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創業10周年の隠し玉「VAIO Vision+」を速攻レビュー、これがブランド初の14型モバイルディスプレーか!!

ASCII.jp / 2024年7月1日 10時0分

VAIO Vision+ 14

モバイルディスプレーに革新をもたらす

 アルプスの山並みをバックに佇むVAIO本社の安曇野工場。ソニーからVAIOとして独立したときに訪れてから、もう10年が経つのかと思うと感慨深い。激動の時代といっても過言ではないこの10年を、VAIOの魂はそのままにビジネスシーンで活躍するモバイルマシンを数多く提供してきた。

 そんなVAIOから、新たにモバイルディスプレー「VAIO Vision+ 14」が発売された。モバイルワークが浸透したいま、外出先でも2画面構成で作業したいというニーズは高まっている。作業効率を考えると、やはりディスプレーのサイズは大きいほうが断然いい。モバイルノートでも4K解像度のものはあるが、そもそもの画面サイズが大きくないと文字が細かくなりすぎてあまり意味がない。むしろ、フルHDでも2画面あったほうが、作業環境は広くなる。

VAIO Vision+ 14
モバイルディスプレー「VAIO Vision+ 14」
VAIO Vision+ 14
背面にはアルミスタンドが装着されており、スタンドを引き出せばすぐに設置可能

 とはいえ、モバイルノートとモバイルディスプレーの両方を持ち運ぶとなると、荷物がかさばるし重量も気になる。作業効率アップのためとはいえ、苦労して持ち運ぶというのは本末転倒だ。そこでVAIOは、モバイルディスプレーに革新をもたらすべく、超軽量でかつ堅ろう性があり、上下に画面を並べられる製品を目指したのが、VAIO Vision+の始まりだ。

 まずは、超軽量かつ堅ろう性を実現するために、カーボン素材を採用。熱可塑性カーボン(CFRTP)を使用し、熱プレスをかけることで立体成型する手法を開発した。ボス(基板や部品を支える円筒形のもの)やリブ(強度を稼ぐ凸状の突起)も一体成型されるので、軽量かつ強度を確保できる。

VAIO Vision+ 14
熱可塑性立体成型カーボンでは、ボスやリブが一体成型可能となり、軽量でかつ強度を保てる

 また、この熱可塑性立体成型カーボンは、部品加工工程削減により加工時に発生するCO2の削減や、金属を含まず溶かして再生可能にしやすい利点もある。

VAIO Vision+ 14
成型するにあたっては、樹脂素材を熱可塑性カーボンで挟んでプレスする
VAIO Vision+ 14
カバーをどのような形状にすべきか試作が繰り返された

上下2画面設置へのこだわり

 モバイルディスプレーの設置方法としては、ノートPCの左右のどちらかに置くというのか一般的だ。ただ、視線移動的には左右だと首を横に振らなければならず、画面移動が頻繁だと意外と疲れる。より効率がいいのは上下での配置で、これだと視線移動だけで済む上、常に正面を向いているのでキーボードでの入力がしやすい。さらに設置スペース的にも、省スペースで済むので、外出先でテーブル幅が限られている場合にも優位だ。

VAIO Vision+ 14
モバイルディスプレーの一般的な使い方。モバイルノートの横に設置して利用すると横幅がおよそ70cm必要で、場所によってはテーブルスペースを確保するのが厳しい
VAIO Vision+ 14
画面を上下に並べれば、モバイルパソコンの横幅だけで済む。奥行きはおよそ10cm増えるか増えない程度だ

 ただ、これを実現するために、持ち運び用の本体ケースを利用しようとしたが、かなり苦労したようで、試作に試作を重ね、ようやくたどり着いたのがマグネットで簡単に設置、片付けができ、かつしっかり本体を守る形状だ。

VAIO Vision+ 14
最終段階まで進んだ試作も、VAIOらしくないということでうっちゃられ、超短期間で今の形に
VAIO Vision+ 14
もともと案としてはあり、小さな紙で実現可能か試行錯誤した

