【レビュー】最先端を凝縮! 9万円台から買えるM2「iPad Air」が全方位に快適だった
ASCII.jp / 2024年5月14日 6時0分
Apple M2チップを搭載する最新のiPad Airを、5月15日の発売日に先駆けて試すことができました。新しいiPad AirとApple Pencil Pro、キーボードなどこれから購入を検討する際に気をつけるべきポイントなどもまとめながら先行レビューします。
9万円台からiPadの最先端に触れられるAir
今回、筆者が借りたiPad Airは11インチのWi-Fi+セルラーモデルです。カラーはブルー。ストレージ容量は512GB。
ブルーは少しくすんだ落ち着いた雰囲気の色なので、男女を問わず、ビジネスとカジュアルどちらの服装でも合わせやすいと思います。
11インチのモデルは外形寸法、重さともにM1チップを搭載する第5世代のiPad Airから変わっていません。今回は試していませんが、13インチの大きなiPad Airも初めて登場します。
実機を借りてから数日試した印象ですが、基本的にiPad Airは従来モデルのフィーリングを継承しつつ、Apple Pencil Proとの組み合わせで実現する新しい機能を巧みに取り込んでいました。フラグシップモデルであるiPad Proのエッセンスを注入した、完成度の高いiPadのハイエンドモデルです。
11インチのiPad AirはWi-Fiモデルを選び、基本スペックのままであれば9万8800円から買えます。コンパクトで可搬性能が高く、ビジネスやデジタルクリエーション、エンターテインメントまで幅広い用途に活躍する「お買い得なiPad」として、長年のiPadユーザーから、初めてのiPadユーザーにも本機をおすすめします。
新iPad Airは「Apple Pencil」「キーボード」に注意
これから新しいiPad Airの購入を検討する方には、前世代のiPad Airから久しぶりの買い換え/買い増しに、あるいは“無印”iPadからのアップグレードになる方も少なくないと思います。M2搭載iPad Airを選ぶ際に、「アップル純正アクセサリーの準備」について気に留めておきたいポイントが大きく2つあります。
ひとつはApple Pencilです。手書き入力をよく使う方はApple Pencilが必須アイテムです。M2搭載iPad Airは新しい「Apple Pencil Pro」または「USB-CのApple Pencil」に対応しています。第2世代のApple Pencilとは互換性がありません。反対も然り。M4搭載iPad Pro、M2搭載iPad Air以外のモデルで、Apple Pencil Proを使うことができません。
もうひとつはアップル純正キーボードです。既発売のiPad用Magic Keyboardが、それぞれM2搭載の11インチ、13インチのiPad Airでも利用可能です。薄型のSmart Keyboard Folioも同様、M2搭載iPad Airの11インチ、13インチに対応しています。筆者のようにiPadでペンシルとキーボードの両方を活用する方の中には、iPadに装着したままペン書き作業に移行できるSmart Keyboard Folioを愛用する方も多いと思います。
今回はM2搭載iPad Air用のSmart Folioカバーも借りて試しました。iPadの背面にマグネットを固定する箇所が2つのポジションから選べるようになりました。動画鑑賞やビデオコールの時に便利です。Smart Folioカバーと打鍵感が好みに合うBluetoothキーボードやマウス、トラックパッドをiPad Airに組み合わせる方法もアリです。新しいSmart Folioカバーは第4世代、第5世代のiPad Airでも使うことができます。
Apple Pencil Proの「触感フィードバック」が実用的
Apple Pencil Proの使い心地をレポートします。USB-CのApple Pencilは価格もお手頃で良いのですが、やはりiPad Airの磁気コネクタに装着するだけでペアリングと充電ができるApple Pencil Proが筆者のおすすめです。
Apple Pencil Proのサイズや重さは、アップルが発表しているスペックを見る限りでは第2世代のApple Pencilと変わっていません。筆者は最初に手に持ったときにはProの方がほんのわずかに重く、そのぶん筆記に安定感が増すような手応えがありました。一日中使って、慣れてくると第2世代のApple Pencilと何も変わっていない感じがしてきました。
