デノン、安価にステレオペアを組める「DENON HOME 150 NV」を発売、ネットワークスピーカーの新製品
ASCII.jp / 2024年5月22日 11時0分
デノンは5月22日、HEOS搭載のネットワークスピーカー「DENON HOME 150 NV ST」を発表した。総合オーディオメーカーのデノンが取り組むワイヤレスオーディオシステム。Bluetoothやストリーム配信の音源を、デノンならではの本格的なHi-Fiサウンドで楽しめる、シックなデザインのワイヤレススピーカーだ。
使うならやっぱりステレオペアにしてほしい!
既発売の「DENON HOME 150」の一部機能を削る代わりに、価格を抑え、ステレオペアを組みやすくした製品。
DENON HOME 150はAlexaなどに対応したスマートスピーカーだが、他社製品と一線を画す高音質を売りにしていた。ユニットを上部や下部に向けるのではなく、前面に取り付ける王道のスピーカー設計を取り入れており、ストリーミングでAmazon Musicのハイレゾ音源なども楽しめるスピーカーとなっている。単体でも使えるが、2台用意してステレオペアを組むとさらに正確な音の再現ができる点もポイント。モノラルモードでは音を広げるためDSP処理などを活用するが、ステレオモードではこのDSP処理をスキップして鮮度の高いストレートな音の再現ができるようになる。ステレオペア再生を主軸に据えながら、組み合わせによる音の違いも楽しめる機種となっているのだ。
NV STはこうした特徴を持つDENON HOME 150から音声アシスタント機能やトップパネルの発光を省略するなどして、シンプルな仕様にしている。色もホワイトに限定。ステレオペアでのみ販売する。結果、実売価格は単体でそれぞれを購入するより8000円ほど安価なペア6万1600円程度になっている。
操作もHEOSアプリを使って簡単にできる。ステレオペアの設定/解除もアプリ上でドラッグ&ドロップするだけだ。アプリにはスピーカーの設置場所などを指定する項目もあり、自動で部屋の環境に合った最適化が(適切な音に)できる。スピーカー部は25mmのドームツィーターと89mmのコーンウーファーを使用した2ウェイ構成、コーンカーブや筐体の形状も入念に調整しているという。
リアスピーカーとして使うパッケージも
さらに、このモデルとサウンドバーをセットにした「DENON HOME SOUND BAR 550 SURROUND SET」も登場する。HEOSアプリで設定することで、DENON HOME 150 NV STはサラウンドスピーカーとして動作することになる。
「DENON HOME SOUND BAR 550」はデノン製品の中ではフラッグシップのサウンドバーで、映画やテレビはもちろんだが、音楽を聴ける忠実再現を目指して開発されている。そのために真円形状のドライバーを用い、各ユニットを独立したアンプで駆動する仕組みを採用するなど、サウンドパフォーマンスの高さにこだわった。
そのリアスピーカーとしてDENON HOME 150 NVを2台追加すれば、フロント方向からのみ音が鳴るバーチャルのサラウンドではなく、リアから本当に音が鳴る、リアル4.0chのワイヤレスサラウンドが組めるわけだ。
HEOSアプリを使った操作も簡単。さらにサブウーファーの追加も可能となっている。なお、同梱のスピーカーは、DENON HOME 150 NV STとは異なりブラックのみとなる。実売価格はセットで12万8500円程度だ。
整ったトーンバランスで聞きやすくまとまり感のあるサウンド
発表に伴ってデノンの試聴室で製品のデモが実施され、音質を改めて体験できた。
まずはステレオペアでの再生。ボーカル曲として、Stella Yangの「Colors」。ステレオペアで聴くと、声の美しさ、聞き取りやすさ、中高域の充実感などが印象的。音場も広く、冒頭の拍子木や指をはじくようなSE音や、何かをカラカラと鳴らしている音がきれいに分離し、空間に浮かび上がってくるのが印象的だった。
オーケストラ演奏の「展覧会の絵」も、サイズからは想像できない重量感のある音だった。コンシューマー向けスピーカーというよりは本格的なHi-Fiスピーカーとしてのチューニングで、かつ色彩感のある華やかな音を楽しめた。大きな編成の曲だが、各楽器の分離もよく、全体的なバランスが整っていたことも好印象だ。演奏されているホールの空間が広く感じられ、なじみ感良く体験できる。
また、エレクトロニカの曲としてEkcleの「Moonstone」も再生された。高域がきつすぎないウォーム系のサウンドながら、電子楽器が奏でるさまざまな音色の多彩さを存分に感じ取れた。音はスピーカーの設置位置より、かなり外側まで広がる。真正面にユニットを置き、DSPも掛けずに正統派のサウンドを目指したという、DENON HOME 150の本領が発揮されたようなサウンドだった。
サウンドバーと組み合わせ、手軽だが上質な空間再現も
次にサウンドバーを組み合わせたシステムで聴く。動画再生では、まずYouTubeの「First Take」から安田レイの歌唱を聞いた。2chの音源を疑似サラウンドで再現したものだが、まず良いところはボーカルの豊かなニュアンスを楽しめるところ。そしてそれが違和感なく感じられる点だ。
映画では『地獄の黙示録』のジャングルのシーン。自分を中心に前面、側面、背面とぐるりと囲んだ位置からジャングルの効果音が聞え、没入感が高い。これはサウンドバーのバーチャル再生にはない、リアルのリアスピーカーがあるからこその再現だろう。ジャングルを進み、動植物に囲まれている感じがよく出ていた。
また、『ボヘミアンラプソディー』では、ラストシーンにつながるスタジアムのライブを聞いた。ここの面白さは映像の中に移っている観衆の中に自分がいるような、前後左右から歓声が聞こえるその中心で音を聞こえている感覚が味わえる点だ。歓声のただなかに中に入り、それと一体化したサラウンド感を味わた。
サブウーファーのない4.0chでの再生ということで、低域はやや控えめだが、音楽用途……をうたうだけあって、Hi-Fi的な豊かな音色感や広いサウンドステージが楽しめるのが好印象だった。
映画の場合も、手軽にサラウンド再生を楽しめていい。DENON HOME 550自体がコンパクトであることに加えて、設定も簡単だ。音のバランスも当然のように良く取れているので、テレビを中心にまずサラウンドを楽しんでみたいというエントリー層にも最適な製品と言える。さらに、必要に応じてサブウーファーを追加するなど、システムアップが楽しめるのもいい。
各製品とも発売日は5月24日。価格はオープンプライス。パッケージ化と機能の最適化によってDENON HOMEの魅力がより手軽に味わえるようになったDENON HOME 150 NV。その魅力をぜひ体験すべきだ!!
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