1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

旅先での動画撮影に、画質も含めてかなり満足できる「Insta360 Ace Pro」

ASCII.jp / 2024年5月29日 7時30分

手のひらサイズのアクションカム「Insta360 Ace Pro」は旅のお供にどうか?

 本連載の記事でも度々掲載していますが、筆者はYouTubeで旅の動画を公開しています。これまでメインカメラとして動画撮影に使用してきた機材は、DJIのスタビライザー付き小型アクションカメラ「DJI Pocket 2」です。一度ジンバル機能の故障で本体交換はしているものの、購入からすでに3年ほどたっており、最近はバッテリーの持ちや録画ボタンの反応が悪くなるなど、そろそろ買い替えどきかな……と思っていました。

これまで約3年間、旅のお供として使ってきた「DJI Pocket 2」

 ちなみに旅行系YouTuber界隈では、「DJI Pocket 2」の後継モデルとなる「Osmo Pocket 3」(実売価格7万4800円)が人気。「あれ? 動画の画質が上がった?」と思って注意深く見てみると、機材が「Osmo Pocket 3」に変わっていたりというのはよくあります。筆者も初代の「Osmo Pocket」からDJIのこのシリーズを愛用していて、「Osmo Pocket 3」が欲しいなと思ってはいるものの、ジンバルカメラのちょっと不便な点もいくつか感じていたため、買い替えるかどうか悩んでいました。

 そんなとき、Insta360からアクションカメラ「Insta360 Ace Pro」(実売価格6万1000円)をテスト用にお借りすることができました。今回は「旅人用のVlogカムとして『Insta360 Ace Pro』の使い勝手はどうか?」という視点でレポートしていきたいと思います。

「Insta360 Ace Pro」は、旅人のVlogカメラとして使いやすいかチェック!

「Insta360 Ace Pro」はどんなカメラ?

 「Insta360 Ace Pro」はInsta360がライカと共同開発したアクションカム。センサーサイズは1/1.3型で最大で8K24Pの動画撮影が可能。本体サイズは幅約72×奥行き39×高さ52mmで約180g。動作時間はスペック上では100分となっています。

最大8Kでの動画撮影が可能。筆者は平均30分以上のVlogのため、4Kで撮影・編集し、フルHDへ書き出してからYouTubeへアップロードしています

 本体背面には2.4インチのディスプレーを搭載しており、フリップタイプなので自撮り撮影にも対応。アクションカムということで水深10mまでの防水設計なのも、うれしいポイントです。ジンバルカメラは、この防水機能がないため、使っていて不便だったんですよね。旅先では屋外の撮影も多く、晴れの日ばかりではありません。旅では急にスコールに見舞われたり、水辺での撮影もあるため、防水設計ではないジンバルカメラを使うのは少し躊躇していまうのも事実です。

 その点、Insta360 Ace Proなら、気にせず撮影できるのでありがたいです。もちろん、雨が降ったら一時的にスマートフォンなどで代替撮影すればいいのですが、録画データが分散してしまうと編集するときに不便なんですよね。旅の動画は長時間の動画になることが多いため、旅先での録画データは、なるべく分散せずにまとめておきたいところです。

 (次ページ:自撮りはしやすいか?)

自撮りはしやすいか?

フリップタイプのディスプレーなので、自撮りスタイルも問題なし

 愛用してる「DJI Pocket 2」はビデオで発生しがちな手ブレを画期的に補正してくれる、ジンバル機能を持ったカメラです。スタビライザーにより手ブレなどに影響されず、水平のとれた滑らかな動画撮影ができるのがポイント。これはこれで重宝するのですが、このジンバル機能が逆に"撮影しにくいポイント"とも感じていました。

 というのも、旅先での撮影中には、「録画は止めたくないけどカメラからは手を離したい」というケースがよくあります。ジンバルカメラの場合、そのまま横倒しに置いてしまうとジンバル機能に負荷がかかってしまうのでNGです。そのため都度、録画を止めてスリープモードにしてから手を離す必要があるんですが、これが意外に手間なんですよね。その点、アクションカムはジンバル機能がないので、録画したまま、横倒しで置いておけます。

