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1台で「見守り」と「家電のリモコン操作」ができちゃう謎の猫型スマートカメラを試した

ASCII.jp / 2024年6月8日 12時0分

Aqara「スマートカメラG3ハブ」実売価格1万5980円

 スマートホーム関連製品って、たくさん発売されていますよね? でも、「最初にどれを買えばいいの?」と悩む方も多いことでしょう。そこで紹介したいのが、カメラ、ハブ、赤外線リモコン機能を搭載した「スマートカメラG3」。これひとつを導入するだけで、まずは「自宅の見守り」と「赤外線リモコン対応家電のコントロール」が可能。

 将来的には、振動センサー、ドア・窓センサー、温度・湿度センサー、カーテンドライバーなどのアクセサリーを導入し、本製品をハブとしてコントロール可能となります。今回は本製品の実機を借用したので、「使い勝手」にスポットを当ててレビューしていきましょう。

Apple HomeKit、Google Assistant、Alexa対応の 見守りカメラ「スマートカメラG3ハブ」

 「スマートカメラG3ハブ」は、Apple HomeKit、Google Assistant、Amazon Alexa対応のスマートカメラ。つまりiPhoneなどのiOS端末、AndroidスマホやGoogle Nestなどのグーグル製デバイス、Fireタブレット/TVやEchoなどのAlexa搭載デバイスなどと連係が可能です。

さまざまなサービスを連係する「IFTTT」にも対応しています

 また、スマートホームの業界統一規格「Matter(マター)」に対応しているので、Aqaraの専用管理ソフトさえインストールしてしまえば、「Matterペアリングコード」を発行し、アップルとグーグルの「Home」、アマゾンの「Amazon Alexa」への登録もカンタンです。

「Aqara」アプリから「デバイス→スマートカメラG3ハブ→設定→MATERにさらされる→Matterペアリングコード」と進むと、Matter対応アプリに接続するためのペアリングコードまたはQRコードを取得できます。「Matterにさらされる」という誤訳がちょっぴり怖いです

 ただ今回アップルとアマゾンへの登録はスムーズにいきましたが、なぜかグーグルの「Home」ではうまく登録できませんでした。グーグルとAqaraのどちらの問題かわかりませんが、相性問題があるのかもしれません。

左からアップルのHome、Google Home、Amazon Alexa。取得(コピー)したペアリングコードを貼り付ければ、手軽に登録できます。ただ今回はなぜかGoogle Homeで設定できませんでした

 それにしても数年前のスマートホーム関連製品は、ほかのホームアプリと連係するのが面倒でしたが、Matter対応製品は本当にお手軽。スマートホーム関連製品をこれから買うなら、Matter対応は必須条件だと感じました。

パッケージ内には本体、USB Type-Cケーブル(実測200cm)、USB ACアダプターが同梱

部屋をくまなく見守れる 底面には取り付けに便利な三脚穴を用意

 それでは基本機能をチェックしていきましょう。「スマートカメラG3ハブ」は2304×1296ドットのイメージセンサーを採用し、110度の広角レンズを搭載。本体底面に回転スタンドが内蔵、さらにカメラは上下に動きます。合わせたパン/チルト角度は水平340度、垂直45度(上30度、下15度)。画角が広いので部屋をくまなく見守ることが可能です。

 本体サイズは123.4×85.1×67.8mm、重量は実測285g。ワイヤレス通信はIEEE802.11 b/g/n/a/ac(2.4/5GHz)と、近距離無線通信規格「ZigBee」をサポートしています。

本体前面にはカメラ、マイク×2、照度センサー、機能ボタン兼インジケーターを用意
獣耳付きのシリコンカバーは取り外し可能
でもシリコンカバーをはずすのはもったいないです
カメラ部を上に動かすと、microSDメモリーカードスロットが現われます
背面にはスピーカー、USB Type-C端子(5V 2A対応)を配置
底面には三脚穴が設けられており、壁や天井などに取り付けられます
USB ACアダプターの仕様は入力100-240V~0.35A、出力5V 2A。USB Type-Cケーブルの長さは実測200cm
紙の説明書に日本語は含まれていません

紙のマニュアルは日本語非対応 まずは「Aqara」アプリをインストールしよう

 ここでひとつ注意喚起します。本製品にマニュアルは付属していますが、紙のマニュアルには日本語が含まれていません。専用アプリ「Aqara」から「ホーム→ビデオカメラ→設定→スマートカメラG3ハブ」と進めば、日本語のユーザーガイドと、英語の「よくある質問」にたどり着けますが、ちょっと階層が深すぎです。

 先に「Aqara」アプリをインストールしなければならないというのも、ハードルが高いですね。せめて製品公式サイトと販売サイトから、日本語ガイドをダウンロードできるようにしてほしいです。

