富士フイルム「X-T50」は小型・軽量で取り回しやすいから猫撮り散歩にピッタリだ
ASCII.jp / 2024年6月12日 12時0分
前回(「渋めのレトロ調から白黒まで、富士フイルム「X-T50」は多彩なフィルムテイストで猫撮影が楽しめる」)に引き続き、富士フイルムの「X-T50」で猫を撮ってきた話だ。このX-T50、小型・軽量で取り回しやすいので、猫と出会う散歩にぴったりだったのである。
やっぱ、さっとしゃがんでローアングルで猫と向かい合いたい人にチルト式モニタは欠かせないし、猫瞳AFは便利だし、シャッタースピードダイヤルをさっと回せば、止まってる猫も動いてる猫もいい感じに対応できる。
そして撮る。見てのとおり、神社猫だ。
猫の後ろにある真っ白なコンクリートの社殿は、東を向いている。だから、夕暮れ時のこのあたりは日が当たらなくてちょっと冴えない写りになりがちなので、フィルムシミュレーションに「クラシックネガ」をセレクトしてみた。
立ち話をしていたら、いつの間にかキジトラ(きなこさんという)の姿が見えなくなる。裏のほうにいるんじゃない? と言われてそちらに目をやると、日没前の最後の日差しを浴びられる社殿裏側にちょこんと座ってこっちを見てるではないか。
後ろから日差しを浴びた顔が凛々しくてよかったので、不用意に近づいて影響を与えたくないなと、望遠ズームレンズに付け替える。
そして、望遠で撮ったのが冒頭の写真。きりっとしてていいよねえ。夕暮れの赤みを帯びた日差しはキジトラに似合う。
いい顔が撮れたので、標準ズームレンズに付け替えて、すすっと近づいてくと、ふにゃあと伸びをしてくれた。
目の前で伸びをしてくれると、こちらを強く警戒してないのだなと思ってうれしい。何しろ、きなこさんと会うのは8ヵ月ぶりである。
また別の日。ちょいと都会に用事があったので、ひとつ手前の駅で降りて住宅街をぶらぶらと歩く。都会のど真ん中でも、繁華街や幹線道路からちょっと外れた古くからの住宅街には、時折猫がいる。特に、ここは数年前に猫と出会って以来、ときどき寄り道して訪れている。
前回訪れたときは猫に会えなかったのだけど、今日は道路の向こうにちょこんと座っているのを発見。住人しか歩かないような生活道路でくつろいでる猫って図がいい。「クラシックネガ」で撮ったのだけど、古い住宅街でこれを使うと、急に昭和っぽくなっておもしろい。
目が合うと、とことこと道路を横切るので、目で、いや、レンズで追いながら1枚。
このあたりに古くから住んでいて猫の世話をしてる方が出てこられたので、挨拶して猫談議をしつつ1枚。不審者と思われても困るので(いや傍から見れば不審ではあろうが)、挨拶は欠かせないのだ。彼女と会って話をするのは2度目だが、こちらをほんのりと覚えていてくれてありがたい。
最近、猫が減ったねという話をする。もう1匹ミケがいるんですよというが、今日は顔を出さないようだ。
立ち話も長くなってきたので、辞去して目的地へ。角の廃墟を曲がり歩いていくと、左手にぽかんと庭付き一戸建て一軒分(あるいは、小さなアパート一棟分)の更地が現れる。都心の一等地なのだが、数年前から空地のままだ。何かと事情があるのだろう。
そこに、もう1匹のミケがちょこんと座ってたのである。立入禁止のフェンスに囲まれてるので、猫的にはくつろげるのだろう。望遠レンズを付けたままだったので、そのまましゃがんでフェンス下の隙間から。
模様が似ているので、さっき見た猫と兄弟か親子か。
と猫を撮っていたら待ち合わせに遅れそうになったので、その場を離れ、軽い標準ズームレンズに付け替えて、待ち合わせの店へと向かうのであった。
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筆者紹介─荻窪 圭
老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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