録画状態のままパッと机に置いても特に問題ないため、取り扱いやすいです

 では、ジンバル機能がないInsta360 Ace Proでの撮影は手ブレが影響するか? というと、自分が撮ってみた限りでは、ほとんど気になりません。手持ちで歩きながら撮影していても、問題ないレベルです。

 水平に関してはジンバルカメラのようにはいかず、本体の機能でグリッドを表示して極力水平になるように気をつけて撮る必要はあります。ただ、これも画角こそ狭くはなりますが、「45度水平維持」と「360度水平維持」というモードがあり、自動で水平のとれた撮影も可能なので、撮影環境にあわせて使い分けすれば良さそうです。

カメラを傾けても水平を保つ「45度水平維持」モード
ディスプレー内の被写体は水平を維持している

 ちなみに撮影モードには、スキーや乗りもの等に固定するのに最適な「アクション広角」と、広い風景を収めながらの撮影にピッタリの「超広角」、そして広角ながら歪みの少ない「デワープ」の3モードがあります。自分の場合は街歩きなどが多いので、ほとんど「デワープ」モードで撮影しています。これも撮影環境にあわせて使い分けできそうですね。

基本的には「デワープ」モードで撮影していました

実際のバッテリーの持ちはどうか?

 ジンバルカメラもアクションカムも、バッテリーに関しては、基本的にあまり持たないという印象です。Insta360 Ace Proのスペック上での連続録画時間は100分です。実際に連続使用してみたところ、だいたい60分くらいで残量が30%くらいまで減っているといった具合です。ただし、Type-C端子での充電が可能で、急速充電にも対応しているので、撮影の合間にモバイルバッテリーなどで給電しておけば、そこまでバッテリーを気にする必要はありません。

 GWに訪れたバングラデシュの旅では、予備バッテリーを2個持ってきましたが、道中はモバイルバッテリーや飛行機内のUSB端子から給電して使っていたので、一度も本体のバッテリーを交換せずにすみました。

こまめに充電しておけば、そこまでバッテリーの持ちは気になりません

 (次ページ:使い勝手向上のために追加購入したアクセサリー)

使い勝手向上のために追加購入したアクセサリーは4種類

 自分はジンバルカメラ「DJI Pocket 2」の代替として使えるかどうか試すため、使い勝手がそれに近くなるよう、別途、いくつかのアクセサリー類を購入しています。

1. Ulanzi MT-24(ミニ三脚) :5400円 2. Insta360 Ace Pro用 ミニカメラバッグ:1700円 3. 磁気式マウント アダプター:3600円 4. Insta360 マイクアダプター:3500円

今回アクセサリーとして購入した4点。さらに、編集部でガラスフィルム2枚+2枚+2枚セット(990円)を貼り付けています

 アクションカムは手のひらサイズでコンパクトなのですが、単体での手持ち撮影はしにくいため、街歩きなどの撮影にはミニ三脚が必須です。今回はアルミ製のしっかりした三脚を購入しました。ただ、Insta360 Ace Pro自体は約180gとそこまで重くないので、プラスチック製のもう少し軽くて小さい三脚でも良かったかなと思います。

グリップとして使うほか、もちろん固定して撮影するシーンも多いので、アングルが調整できる雲台のついたミニ三脚は必須

 ミニカメラバッグは、本体に傷をつけずに使いたいといった保護の面もありますが、どちらかというと、カラビナ部分にネックホルダーを付けて、首からぶら下げて使うために購入しました。ケースをInsta360 Ace Proから外しても、カラビナを三脚に取り付けた状態にできるので、連続して使いたいときにも、このスタイルが便利でした。

すぐに使わないときは、カバーをして首からぶら下げておけます。移動時に両手が空くので快適です
連続して使うときも同様。カバーから外して、やはり首からぶら下げておけます

