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7980円で買えるウェアラブルカメラ「WE-CAM」足りないことを楽しめるあなたにオススメ

ASCII.jp / 2024年7月10日 15時0分

WE-CAM本体の画像

 エアリアが発売した、回転式カメラ搭載の格安ウェアラブルカメラ「WE-CAM」。メーカーから試用機を借りる機会を得たので、動画撮影を中心に実際の使い心地をレビューしていく。

※記事内で紹介する情報はメーカー貸与の試用機によるものです

スペックと価格

本体と同梱品
本体と同梱品

 WE-CAMのスペックの概要と価格は以下のとおり。

本体サイズ:29 x 88.1 x 19mm 本体重量:41g 対応メディア:microSD(最大256GB/Class10推奨) カメラ解像度:100万画素(F2.4) 動画フォーマット:AVI 動画解像度:最大1920 x 1080(30fps) 最長録画時間:約210分 静止画フォーマット:JPEG 静止画解像度:最大4032 x 3024 録音フォーマット(ボイスレコーダー機能利用時):WAV バッテリー容量:600mAh(交換不可) 充電端子:USB-C 付属品:USB充電ケーブル、自転車用マウンター、microSDカード(32GB/同梱モデルのみ) 価格: ・通常モデル:7980円 ・microSD同梱モデル:8480円

 本体はスティック型で、本体上部に回転式のカメラ、その下に操作やプレビュー用のディスプレーを搭載するオーソドックスなデザインを採用。背面側には服のポケットや鞄の紐などに固定するためのクリップも用意されている。

 このクリップは磁石と三脚穴も内蔵しており、冷蔵庫にピタッと貼り付けたり、カメラ用の三脚に固定したりすることも可能だ。

裏面のクリップには磁石と三脚穴を内蔵
裏面のクリップには磁石と三脚穴を内蔵
磁石を利用して冷蔵庫などに貼り付けることも可能
磁石を利用して冷蔵庫などに貼り付けることも可能

 パッケージにはWE-CAMを自転車のハンドルに固定するための簡易的なマウンターも同梱。こちらはクリップ部の三脚穴を利用してWE-CAM本体と接続する仕組みとなっている。

自転車用マウンターを装着した状態
自転車用マウンターを装着した状態

気になる動画撮影の性能は?

 WE-CAMは動画撮影、写真撮影、ボイスレコーダーの3モードが用意されているが、今回は動画撮影機能を中心に試してみた。

●手ぶれや風切り音が出やすいので後処理必須

 まずは手持ちでの動画撮影。立ち止まった状態なら問題ないものの、歩きはじめた途端に手ぶれがかなり出てしまう。ちょうど手ぶれ補正機能がなかった時代のスマホカメラのような印象だ。

手持ちで撮影した動画
手持ちで撮影した動画(GIF変換で元データより画質が低下しています)

 最近のスマホやアクションカムは手ぶれ補正付きが多いので、こうした機種になれていると、WE-CAMの映像に戸惑うこともあるだろう。

 次に、自転車の車載撮影。付属の自転車用マウンターは時計のベルトを大きくしたような簡易的なつくりだが、かなりしっかり固定してくれる。テストでは炎天下の公道を30分ほど走ってみたが、走行中に段差を通過してもマウンターの位置や角度がズレることは一度もなかった。

付属のマウンターで自転車のハンドルに装着した状態
付属のマウンターで自転車のハンドルに装着した状態

 映像については手持ち撮影と同様、ブレがどうしても出てしまう。また、走行中に風切り音をかなり拾う点も気になった。

 手持ちや自転車に載せて撮影するなら、撮影後にPC等で手ぶれや風切り音を補正する前提で考えた方がよいだろう。

 画質についても高性能なスマホやアクションカムにはかなわないが、100万画素の割には善戦。明るい晴天の屋外かつカジュアルな用途で使うのなら、最低限の画質は確保されているように思えた。

●自転車用ドラレコとしての性能は?

 販売元のエアリアはWE-CAMの活用法として、自転車用のドライブレコーダーを挙げている。筆者も実際に使ってみて、自分の走り方を記録するだけなら、十分使える製品だと感じた。

 一方で100万画素センサーの限界か、自分を追い越していく車のナンバープレートは、追い越される瞬間のかなり接近したタイミング以外はきれいに映らない。こうした部分もしっかり記録したいということであれば、ドラレコ専用機を導入した方が賢明だ。

良かった点と気になった点

■良かった点

●本体が軽い

 WE-CAMを手に取って真っ先に気付いたのが、圧倒的な軽さ。バッテリー内蔵にもかかわらず、重量は公称、実測ともに41gで、一般的なアクションカム(150g前後)と比べてもかなり軽い。

本体重量は41g
本体重量は41g

 スマホのようなずっしりとした重さを感じないので、とにかく軽いカメラを求めているユーザーとは相性がよさそうだ。

●自転車に装着してもディスプレーを見やすい

 自転車に装着した際に感じたメリットが、操作やプレビューの確認に使うディスプレーを自転車に乗ったまま無理なく視認できたこと。

 一般的な箱形筐体のアクションカムを自転車に装着すると、ディスプレーが地面に対して垂直となり見づらくなってしまうが、WE-CAMはディスプレーが上を向くため、見やすい位置を維持できる。地味ながら嬉しいポイントだ。

■気になった点

●起動・終了音が目立つ

 本体の電源をオン/オフする際に鳴る電子音がかなり目立つ。静かな撮影スポットではスピーカーをおさえるなどの工夫が必要かもしれない。

●撮影モードの切り替えスイッチが扱いづらい

 WE-CAMでは本体側面のスライドスイッチを動かして、動画、写真、ボイスレコーダーを切り替える。写真モード以外は、切り替えた瞬間から録画や録音が始まる仕組みだ。

 だが、動画撮影を終える際、切り替えスイッチを写真モードの位置(中央)へ動かそうとして、ボイスレコーダーモードの位置まで進んでしまうケースがよくあった。あとでPCから不要な音声ファイルを削除する手間が増えるので注意が必要だ。

モード切替スイッチの画像
写真モード(点線の位置)を通り過ぎてしまうことが多い

●背面の固定クリップの可動域が狭く、動きもかたい

 本体裏面のクリップはポケットやベルト、鞄の紐などさまざまなものにWE-CAMを固定できるところが便利だが、クリップ自体の可動域は狭く、動きもかたいため、あまり厚みのあるものには装着できない。

クリップをほぼ最大まで拡げた状態
クリップをほぼ最大まで拡げた状態

●microSDカードスロットにカバーがない

 最後に、microSDカードのスロットがむき出しになっている点も、少々気になったポイントだ。もともと防水防塵の製品ではないが、利用シーンを考慮すると、多少水がかかったりすることはありうる。防水ケースなどのオプションもないので、気になるなら自分でスロット部分をふさぐなど、自己責任で対策を施すほかない。

「足りないことを楽しめる」あなたに

 WE-CAMは高価なスマホやアクションカムと比べスペックも控えめで、性能や機能の不足を感じる場面も少なくない。だが、使い手がWE-CAMの限界をきちんと理解して、適切な使いどころを選べれば、しっかり活躍できるデバイスでもある。例えば、最近流行りのヴィンテージスマホ風の写真や動画を撮るなら、WE-CAMはまさに適任だろう。

写真モードでの作例
写真モードでの作例(本来のサイズから縮小しています)

 なんでもできるカメラとはまた違った刺激を与えてくれる、そんなサブカメラが欲しいなら、WE-CAMは悪くない選択肢だ。

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