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フルHDゲームプレイなら17万円台RTX 4060 TiのLEVELΘで十分快適!

ASCII.jp / 2024年7月4日 13時0分

「LEVEL-M17M-144F-SLX-BLACK [Windows 11 Home]」

 ユニットコムが展開するゲーミングパソコンブランド「LEVELΘ」(レベルシータ)シリーズ。コスパに優れたエントリー向けのシリーズながら、しっかりとしたつくりの筐体にそつのないゲーミングスペックを備える堅実なゲーミングパソコンだ。

 前回に引き続き、お借りした「LEVEL-M17M-144F-SLX-BLACK [Windows 11 Home]」(以下、LEVEL-M17M-144F-SLX-BLACK)のパフォーマンスをチェックしていこう。

 まず簡単にLEVEL-M17M-144F-SLX-BLACKのパーツ構成をおさらいすると、CPUはインテル第14世代Coreプロセッサー「Core i5-14400F」、GPUにはNVIDIA「GeForce RTX 4060 Ti」を搭載する。どちらもミドルレンジ向けのパーツで、フルHD解像度での高画質設定や高フレームレートゲーミングをターゲットにしたと思われるゲーミングパソコンだ。

「Core i5-14400F」と「GeForce RTX 4060 Ti」を採用している
 前回のパフォーマンスチェックでは、軽~中量級ゲームタイトルを用いてWQHD解像度での高画質&高フレームレートゲーミングを楽しめることが判明したので、今回は重量級タイトルを用いてLEVEL-M17M-144F-SLX-BLACKの性能限界に迫ってみたいと思う。

レイトレーシング対応タイトルがバリバリ動く! ただしビデオメモリー使用量には注意

 ではさっそく、LEVEL-M17M-144F-SLX-BLACKのパフォーマンスをチェックしていこう。今回使用したゲームタイトルは以下の3つ。

「F1 23」:レイトレーシングを含む最新グラフィックスを取り入れたレースゲーム。 「バイオハザード RE:4」:レイトレーシングを含む最新グラフィックスでリメイクされたアクションゲーム。 「サイバーパンク 2077」:レイトレーシングの中でも重たい部類のパストレーシングを採用する重量級AAAタイトル。

 これらのゲームタイトルの共通点はいずれもレイトレーシングを取り入れているという点。数年前までレイトレーシングはハイエンドゲーミングパソコン向けのオプションで、それでも重いから普段はオフにするという扱いだった。それがミドルレンジ構成のLEVEL-M17M-144F-SLX-BLACKでどれだけ動いてくれるのか、楽しみにしたい。

 なお今回はいずれのタイトルも1920×1080ドット(フルHD)、2560×1440ドット(WQHD)、3840×2160ドット(4K)の3パターンの解像度を計測しているが、本来RTX 4060 TiはフルHD解像度をターゲットにしたGPU、さすがに重量級タイトルでの4K解像度は大きく守備範囲外となる。4K解像度の結果はあくまで参考データ程度に捉えてほしい。

 まずは、レイトレーシングを取り入れた美麗なグラフィックスが特徴のレースゲーム「F1 23」から。ゲーム内のベンチマーク機能を用いてフレームレートを計測する。

 グラフィックス設定の詳細プリセットからは一番高画質の「超高」を選択し、異方性フィルタリングに「16x」、アンチエイリアスに「NVIDIA DLSS」「クオリティ」を設定した状態を用意した。ベンチマークではステージ「バーレーン」、天候「晴れ」を選択している。各解像度でのフレームレートは以下のとおり。

F1 23フレームレート

 フルHD解像度では平均フレームレートが100fpsを超え、最小フレームレートも100fps近くと、全体的に安定した高フレームレートを叩き出している。レースゲームにおいてフレームレートのブレが小さいのは大きなメリットになるだろう。

 解像度が上がったWQHD解像度でも平均フレームレート79fps、最小フレームレート60fpsとかなり健闘しているのが好印象。とくに最小フレームレートが60fpsを維持できているのはかなりポイントが高い。ただ、レース中の状況や天候によっては60fpsを割り込む可能性も高いので、実際にプレイするときはいくつかの画質オプションを下げることが推奨される。ただそれでも、かなりの高画質設定でWQHDゲーミングを楽しめるだろう。

 次は、レイトレーシングなど最新のグラフィックス技術を採用したゲームエンジンでリメイクされた人気アクションゲーム、バイオハザード RE:4をプレイ。ゲーム開始直後の広場を特定のルートで1分間移動し続け、その間のフレームレートを計測する。

 フレームレートの計測には「CapFrameX」というアプリを使用。平均フレームレートの他にデータ全体を100分割して最小値から1%の数値を「min(1%)」とし、これを最小フレームレートの代わりに記載している。

 バイオハザード RE:4の画質設定は、グラフィックス自動設定に「レイトレーシング」を選択。レイトレーシングを含めた最新フィーチャーのグラフィックス描画が実行される。

 グラフィック自動設定にはもう一段階上の「限界突破」というものもあるが、この設定は過剰にビデオメモリーを使用するためビデオメモリーが8GBのRTX 4060 Tiでは、根本的に厳しく実用的ではない。そこで、今回はレイトレーシングの設定を用いることとした。各解像度での計測結果は以下のとおり。

バイオハザードRE:4 フレームレート

 まずフルHD解像度では平均フレームレートが100fpsを大きく超えていて、滑らかなゲームプレイを楽しめることは間違いなさそうだ。そしてWQHD解像度でも平均フレームレート100fps近くと十分高いフレームレートを記録したのは驚きだった。

 とくにmin(1%)が60fpsを大きく超えているので、プレイ中に大きくカクつくといったこともなさそうだということが伺える。LEVEL-M17M-144F-SLX-BLACKでバイオハザード RE:4はWQHD解像度でも快適と太鼓判を押したい。

