなれば、ゲーム以外の目的でも使いたくなるだろう。そこで、総合性能を測れる2つのベンチマークテストを試してみた。まずは定番の「PCMark 10」から。
アプリの起動時間やビデオ会議、ブラウザーの利用といった一般用途での性能を見る「Essentials」に、表計算やワープロといったオフィス利用での性能を見る「Productivity」。動画や写真編集、レンダリングといったクリエイティブ用途の性能を見る「Digital Content Creation」といった、3つのサブスコアーにも注目したい。
![14900KF&RTX 4070 SUPERの静音ゲーミングPCはFFXIV: 黄金のレガシーでも快適4Kプレイ!?](https://ascii.jp/img/2024/05/01/3726716/x/ccfecef1465f36e6.png)
総合スコアーはギリギリ1万には届かなかったものの高レベル。サブスコアーも軒並み高く、どんな用途でも快適に使えるだけのポテンシャルがある。
お次は「CrystalMark Retro」。こちらは総合(All)のほか、CPUやストレージ、GPUの個別性能もスコアーで示してくれる。
![14900KF&RTX 4070 SUPERの静音ゲーミングPCはFFXIV: 黄金のレガシーでも快適4Kプレイ!?](https://ascii.jp/img/2024/05/01/3726717/x/a1ce3679f0eacb42.png)
総合は32578スコアー。ストレージは同じで、Ryzen 5 8600G&GeForce RTX 4060構成のPCの総合スコアーは21449だったので、かなり優秀と言える。自分のPCとの性能比較に役立ててほしい。
まとめ:静かに使える高性能ゲーミングPCが欲しい人は必見
今回の試用機材は14900KF&RTX 4070 SUPERとかなり高価な構成(約38万円)にしたが、標準構成(14600K&RTX 4060 Ti)なら28万円弱になる。正直、その構成でも多くのゲームタイトルを快適かつ静かに遊べるはずだ。
空冷クーラーの静音PCだと、「ふだんは静かだけど、高負荷時はうるさくなるやつでしょ?」と勘繰る人もいるだろう。しかし、Silent-Master NEO Z790/D5なら、高負荷時でも図書館よりも静かに運用できる。
特にサイコムの独自ビデオカード「Silent Master Graphicsシリーズ」は、高負荷時でも動作音がほとんど大きくならない。これだけ静かであれば、同居人に迷惑がかかることもないだろう。気遣いフリーで使える高性能PCを探している人にオススメしたい1台だ。
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