「Aqara」アプリから日本語マニュアルを参照可能
ただし、「よくある質問」は英語のみ。いっそのことウェブページを開く仕様にして、ブラウザーで翻訳できるようにしてほしいです

被写体が素早く動いてもカメラはしっかりと追従

 本製品にはNPU搭載のプロセッサーが採用されており、人体追跡、犬・猫追跡、顔認証、ジェスチャー識別機能などを搭載。人体追跡、犬・猫追跡を有効にしておけば、操作しなくても家族やペットを見守り、映像をクラウドに残せます。

クレウドストレージへの録画機能は別料金。年額は49.99ドル、月額は4.99ドルです。どちらの場合でも30日間の無料トライアルが用意されています

 追従性は思ったより良好。実際に筆者が「スマートカメラG3ハブ」の前で素早く動いてみましたが、数秒遅れでしっかりと追従してくれました。一方向に動いてからすぐに切り返すとフレームからはずれることはありますが、もう一度フレーム内に入れば追跡が再開されます。今回は試せなかったですが、ネコ様やウサギ様を追跡させれば、興味深い動画を撮影できそうです。

実際に撮影した動画を画像として切り出してみました。解像度は2304×1296ドット。表紙の文字もほぼ読めます。見守りカメラとしては実用上十分な画質と言えます
本製品は赤外線ナイトビジョン機能を搭載。暗闇でも赤外線を照射することにより撮影可能です
暗闇では8つの赤外線LEDが点灯し、その反射した光を捉えます
ジェスチャーは5種類用意。カメラに向かってこれらハンドジェスチャーを見せると、登録したアクションが実行されます。スマホの操作は不要です
「自動化→追加」と選択すると、「自動化の作成」画面が表示されます。「もし」の欄にトリガー、「アクション」のなかにコマンドを登録すると、自動実行が可能。今回はトリガーに5本指ハンドジェスチャー、アクションにエアコンの電源オンを登録してみました

検出機能にアクションを割り当て ハンドジェスチャーでの操作も可能

 本格的なのが各種検出機能。異常音、人などの移動、登録した顔の検出、見知らぬ顔の検出、人間・ペットの検出、ジェスチャーの検出などをトリガーにして、さまざまなアクションを実行可能。たとえば、見知らぬ顔が検出されたらクラウドに映像を録画する……といったアクションを自動実行できるわけです。

 個人的にユニークだなと思ったのがジェスチャー操作。「スマートカメラG3ハブ」に向けたハンドジェスチャーを出せば、割り当て済みのアクションを自動実行可能です。

 「OK Google」とか「アレクサ」とか言いたくない気分のときとかあるじゃないですか? また、ビデオ会議などに参加しているときにウェイクワードを発声すると、ほかの家の子(デジタルアシスタント)が動き出しかねません。そんなときハンドジェスチャーで操作できるというのは、非常に便利だと思います。

ハンドジェスチャーは今回確認したかぎりでは5メートルの距離でも認識しました。一般的な日本家屋であれば十分なスペックです

IRコントローラーで赤外線リモコンを操作できます

 また本製品にはIRコントローラーが内蔵されており、従来の赤外線対応家電などをコントロール可能です。別途スマートリモコンを購入する必要がないのは、出費的にも、セットアップの手間的にもうれしいところです。

 スマートリモコンとしての機能は、専用品とほぼ同等。プロファイルは海外メーカー含めて数えたくないほど用意されており、データベースに存在しない製品でも学習機能で登録可能です。また赤外線リモコンの到達範囲も広く、真後ろや上に設置されていても操作できました。

AV機器だけでなく、エアコン、照明、空気清浄機、湯沸器などの赤外線リモコンのプロファイルも登録済み
1メーカーでたくさんのリモコンが存在する場合でもテスト操作で正しいプロファイルを選べます
登録が完了すれば、このようなわかりやすい画面で操作可能
電源のオンオフなどの基本操作は「Aqara」アプリのホーム画面から操作できます

マニュアルは難ありだが機能には満足

 「スマートカメラG3」は見守りカメラとしては機能が充実しています。画質は良好で、ナイトビジョン機能も搭載。さらに被写体追跡や、ジェスチャー機能を用意されており、ハブ機能、赤外線リモコン機能を活用することでほかのデバイスとの連係も可能です。

 ただし、日本語マニュアルを「Aqara」アプリからしか参照できないこと、また、「Aqara」アプリ内の日本語がちょっと怪しい点が気になりました。特に「Matterにさらされる」という誤訳は、重要な機能だけに早めの修正を期待したいところです。

いまの時代、「さらされる」という言葉には皆、敏感です。ちょっとドキッとしちゃいました

 マニュアルが比較的簡素なので使いこなすのには多少の試行錯誤が必要ですが、見守りカメラ、スマートリモコン、ハブとしての機能性は高いので、一度スマートホーム関連製品を触ったことがある方なら満足度の高い製品と言えるでしょう。

 

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