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タマネギを一瞬でみじん切り! スウェーデン製「アリゲーター」は気分よく使えて掃除もラクでテンション上がる

ASCII.jp / 2024年6月4日 16時0分

アリゲーターのキッチン用品

見るとハッピーな気分になる世界のストリートフード動画

 最近、世界のストリートフード動画にハマっています。バーナーで卵を焼くインドの屋台や、本格ピザを提供するカーゴトレーラーショップなどの様子を撮影したものです。

 その楽しさは、カジュアルな自由さ、“映え”をまるで気にしていない盛り付け、家族や友人と接するときのような常連のお客とのやりとりなどにあるのでしょう。見ていて、とてもハッピーな気分になります。

 その中でもお気に入りは、ドイツの伝統料理フランクフルト・ソーセージ、カツレツ、ミートボールなど、秘伝のカレーソースで30年以上ファンを魅了し続けているベルリンの「カレー ボーデ(CURRY BAUDE)」です。

お店も料理もすべてが魅力的な「カレー ボーデ(CURRY BAUDE)」(ベルリン)

 動画に登場する料理は、ていねいに調理され、どれもおいしそう。店主も朝の5時から料理を仕込むほどの勤勉さと愛らしさをそなえています。

チラリと映ったキッチン用品に一目惚れ

 しかし、筆者が注目したのは料理だけではありません。チラリと映り込んだキッチン用品に一目惚れしました。それはタマネギを一瞬で「みじん切り」にするシーン。まさにマジックみたいです(上の動画内、20:44〜)。

 ドイツ人が気に入りそうな質実剛健な造りも、メカニックなものを愛する筆者好みです。

調べてみたら、スウェーデンの高級キッチン用品だった

 動画のロゴを拡大して検索すると、「アリゲーター(ALLIGATOR)」というスウェーデンのキッチン用品でした。日本にも代理店があり、直販価格は3万1900円という高級品。タマネギをみじん切りにするためだけには、すこし高価な気もしますが……。

 しかし、このアリゲーターの製品は、英国でベストキッチンガジェット賞を受賞しているとか。スウェーデンの刃物は、最高級刃物にも使われる「スウェーデン鋼」としても知られています。

 ロマンを追い求める、物欲番長の筆者は迷わずゲット。あきばお〜で2万1043円で購入しました。

ステンレス製の「モデル3094」には3種類の刃が付属

 今回購入したのは、アリゲーターの「ステンレス 3094」というモデル。タマネギのみじん切り用の6mmx6mmだけでなく、ニンニクやショウガ用の3mmx3mm、ポテトフライ用の12mm×12mmの刃も付属しています。

アリゲーターのキッチン用品
3種類のサイズの刃が付属している
アリゲーターのキッチン用品
半分に切ったタマネギをセット

 実際に使ってみると、タマネギ1/2個をみじん切りするにはやや強めの力が必要です。これは動画に登場した店主も「エイ!」と力を込めているので、想像通りでした。本体がオールステンレスのため、安心感と頑丈さがあり、やはりステンレスモデルを選んで良かったところです。

アリゲーターのキッチン用品
押し込むのに、ちょっと力が必要
アリゲーターのキッチン用品
しかし、1秒でみじん切りにできるのは便利
アリゲーターのキッチン用品
これくらいの細かさ

 次は3mmに刃を替え、ニンニクをみじん切りにしてみましたが、これは弱い力でも簡単に切断できました。

アリゲーターのキッチン用品
刃をニンニク用の3mmサイズに変更
アリゲーターのキッチン用品
ニンニクの場合、力がほとんどいらなかった

 ポテト用の刃は試していませんが、刃の間隔が広い分、さらに弱い力で切れると想像しています。

使用感だけでなく、メンテナンス性にも注目

 特筆すべきは、野菜をみじん切りにする機能だけではありません。それは、洗うときなどに実感できる、メンテナンス性です。

 まず、刃をプラスチックの部品で押し出すことで、刃に野菜クズが詰まらない構造になっています。さらに、そのプラスチックのグリッドの間に落ちた小さな野菜クズは、薄いプラチック部品を持ち上げることでほぼ無くなります。

アリゲーターのキッチン用品
野菜を押し出すグリッド。これがあるため、使用後も野菜クズはほとんど残らない

 使用後は、洗剤を薄めた水の中で振り洗いして、流水ですすぐだけ。もちろん、食洗機にも対応しています。刃や本体は、乾燥させてから収納します。

 刃はステンレスでサビにくいですが、レモンやトマトなどの酸系の食材を切ったときは、すぐに洗うなどの注意が必要かもしれません。

マジックも料理も、神は細部に宿る

 美術家のヴァールブルグ、もしくはモダン建築の巨匠ミースが言ったとされる、「神は細部に宿る」という名言があります。全体のすばらしさは、細かい部分から構成されているという意味だそうです。

 それは芸術や建築だけでなく、マジックや料理でも同じことだと考えてています。

 たとえば、筆者はトランプを使ったマジックをするときには、ほぼ必ず観客の前で新品のカードの封を切ってスタートしています。

 その理由を「仕掛けがないことを証明するため」と思う人もいます。しかし、本当の意図は「新品を開けるくらい、大切なお客さま」であることを伝え、気分よくマジックを見てもらいたいため。

トランプ
マジックを始めるときは、新品のトランプを開封する。細かいかもしれないけど、大切なこと

 料理では「包丁で、ていねいに食材をみじん切りにする」ことも大切かもしれません。しかし、量が多いときは、使っていて気分がよくなる調理器具に頼る……。

 新品のトランプを開封する、調理器具で一気にみじん切りする。それぞれは細かいことかもしれませんが、そこが気分よく進められることで、全体のすばらしさにもつながるのではないでしょうか。

 今回の「アリゲーター」、使うときだけでなく、洗うときや片付けるときも気分がよくなるキッチン用品。高価なキッチン用品にもかかわらず、世界中のユーザーのレビューを見ても、そんな感想にあふれているように思いました。

前田知洋(まえだ ともひろ)

前田知洋

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、チャールズ英国王もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。

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