交換式のペン先は新旧互換性のあるパーツです。従ってiPadのディスプレイに筆を走らせる感覚は同じだと思います。使い心地は「触感フィードバック」が加わることによって大きく変わります。
Apple Pencil Proには、本体のフラットになっている側面を指で押し込んで、新しいユーザーインターフェースの「パレット」などを表示する「スクイーズ」や、ペン先の回転操作を認識する「バレルロール」という新しい操作方法が加わりました。筆者はスクイーズやダブルタップによる操作を正しく認識したことを、ペンが指先に振動を返して伝えてくれる「触感フィードバック」が気に入りました。
ただ試した結果、ペンシルの触感フィードバックが不要、または苦手という方もいると思います。Apple Pencilの設定から触覚やホバー、新しく追加された「ツールのプレビュー」「シャドウ」などのエフェクトをオフにもできます。それぞれオフにすると第2世代のApple Pencilと変わらない使い心地になります。
「iPadの書き味」については、以前からiPad Proだけが搭載するProMotionテクノロジーの有無に影響するところが大きいと筆者は思います。画面のリフレッシュレートを向上するProMotionテクノロジーにより、Apple Pencilによる描画の際にペン先のレスポンスが良くなります。イラストや製図の作業を中心にiPadを使い倒す方は「違い」が実感できると思います。購入検討時にはiPad AirとiPad Proの書き味の違いを入念にチェックした方がよいと思います。
動画や音楽再生も快適な11インチ
iPad Airは、映画や音楽、テレビ番組の見逃し配信が見られるアプリなど、オーディオ・ビジュアルエンターテインメントを楽しむプライベートスクリーンとしても最適なデバイスです。11インチのiPad Airはプライベートルームにキッチンカウンター、旅の共として持ち出すシーンで大活躍するサイズ感です。もっと腰を据えてiPadによるコンテンツ鑑賞を楽しみたい方には、横向きステレオスピーカーが「2倍パワフル」な13インチのiPad Airもおすすめです。
コンパクトな11インチのiPad Airは電子書籍コンテンツを読む際にも適していると思います。マンガは2ページ見開きのコマがダイナミックに表示できて迫力があります。
iPad Airをデスクサイドに置くと、Apple Musicによる音楽再生をタッチ操作でサクサクと選べて快適です。Beatsの新しいヘッドホン「Beats Solo 4」はiPad AirにUSB-Cケーブルで直結すると、Apple Musicで配信されている最大48kHz/24bitのロスレス楽曲がより高品位に再生できます。Bluetooth再生による音質との聴き比べも楽しめると思います。
ビジネスシーンでもiPad Airが活躍する
iPad Airはビジネスシーンで活躍するタブレットとしても進化を遂げていました。ディスプレイ側の超広角フロントカメラは、iPadを横に構向きに置いたときに上部センターの位置になるようにレイアウトを変更しました。センターフレームの機能を併用しながら、ビデオコールの時にカメラ目線が合わせやすくなっています。
iPad Airのセキュア認証は電源ボタンを兼ねるトップボタンに内蔵されたTouch IDです。iPad Airをバッグなどから取り出した瞬間、トップボタンに指紋を登録した指をタッチするだけで、素速く画面ロックが解除される使い心地に慣れてしまうと、Face IDも面倒に感じられることが筆者にはあります。
Apple M2チップを搭載したことで、よりパワフルになったiPad Airはビジネスパーソンにクリエイター、学生など幅広い層のユーザーの創造力や生産性を高めてくれるデバイスです。初めてのiPadを手に入れたい方や、久しぶりにまたiPadを本格的に使うことを検討している方にも、この最新のiPad Airをイチオシします。
筆者紹介――山本 敦 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。
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