 本体背面にはスタンドが付いており、それを使えばモバイルノートの左右に横置きで設置可能。そして、このスタンドをケースに差し込むようにすると、上下2画面構成での設置が可能となる。スタンドはアルミを採用。絞り穴により軽量化を図り、レーザー刻印によりシールを無くし見た目的にも美しい仕上がりになっている。

VAIO Vision+ 14
アルミ製スタンドには、シールではなくレーザー刻印で製品情報が記されている
VAIO Vision+ 14
ケーススタンドは本体を包みこんで持ち運ぶ
VAIO Vision+ 14
ケーススタンドを開いた状態。本体を取り出してケースはもとに戻す
VAIO Vision+ 14
ケーススタンドの隙間に、本体のスタンドを差し込む
VAIO Vision+ 14
こんな感じで設置。ケーススタンドはマグネットで簡単に立体的になる
VAIO Vision+ 14
モバイルパソコンの画面を開いた下側のデッドスペースを有効活用しているのがミソ

 一方で、縦画面として利用したいケースも考えられる。その場合は、ちょっと裏技的だが、ケースの組み立て方を変えることで、縦置きも可能となっている。

VAIO Vision+ 14
ケーススタンドの折り方を反対にする
VAIO Vision+ 14
スタンドをちょうどくぼんだところに差し込む
VAIO Vision+ 14
このように縦画面での設置も可能だ

16:10のちょい縦に広い画面を採用

 画面は16:10のWUXGA(1920×1200ドット)IPS液晶を採用。縦に少し広いので、エクセルの表を表示するときはより見やすくなる。カラーはアンバーブラックで、サイズは約312(W)×211.1(D)×3.9~12.4(H)mmで重量は約325g。これは14インチサイズ以上のモバイルディスプレーとしては世界最軽量*だ。

VAIO Vision+ 14
液晶パネルも非常に薄いものを採用している
VAIO Vision+ 14
内部の構成も実にシンプルで、こちらも軽量化に貢献

*14.0型ワイド以上のモバイルディスプレイにおいて。2024年6月14日時点 ステラアソシエ調べ。

 輝度は400cd/平方メートル、コントラスト比は1200:1と太陽光による明るいところでも十分見やすく、電源はモバイルノートとUSBケーブルで接続つなぐだけ。映像もDisplayPort Alternate Modeにより入力するので、ケーブル1本で済む。USBの口は2つあり、もう一方にモバイルノート用の電源を接続しておけば、充電しながら作業ができる。

VAIO Vision+ 14

 本体背面には、輝度を調整するボタンがあるので、明るさの調整が可能。電源ボタンは用意されていない。映像信号が入力されたら自動的に表示される。

VAIO Vision+ 14
輝度調整のボタン

作業効率アップに欠かせない2画面環境

VAIO Vision+ 14
どんなモバイルノートでも使えるよう、14インチのサイズにしたという

 仕事でもプライベートでも、いまや一画面で作業するというのは非効率的。モバイルワークにおいても2画面で作業すべき時代になっている。VAIO Vision+は、本体が非常に軽く、逆にケーススタンドのほうが重い(約440g)というよくわからない状況だが、両方合わせても約765gなので、それでもとても軽く感じる。

VAIO Vision+ 14
とにかく本体は薄くて軽い。ケーススタンドはちょっとホコリが付きやすい素材だが、触り心地はいい

 ケーススタンドのサイズは14インチモバイルノート程度なので、今使っているカバンに忍び込ませるだけで大丈夫。さっと出して、変形して設置するまで10秒あればことたりるぐらいだ。上下2画面にするというのは、横に並べるより大幅にスペースを取らずに済むという利点もある。また、設置したときにある程度のチルトも可能なので、見やすいポジションに向けられるのも、この製品の特徴だ。

VAIO Vision+ 14
VAIO Zと重ねてみたところ、ほとんど同じサイズ。これならカバンを変えずとも入る

 価格は、5万4800円(VAIOストアにて)。パソコンと同時に購入すると、1800円値引きされる。7月1日より予約受付が開始され、最短で7月4日に届く。モバイルディスプレーとしては、それなりなお値段がするが、この薄軽仕様のモバイルディスプレーを実際に見たら納得行くはず。日本人ならではの発想と努力で実現したVAIO Vision+。ぜひ使ってみてほしい。

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