大きく変わったXperia最新機種を体験できるイベントでどこが変わったのかをチェック!
ASCII.jp / 2024年5月17日 21時30分
ソニーは5月17日、同社の最新スマートフォン「Xperia 1 VI」「Xperia 10 VI」を実際に体験できるイベント「Xperia SPECIAL EVENT 2024」を東京都内で開催した。このイベントは事前の抽選に当選した人だけが参加できる限定イベントなのだが、その開催に先んじて報道陣向けにも体験会が実施されたことから、その様子を紹介しよう。
ソニーの技術力でクリエイターを支援する「Xperia」シリーズ
イベント開始に先立って、ソニーのモバイルコミュニケーションズ事業部 事業部長である大島正昭氏らが、改めて「Xperia 1 VI」「Xperia 10 VI」の概要について説明。ソニーの技術を集結させてクリエイターを支援するという、従来のXperiaシリーズのコンセプトを継承しながらも、とりわけフラッグシップモデルのXperia 1 VIはカメラ機能を中心に強化を図ったという。
一方でXperia 1 VIは、4K画質や21:9比率が特徴的だったXperia 1シリーズのディスプレーが、FHD+画質で19.5:9比率と、一般的なスマートフォンに近いものへと変化したことが話題となっている。それだけに体験会では、それらXperia 1 VIの注目機能を実機で試せるだけでなく、気になる点を開発者に直接聞くことができるようになっていた。
Xperia 1 VIの望遠カメラはテレマクロ撮影が楽しい
Xperia 1シリーズで最も力が入れられているカメラ機能の中でも、Xperia 1 VIで最も進化したのは望遠カメラだ。Xperia 1 Vでは焦点距離85~120mmまでの望遠が可能だったが、Xperia 1 VIでは85~170mmにまで拡大。超広角カメラと広角カメラを合わせると、光学ズーム相当で0.7倍、1倍、2倍、そして3.5~7.1倍の撮影が可能となっている。
光学ズームにこだわるのは、やはり画質が劣化しない光学ズームを求める声がクリエイターから多く寄せられているからこそ、とのこと。だが望遠カメラの強化によって、ポートレート撮影の幅も広がっているという。
実際、ポートレートに最適とされる85mmでの撮影だけでなく、さらに離れた人物を撮影できる135mm、170mmを活用し、前面をボカしたポートレート写真なども撮影可能とのこと。会場では実際にXperia 1 VIを用い、望遠カメラでさまざまな焦点距離を試しながらポートレート撮影を体験することができた。
また望遠カメラを活用した新機能として、新たにテレマクロ撮影が追加されている。これは望遠カメラを用いてマクロ撮影、要は接写ができる機能だ。マクロ撮影ができるカメラを搭載したスマートフォンは数多く存在するが、そこはやはりXperia 1シリーズらしいこだわりがある。
実際、Xpeira 1 VIのテレマクロ撮影は、フォーカスを手動で調整するマニュアルフォーカスを採用。これは被写体に近接するマクロ撮影でオートフォーカスを実現するのが難しいがゆえの措置でもあるのだが、このマニュアルフォーカスによって、マクロ撮影でもボケ感のある写真など、工夫を凝らした多彩な表現ができるようになっている。
こちらも実際に体験することができたが、被写体には4cm程度まで近づいて撮影できることから、手ブレの影響を受けやすいなど、撮影にはやや難しさがある印象だ。だが、従来のスマートフォンカメラでは体験できない、非常に表現力のあるマクロ撮影を楽しめることは確かだと感じた。
広角カメラは、Xperia 1 Vと同様にソニー独自の2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー「Exmor T for mobile」を採用。そこに高度な重ね合わせ画像処理技術を組み合わせ、暗い場所でもノイズが少ない鮮明な写真を撮影できる点は共通している。低照度の環境下で実際に撮影してみたが、その実力は健在だと感じる。
カメラ機能に関してはソフト面でもいくつか新たな変更が加えられており、その1つがデジタル一眼レフカメラ「α」シリーズにも搭載されている「AI姿勢推定」というもの。これは人物の骨格をAIに学習させ、撮影時にそれを認識することで、人物が障害物を通り抜けたり、後ろを向いたりした時も追従してフォーカスを当て続けられるというもの。こちらは実際にXperia 1 VIとXperia 1 Vと比べて、フォーカス追従の仕方の違いを体験することができた。
カメラアプリが統一されて初心者にもわかりやすく
そしてもう1つ、大きな変更となるのがカメラアプリそのもので、「Photography Pro」「Videography Pro」「Cinematography Pro」の3つが1つのカメラアプリに統合。インターフェースもよりスマートフォンのカメラアプリで一般的なものへと変化し、カメラに詳しくない人でも撮影がしやすくなっている。
その一方で、写真撮影にこだわる人のためのモードとして「プロ」を用意、カメラの細かな設定を調整して撮影できるほか、今後のアップデートで「プロ動画」モードも追加されるとのこと。
実際に使ってみると、従来のXperia 1シリーズの、カメラのインターフェースに慣れているとやや違和感を覚える部分もあるが、スマートフォンでの撮影に慣れている人なら操作しやすいだろう。
ディスプレー変更で電池持ちが大幅強化も画質は変わらず
4Kや21:9比率ではなくなったディスプレーに関しても、気になる人が多いだけあって、こちらも実際にその実力を体験できるコーナーが複数用意されていた。
ディスプレーを大きく変えたことで多くの人が気にするのは画質だろうが、ソニーではXperia 1 VIの新しいディスプレーパネルに合わせて、独自のAI画質調整技術を導入。これにより、同社のテレビ「BRAVIA」シリーズの色彩や質感などもしっかり再現できているとのことで、実際に確認するとXperia 1 Vと比べてもそん色ない表現ができている様子がうかがえる。
また、新しいディスプレーの採用や、画質の調整などによってXperia 1 Vよりも1.5倍明るく、それでいて白みがかったりすることのない高画質を実現。直射日光下でも見やすくする「サンライトビジョン」機能で、屋外でも高精細な映像を視聴しやすくなっているとのことだ。
ディスプレーを変更した理由は、やはり一般的なスマートフォンに最適化された映像コンテンツが増えていることと、バッテリー消費を抑える狙いが大きいとのこと。とりわけバッテリーに関して言えば、従来のディスプレーのリフレッシュレートが固定だったことに加え、4Kの解像度を持つことで表示に係る処理が大きく、FHDのディスプレーと比べてメモリーなどを多く消費しやすいことからそのぶん消費電力が大きかったという。
それだけに解像度はFHD+と低く抑えられ、なおかつ、リフレッシュレートが可変の新しいディスプレーを採用したことで、バッテリー消費は大きく抑えられたとのこと。Xperia 1 VIはチップセットも新しいものを採用しているが、チップセットによるバッテリーの変動はあまり大きくないそうで、ディスプレーの変更が“2日持ち”をうたうバッテリーの強化にかなり大きく影響しているようだ。
スピーカーは音圧と音量がアップした
Xperia 1 VIはオーディオ関連の強化もなされており、新しいスピーカーユニットを採用したことで、低音域が厚くなりクリアな音を実現できるようになったほか、有線のイヤホンを接続した時の音に関しても、オーディオICの性能向上や回路基板の設計改善によってより臨場感のあるサウンドを実現しているという。
こちらも本体スピーカー、そして有線のヘッドホンを用いて、実際にXperia 1 Vと音の聞き比べをするコーナーが用意されていた。そこで実際に聞き比べると、どちらもいい音ではあるのだが、Xperia 1 VIの方が低音や音の広がりがあるように感じた。
同時に発表されたXperia 10 VIも触れる
もちろん会場にはこれだけでなく、Xperia 1 VIとXpeira 10 VIを全色、じっくり触って体験できるコーナーもしっかり用意。本体だけでなく純正のケースも用意されていることから、その装着感も体験することができた。
加えて、国内で発売された歴代Xperiaシリーズの年表が展示されていたことから、Xperiaシリーズの歴史を振り返りながら最新モデルを堪能することもできた。Xperiaファンにとって満足感の高いイベントだといえる。
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