ミドルクラスでは防水対応はやや軽視の傾向!? 夏に便利な格安の防水スマホはどれ?
ASCII.jp / 2024年6月23日 12時0分
OPPOから新モデル「OPPO Reno11 A」が発表された。ミドルクラスの“全部入り”のスマホの代表格という印象だった「OPPO Reno A」シリーズだが、最新モデルではこれまでIP68だった防水防塵性能がIP65へとスペックダウンしている。
あらためてこのクラスの製品を見てみると、円安状況でもお手頃に提供するためか、防水防塵性能が重視された機種は少なくなってきているようにも思える。そこで、来るべき梅雨やその後の夏のゲリラ降雨に備えて、防水防塵性能が高いながら格安な機種を探した。
IP68にこだわるかどうかは水没を想定するかしないか
まず、防水防塵性能について、あらためて基本的な情報をおさらいしておきたい。IPの後に続く数字の1つ目が防塵性能、2つ目が防水性能となる。IP68はIP6X/IPX8と同じで、後者は分けて書いているわけだ。簡単に言ってしまうとIP68というのは防塵も防水も(JIS保護等級としては)最高ランクとなる。
実際には、より正確には防水性能もいろいろで、1から8と単純に数字が大きい方が必ず上というわけではない。IPX8は「継続的に水没しても内部に浸水しない」で、IPX6は「あらゆる方向からの強い噴流水にしても有害な影響がない」なので、6と8のどちらにも対応する場合は「IPX6、IPX8対応」などと書くこともある。
これから夏になればプールや水場に持ち込む機会もあり、ポチャンと完全に水没させてしまった場合はIPX8でないと不安であるし、また汗や泥が付いた場合に水で流したいとなったときも防水性能は高いほど安心だ。
OPPO Reno 11 Aについては、防塵性能は6(IP6X)のままで防水性能が5(IPX5)になっている。IPX5は「あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない」なので、突然の雨などには大丈夫だろうと言えるが、水没となると対応していないため不安になってくる。
ミドルクラス機の防水防塵性能は低くなる傾向にある?
それでは他社の製品も含めた、ミドルクラス機全体での防水防塵性能の傾向はどうなのだろうか。OPPOと競合するモトローラも近年、格安機種を中心に防水防塵性能が落とされる傾向だ。
2022年発売で人気となった「moto g52j 5G」はIP68だったの対し、昨年の「moto g53j 5G」はIP52まで一気に落とされている(IPX2は「15度以内で傾斜しても垂直に滴下する水に対して保護されている」と防滴レベル)。同社では直接の後継機ではないとしているが、円安もあって実売価格では近い価格帯に位置していながら全体的なスペックも下がったため、やや残念な感じがした。
今年のモトローラはさらに新製品「moto g64 5G」をリリースしているが、防水防塵性能は引き続きIP52。ただし、価格は3万4800円なので、ミドルクラスの中ではエントリー機に近い位置付けになるのだろう。
一方で上位の価格帯(5万4800円)に、IP68対応の機種として「motorola edge 40 neo」を提供している。また、「neo」が付かない「motorola edge 40」も同様にIP68対応。発売から時間が経っているため、motorola edge 40 neoよりもスペックは上ながら、同程度の金額で売られていることもある。
シャープやシャオミなど、そのほかのメーカーはどう?
IP68の防水防塵性能を持つスマートフォンは、以前に比べると買いにくいのは確か。一時期は主要キャリア扱いの機種が未使用中古品として安く出回ることが多かった。性能も高く、もちろん防水防塵性能も高かったのだが、そうした選択肢が減ってきたのだ。
すでに紹介したOPPOやモトローラ以外では、国内メーカーは引き続き防水防塵性能に力を入れている。シャープ「AQUOS sense」シリーズはもちろん、より安価な「AQUOS wish」シリーズでは最新のAQUOS wish4でIP68対応。復活のFCNTからこの夏発売予定の「arrows We2」シリーズもやはりIP68対応だ。
一方、高コスパで人気のシャオミは、これまではあまり防水防塵性能には力を入れていなかった。ただし、最新の「Redmi Note 13+ Pro 5G」ではIP68をサポート(au/UQから発売の「Redmi Note 13 Pro 5G」はIP54)。5万9800円からと比較的高めだが、2億画素カメラも搭載するなど性能は高い。
パフォーマンスを我慢すれば格安機でも防水防塵はある
もう少し安く手に入る防水防塵性能が高い機種を探したが、少々パフォーマンスは落ちるものの、プロセッサにMediaTekのDimensity 700を使った機種ならば、いくつか該当する。
その1台が、ZTEの新ブランド「nubia」の「Ivy」だ。残念ながらIP68ではないが、防塵がIP6X、防水がIPX5とIPX7(つまりIP67)となっている。長時間の水没には非対応だが、一時的な水没には対応しているのと「あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない」に対応しているので、まずは安心だろう。
このほかにもnubia Ivyの特徴としては、6GBメモリーを搭載していることも優位点。プロセッサの性能が低くてもメモリー量が多ければある程度のパフォーマンスアップは期待できるからだ。
前述したAQUOS wishシリーズの最新モデル「AQUOS wish4」もDimensity 700に4GBメモリーとパフォーマンス的とやや厳しいが、防塵がIP6X、防水がIPX5とIPX8とIP68であることにうえ、「ハンドソープやアルコール除菌シートを使用してお手入れもできる」とうたっている。この点は、arrows We2も同様だ。
また、旧機種にはなるが前述のmoto g52j 5Gはメモリー増量で8GBになった「II」が今でも販売中。Dimensity 700の2機種よりもパフォーマンスはわずかに上で、新しさはないがパフォーマンス優先で防水防塵機種が希望なら、本機種もありだろう。
円安や物価高騰の影響で、格安のスマートフォンは 価格維持してスペック抑えめ傾向
以前とは違って、円安や物価の高騰でスマートフォンの値段が高くなりがちな今、メーカーは値上げをするのではなく、スペック見直しで価格を抑えているようにも見える。残念ながら今までと同じ性能のスマートフォンがほしいとなった場合、出費の増加は避けられそうにない状況でもある。
それでもスマートフォンにかけるコストを安くしたいのならば、製品情報の収集を怠らないことと、特価情報を見逃さないこと。欲しいスマートフォンがあったのなら、格安SIMだけでなく大手キャリアやそのサブブランドの店頭特価などもチェックするといいだろう。
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