 最後に、最も重いグラフィックスのゲームタイトルの1つに数えられるサイバーパンク 2077を用意。画質設定はクイックプリセットから「レイトレーシング:オーバードライブ」を選択。パストレーシングも使用する超激重のプリセットだ。また、DLSS 3のフレーム生成(DLSS FG)も有効にした状態としている。

 本来、サイバーパンク 2077のパフォーマンスチェックにはゲーム内ベンチマークを用いるのが通例なのだが、今回ベンチマーク中のDLSS FGの挙動が不安定で正しいパフォーマンス結果が得られない現象に初めて出くわしてしまった。

 見た感じではフレーム生成は行なわれているものの、そのフレームレートをベンチマーク側が正しく読み取れていないように見受けられ、結果としてかなり低いベンチマーク結果になってしまうというものだ。

 原因も皆目見当がつかず、グラフィックスドライバーのバージョンをいくつか試してみたりもしたが改善が見られなかったため、今回ベンチマーク結果は参考データとし、実ゲームプレイ(市街を車で移動)のフレームレートをCapFrameXで計測した結果も併せて掲載していることをご承知いただきたい。

サイバーパンク2077 フレームレート
サイバーパンク2077実ゲームプレイ時のフレームレート

 フルHD解像度では実ゲームプレイ時の平均フレームレートが60fpsを大きく超えており、min(1%)も60fps近くを示しているのでスムーズなゲームプレイを楽しめるだろう。DLSS FGの恩恵は大きく、現在もっとも重いグラフィックス設定を実用的にプレイできるパフォーマンスが示された格好だ。

 WQHD解像度も平均フレームレートが60fpsに迫っており検討しているものの、多少もっさりした感覚は否めない。ただプレイできないというほどではないため、グラフィックス設定を煮詰めれば画質をある程度維持したままWQHD解像度でサイバーパンク 2077を楽しむというのも不可能ではないように思える。

 なお、ここまで触れていなかった4K解像度について軽く言及すると、結果を見てのとおりで大きくパフォーマンスが下がってしまい荷が重すぎることは明らか。RTX 4060 Tiのビデオメモリーやキャッシュ容量の仕様を考えると致し方ないところだろう。

 さすがに重量級タイトルに対して4K解像度は割り切らなければならない領域だが、エントリー向けのゲーミングパソコンとしては十二分なパフォーマンスといって差し支えないのではなかろうか。

ストレージ容量は要注意。カギはネット環境?

 最後に、LEVEL-M17M-144F-SLX-BLACKが搭載するストレージについても言及しておこう。LEVEL-M17M-144F-SLX-BLACKは標準構成で500GBのM.2 NVMe SSDを搭載しており、試用機にはKingstonの「OM8SEP4512Q-A0」が搭載されていた。PCI Express Gen4接続のM.2 NVMe SSDだ。

 「CrysrtalDiskMark 8.0.4」で計測した転送速度結果は以下のとおり。

CrysrtalDiskMarkの実行結果

 結果はシーケンシャルリード3661MB/s、シーケンシャルライト2152MB/s。性能的にはPCI Express Gen3接続のハイエンドクラスに近く、Windowsの起動やゲームのローディングなども素早く快適だった。

 一方で500GBという容量はゲーミングパソコンとして正直心もとない。今回の検証で使用した3本のゲームタイトルを例にすると、これだけで合計約190GBも消費している。使い続けるとWindows自体も肥大化していくことを考慮すると、あと2~3本のインストールで容量は一杯一杯だろう。

 LEVEL-M17M-144F-SLX-BLACKはマザーボード上に空きのM.2ソケットが1基残っているので、ビデオカードをいったん外す必要があるが、容量不足を感じたらSSDを増設できるのは安心できるポイントだ。もしくは注文時のオプションカスタマイズで最初から容量1TB以上へ換装するのもオススメだ。

 またはインターネット環境が高速ならばやりたいゲームタイトルをその都度ダウンロードし、やらないゲームはすぐに消すというプレイスタイルも考えられる。セーブデータのクラウドセーブが当たり前となった昨今、ゲームタイトルを自由にインストール/アンインストールしてもセーブデータは失われない。

 並行して進められるゲームタイトルはせいぜい1~2本と考えると、それ以上の容量は必要ないというプレイスタイルだ。インターネットのダウンロード速度が数百Mbpsを超える環境であれば、こういったプレイスタイルも十分実用的に実施できる。

ゲーミングパソコン入門として申し分ないパフォーマンス。これで17万9800円~は鬼コスパ!

 今回は、レイトレーシング対応の重量級タイトルを用いてLEVEL-M17M-144F-SLX-BLACKのパフォーマンスをチェックした。フルHD解像度をターゲットにしたパーツ構成だけあって、フルHD解像度であれば現行ゲームタイトルの大多数を最高画質設定で楽しめるパフォーマンスが示されていた。

 また、ワンランク上のWQHD解像度でも意外と実用性が高いことが知れたのも大きな収穫だ。これだけのパフォーマンスがあれば、ゲーミングパソコン入門者がPCゲーミングに求める画質への要求をほぼ満たせるだろう。

 しっかりとした造りのケースは長年付き合っていけそうで、そこにこれだけのパフォーマンスを詰めたゲーミングパソコンが17万9800円からというのはまさに鬼コスパの一言。

 「PCゲーミングならではの高画質グラフィックスをしっかり楽しめるスペックがほしい。けどあまり高額だと手が出ない。けど変に安いパソコンを買って失敗はしたくない……。」といった悩みを持つ入門者諸氏に、LEVEL-M17M-144F-SLX-BLACKは大きくオススメできるゲーミングパソコンだ。

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