デザイン優秀でおサイフ対応の「Nothing Phone(2a)」が5万円以下なのは間違いなく買い!
ASCII.jp / 2024年6月7日 12時0分
Nothing Technologyの「Nothing Phone(2a)」を使ってみました。このNothing Phone(2a)は、2023年7月に発売された「Nothing Phone(2)」の廉価版という位置付けです。ですが、Nothing Phoneの象徴とも言える“光る背面パネル”は健在。
ハードウェアのスペックをさほど落とさず、快適な使い勝手も維持しているとのこと。さらに、日本向けモデルはFeliCaを搭載したことでも注目を集めています。
価格は8GB+128GBモデルが4万9800円。Nothing公式ストアのみが取り扱う12GB+256GBモデルは5万5800円です。上位モデルのNothing Phone(2)(8GB+128GBモデルが7万9800円、12GB+256GBモデルが9万9800円)よりもかなり安いので、気になっている人は少なくないでしょう。
筆者はNothing Phone(2)を所有し、実際に使っています。今回、Nothing Phone(2a)を使って感じた差分を含めて、Nothing Phone(2a)をレビューします。
上位モデルとは異なる新しいデザインを採用
ディスプレーは6.7型の有機EL。Nothing Phone(2)と同じ画面サイズで、本体の大きさも同等。厳密には、Nothing Phone(2a)のほうが縦に長く、横幅がわずかに細くなり、11.2gほど軽くなっています。四方の丸みが強くなったので、全体的に柔らかくカジュアルな印象を受けます。
大きく変更されたのは背面。従来モデルと同様に内部が透けて見える意匠ですが、カメラの搭載位置が変わり、スケルトンのデザインも変更。Nothing Phone(2)は、背面パネルの全体にわたってLEDが搭載されていましたが、Nothing Phone(2a)ではLEDが光るのは、カメラ周辺の3ヵ所のみ。Nothing Phone(2)を使っている筆者には物足りなく感じたのが本音です。
しかし、電話をよく使う人を除けば、背面のライトを点滅させる機会って、そんなにないんですよね。LEDが減ったことは、実際の使用感としては、さほどデメリットにはならないでしょう。
背面パネルの光り方は好みにカスタマイズ可能
背面のライトは「Glyph Interface」と呼び、ユーザーがカスタマイズできることが利点。着信音によって点滅パターンが異なり、連絡先によって着信音を変えることができます。
購入したらぜひ試してほしいのが、オリジナルの着信音を作る機能。「Glyphコンポーザー」というアプリをインストールすると、好みの音源を選んで、画面をタップして、最長10秒の着信音を作成できます。LEDは音に合わせて点灯するので、光り方を確認しながら作成できます。
なお、筆者のように電話をほとんど使わない場合でも、撮影時の補助ライトとして使える「Glyphライト」、時間の経過がひと目でわかる「Glyphタイマー」といった機能があるので、LEDは便利に活用できます。
ミドルレンジのSoCながら、操作感は快適! 普段ハイエンド機を使っていてもストレスを感じなかった
Nothing Phone(2a)の基本性能は、Nothing Phone(2)より若干抑えられています。Nothing Phone(2)のSoCがハイエンド向けのSnapdragon 8+ Gen 1(最大3.2GHz)であるのに対して、Nothing Phone(2a)はMediaTekのDimensity 7200 Pro(最大2.8GHz)。ミッドレンジ向けのチップで、ベンチマークを比較すると、両モデルには相応の差がありました。
しかし、Nothing Phone(2a)を使っていて、ストレスを感じることはありませんでした。筆者は普段ハイエンドモデルばかりを使っているので、時々レビューを書くためにミッドレンジのスマホを使うと、反応が鈍く感じることがあるのですが、Nothing Phone(2a)の使用感はいたって快適。
Dimensity 7200 ProはMediaTekとNothingがこの端末のために共同でカスタマイズしたチップとのこと。ストレスを感じさせない操作性は、そこに理由があるのかもしれません。
新しい機能としてメモリーの拡張機能も追加されました。ストレージの領域に余裕がある場合に、その一部を仮想的にメモリーとして使える機能で、筆者が借りていた12GBモデルの場合、8GBを追加して最大20GBにできました。一般的な使い方であれば12GBで十分でしょうが、データサイズが大きいゲームをする人や、マルチタスク作業が多い人にはメリットになるでしょう。なお、上位モデルのNothing Phone(2)もアップデートでこの機能が追加されました。
カメラ性能は良好! 夜景もいい感じで撮れる
背面カメラはメイン(50メガピクセル/F値1.88)+超広角(50メガピクセル/F値2.2)という構成。センサーの詳細は公表されていませんが、有効画素数とF値のスペックは上位モデルのNothing Phone(2)と同じ。メインカメラは1/1.56インチの大型センサーを採用し、光学式と電子式の手ぶれ補正に対応しています。
実際にいろいろな被写体を撮ってみたところ、屋内・屋外を問わず、明るくナチュラルな色調で写りました。
「ナイトモード」を搭載していますが、夜景を認識すると自動で設定される(解除もできる)ので、いちいちモードを切り替える手間はなし。過剰に明るくならず、夜の風情を活かしたバランスで写ります。
動画はデフォルトではフルHD(1080p)/30fpsで撮影でき、フルHD/60fpsや4K/30fpsにも切り替え可能。音声もクリアに録音されました。フロントカメラは3200万画素/F値2.2。ビデオ通話や自撮りを楽しむにも十分な画質が得られます。
独特なホーム画面はカスタマイズも楽しめる
Nothing Phoneは、画面デザインもクール。初期設定のホーム画面に表示されるアプリのアイコンやウィジェットはモノクロで、アクセントして赤が使われています。
ただし、すべてのアイコンがモノクロで表示されるわけではなく、カラーで表示されるアイコンもあります。たとえば「おサイフケータイ」アプリはカラーで表示され、自分でダウンロードして追加したアプリもカラーになることが多いようです。しかし、「Nothing Icon Pack」というアプリをインストールすると、デフォルトではカラーになるアイコンもモノクロにすることが可能。
また、「Nothing Icon Pack」は、アイコンのモノクロ化をホーム画面だけに適用させる機能があります。つまり、ホーム画面はすべてのアイコンをモノクロで統一し、アプリ一覧画面では、すべてのアイコンを本来のカラー表示にできます。個人的には、ホーム画面のかっこよさとアプリの探しやすさを両立させる最善の方法だと思いました。
モノクロのアイコンが映える壁紙も多数プリインストールされていて、AIで好みの壁紙を生成することも可能。Nothing独自のフォントを用いたモノクロ基調のウィジェットで、ホーム画面のカスタマイズも楽しめます。Nothingによると、日本語の独自フォントの開発も進めているそうなので、Nothing Phoneの画面デザインは、今後さらに独自の世界観が広がっていくことを期待できそうです。
【まとめ】気になる点は少しだけ。コスパの良さは圧倒的
バッテリー容量は5000mAhなので、電池持ちは上々。45Wの急速充電にも対応していますがワイヤレス充電には非対応。nanoSIMを2枚装着でき、2回線を利用できますが、eSIMには非対応。microSDカードも装着できません。防塵・防水のレベルは「IP54」なので、濡らしてしまった場合には早めに拭くなどの配慮は必要です。
このあたりのことが気にならなければ、圧倒的にコストパフォーマンスに優れた1台と評価できそうです。
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