 磁気式マウント アダプターは、ミニ三脚にセットするために購入。Insta360 Ace Pro本体には、カメラ用の三脚穴がないため、こういったアダプターが必要です。公式アクセサリーもありますが、ちょっと安めのサードパーティー製をチョイスしています。

 ちなみにInsta360 Ace Proのアダプターは、ロックボタンを押せばすぐに取り外しできるシステム。本体にもアクションカム用のアタッチメントが付いたアダプターが付属しているので、今後はバックパックのベルトに固定したりと、アダプターを活用していきたい感じです。

磁力で位置調整ができ、爪でカチッとはまるので脱着しやすい

 Insta360 マイクアダプターは、外部マイクを接続するためのものです。特に屋外での撮影が多くなるジンバルカメラやアクションカムですが、全体的に音声は苦手分野。風切り音や街中の関係ないノイズを拾いがちです。DJI Pocket 2やOsmo Pocket 3では、セットの「クリエーターコンボ」を購入すると、ワイヤレスマイクが付属しているため、これまでDJI Pocket 2のワイヤレスマイクを重宝してきました。

Vlogerにとって結構大事な音声収録機能は?

 Insta360 Ace Proにはワイヤレスマイクキットの用意はないものの、その辺はしっかり考慮していて、オーディオ設定には標準の「ステレオ」以外に「風切り音低減」と「方向性強調」の2つのモードを用意しています。とはいえ「風切り音低減」にすると、若干不自然な声質に変わりがちですし、強風下ではあまり効果はありませんけどね。

「風切り音低減」もありますが、音質的には極力使いたくないモード

 また「方向性強調」はレンズの方向の音声が強調されるモードです。自撮りよりもカメラの背面から被写体を説明しながら歩く筆者のような撮影スタイルには、こちらもイマイチです。そこで外部マイクを装着して、よりクオリティーの高い音質で撮影するためにマイクアダプターを購入しました。

本体側面のカバーを外して、マイクアダプター装着

 ちなみに本連載の記事(「中国乗り継ぎの飛行機で帰国が危ぶまれる事態に!? GWに体験したOTA経由の格安航空券トラブルとは」)で紹介した動画は、すべてInsta360 Ace Proで撮影しています。

 動画では、48分18秒あたりから、握りこぶしに向かって喋っている映像になっていますが、これは、マイクアダプターを付けたInsta360 Ace Proにワイヤレスマイク(Ulanzi U-Mic)のレシーバーをケーブルで接続して、手のひらにワイヤレスマイクを握って話している状態です。

ワイヤレスマイクを握って話しているシーン
ワイヤレスマイクを接続した状態。ディスプレー上部に入力レベルが表示されるので、ちゃんとマイクが音声を拾っているかわかるのはうれしい!

 これなら小声でも結構な音量で拾えますし、マイクを胸元あたりにセットしておけば、騒音のある街中でもしっかりと声を録音できそう。また小型の単一指向性マイクも持っているので、それも組み合わせれば声が聞き取りにくいという動画は減らせそうです。

 残念なポイントは、マイクアダプターを装着してしまうと、本体横に出っ張りが出てしまうためミニカメラバッグに収納できないこと。パーツとしてはかなり小さいのですが、必要なときに出先で交換するのが億劫になってしまい、ついつい「まぁいいか」と音質をあきらめてしまいがちに。ここはマイクアダプターを装着したまま収納できるカメラバッグを探したいところです。

マイクアダプターを装着すると、カバーが閉まらないのが今後の課題……

 というわけでジンバルカメラからアクションカムの「Insta360 Ace Pro」へと、旅のVlog撮影用機材を切り替えてみたわけですが、画質も含めてかなり満足のいく結果でした。しばらくは「Insta360 Ace Pro」をお供に、あちこち旅してみたいと思います!

空港でInsta360 Ace Proと
Insta360 Ace Proで旅の様子をガンガン撮っていこう!

この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)

海外旅行トラブル

世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

  • 「旅人ITライターさとる」(IT系メイン)
  • 「さとる・たべる・あそぶ」(旅行・エンタメ系メイン)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください