詳細速報!! = Panasonicが超小型軽量のフルサイズカメラ「LUMIX S9」を発表!!
ASCII.jp / 2024年5月23日 5時0分
Panasonicは5月22日、世界向けにフルサイズミラーレスカメラ「LUMIX S」シリーズの新モデル「LUMIX S9」を発表した。
最大の特徴は、最新の「LUMIX S5Ⅱ」とほぼ同じ性能ながら、EVFとメカシャッターをなくすことで超小型・軽量を実現、体積は約3分の1に、重さは3分の2に軽くなっていることだ。
さらに、「リアルタイムLUT」を選択するための、初の「LUTボタン」を搭載し、好みの映像テイストでムービーの撮影が可能で、コンテンツクリエイターやビデオブロガーを狙ったカメラとなる。
ボディーカラーは「Dark Olive」、「Night Blue」、「Crimson Red」、「Jet Black」の4色である。
米国ではボディのみ(DC-S9)で約1500ドル(約24万円)、20-60mmF3.5-5.6付属(DC-S9K)で約1800ドル(約28万円)で、ほかに28-200mmF4-7.1とのキット(DC-S9H)があり、6月17日出荷予定とある。
同時に、超薄型のMFレンズ「S 26mm F8」と、コンパクトな広角ズームレンズ「S 18-40mmF4.5-6」も発表となった。26mmF8はS9と同時発売で、米国では199ドル(約3万円)だが、6月29日までは、S9を購入すると無償で付属する。18-40mmは今年の後半に発売の予定だ。
以下、日本発表の23日に追加
日本でも23日に発表会があり、日本ではブラックモデルとシルバーモデルが発売となる。カラーモデル3種は直接発売にならず、「エクステリア張り替えサービス」(有償)での提供となる(パナソニックストアプラスではオーダー時にカラー指定が可能)。 市場想定価格は、S9ボディーのみが20万8000円、20-60mm付きのKキットは24万1600円、28-200mm付きのHキットは28万7000円で、26mmF8レンズは3万1900円。いずれも6月20日発売で、9月1日までに購入して応募すると、26mmF8レンズとオリジナルストラップ、S9講座視聴チケットがもれなくもらえる。
以上、日本発表の23日に追加
MP4 LiteとLUTボタンを初搭載 EVFとメカシャッターはなく手ブレ補正内蔵で486gを実現 「LUMIX S9」
LUMIXで初めて搭載となったのが「LUTボタン」で、S5Ⅱでも好評だった「リアルタイムLUT」撮影のLUTファイル選択が簡単にできる。
LUTはルックアップテーブルの略で、色設定を定義したファイルのこと。好きな映画風や未来風、都会風など、WEBで公開されている設定や、自分で事前にLUTとして設定した色味をカメラで選んで、リアルタイムで撮影できる。
サポートするLUTファイルは「.VLT」と「.CUBE」で、Vlog_709。1~39までセットが可能で、1~3にはサンプルのLUTが登録されている。
同時に発表となったスマホ(アンドロイド・iOS)用の「LUMIX Lab」で、LUTファイルの編集やアップロードができるほか、撮影したムービーを「30秒」でネットにUPできるという。
「LUMIX S9」の基本性能は「LUMIX S5II」とほぼ同等で、撮像素子は35mmフルサイズ (35.6 mm × 23.8mm) CMOSセンサーで2420万画素。ISO感度は静止画では標準で100~51200で、拡張で50と102400、204800が指定可能。V-Logでは640~51200、HLGでは400~51200が標準ISO範囲となる。
静止画のアスペクト比は4:3、3:2、16:9、1:1、65:24、2:1で、3対2比率時で6000×4000ドット、14+ストップ (V-Log)を持つ。
動画は最高でフルセンサー時には6K30P(200Mbps4:2:0 10bit)、APS-C時にはC4K60P(200Mbps4:2:2 10bit)での記録が可能だ。動画フォーマットはMP4またはMOVで、H.264 / MPEG-4 AVC、H.265 / HEVCとなる。
S9では新たな録画フォーマットとして、「MP4 Lite」を採用。Open Gateでセンサー全体を記録することができる。3840×2560ドット(3:2)、30p/25pの50Mbps、4:2:0 10bit(H.265/HEVC)で、無線での高速転送が可能となり、「LUMIX Lab」を使ってスマホで縦長や正方形など、異なるアスペクト比に変換することができる。
ボディサイズは約126×73.9×46.7mm、重量は486g(バッテリー・SDカード込み)。「LUMIX S5II」は740gなので、254g軽くなったことになる。
「LUMIX S5II」にはあって「LUMIX S9」では無いのは、電子ファインダー(EVF)と、メカシャッターで、手ブレ補正はボディ内で5段を内蔵。「Dual I.S.2」で6.5段に加え、動画撮影の歩き撮りに適した「アクティブI.S.」も搭載する。AFもS5Ⅱと同様の779点「像面位相差AF」を搭載し「リアルタイム認識AF」を搭載、トラッキングも可能だ。
電子シャッターは静止画では8000分の1から60秒で、T(最高60秒)はBluetoothのリモート操作で可能だ。動画では1万6000分の1秒~25分の1秒。クリエイティブビデオMモードとMFモードでは1万6000分の1秒~2分の1秒となる。
連続撮影はAFS/AFC/MFで最高毎秒30コマ。ブラケット撮影はAE、絞り、フォーカス、ホワイトバランスで可能。LUTとは別に、従来のLUMIX Sシリーズと同様に、フォトスタイル、画像補正、フィルター機能を内蔵する。
背面液晶は「LUMIX S5II」と同じで、3対2比率3インチ184万ドットのタッチ液晶だ。
小型化のため、記録メディアは「S5Ⅱ」のSDカード2スロットから、「S9」では1スロットとなっている(SD、SDHC、SDXC)。Wi-FiとBluetooth5.0も内蔵する。
バッテリーはS5Ⅱと同じ「BLK22」で、最高470枚の静止画撮影、MP4で最高60分の動画撮影が可能。
インターフェースはUSB Type-C(10Gbps)とマイクロHDMI(出力)、マイク端子を内蔵し、イヤホン端子はない。充電はType-Cで行なう。内蔵マイクはステレオでスピーカーはモノラルだ。
同時発表になった「26mm F8」のパンケーキレンズは、マニュアルフォーカスで絞り値もF8固定だ。長さは18.1mm、重さ58gと超小型軽量で、写真ではMFリングの回転度数が30度くらいしかないので、近接以外はほぼパンフォーカスになるものと思われる(個人の感想です)。
今年後半に発売となる、小型軽量の超広角ズームレンズ「LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3」は最短撮影距離15cmで、「S9」にピタリサイズのズームだ。
以下、日本発表の23日に追加
「リアルタイムLUT」では、色変換だけではなく、濃度、粒状感、カラーノイズ効果が追加となった。また、LUTの重ね合わせも可能である。
「ハイブリッドズーム」も進化し、設定でONにすれば、レンズのズームリングだけで、最高3倍までのクロップズームが可能となる。
例えば、20-60mmでこれをONにすると、広角端は20mmの画角だが、ズームリングを3分の1回したところで60mmの画角となり、さらに望遠側に回すと、自動でクロップズームが効いて、望遠端では180mmの画角となる。かなり便利な機能で、S5Ⅱでも実現して欲しいものだ。
以上、日本発表の23日に追加
ライバル機はシグマ「fp・fp L」と ソニーVLOGCAM「ZV-E1」
☆以下は完全に個人の感想です☆
現在、米国PanasonicストアではS9ボディが約1500ドル(約24万円)で、S5Ⅱが約1800ドル(約28万円)なので、4万円安い。日本では現在、直販サイトではS5Ⅱが24万7500円なので、S9は21万円台での発売が期待できる。
ちょっと気になるのは冷却性能で、「S5Ⅱ」には冷却用のファンを内蔵して「動画記録の時間制限なし」としているが、「S9」は搭載していないので、実際の連続撮影時間は短くなることが予想される。
「LUMIX Sシリーズ」と同じフルサイズのLマウントカメラとして世界最小・最軽量の「SIGMA fp/fp L」は、EVF、メカシャッター、手ブレ補正なしで、113×69.9×45.3mm、422gだ。
S9は幅が13mm、高さが4mm、奥行きが1.4mm大きく、64g重いが、手ブレ補正があるのは安心感が高い。ただ、fp/fpLにはオプションでEVFが追加でき、fp Lは6100万画素センサー搭載なので悩ましいのだ。
ムービー主体のフルサイズカメラとして近いのは、ソニーαの「VLOGCAM ZV-E1」で、こちらは静止画時1210万画素、動画時1010万画素で動画記録は最高4K60P(600Mbps4:2:2 10bit)である。
撮像素子の解像度はS9のほうが2倍高いが、E1もEVFとメカシャッターなしで手ブレ補正は5段と互角の性能である。
サイズは121×71.9×54.3mmで重量は483gだから、幅が5mm、高さが2mmだけS9のほうが大きいが、奥行きはE1のほうが7.6mm大きく、重さはS9がわずかに3g重い。ただし、E1のメーカー直販価格は約33万円なので、S9の日本での価格にはとても期待したいのだ。
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