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【活用提案】いまやiPadになくてはならない「Apple Pencil」 バリエーションが増えた中からどれを選ぶ?

ASCII.jp / 2024年9月25日 13時0分

 いまやiPadになくてはならない存在といえるのが「Apple Pencil」だ。登場当初は”大きいiPhone”といったイメージが強かったiPadだが、Apple Pencilの登場が、iPadの独自性を高めたと言えるだろう。

 現在、Apple Pencilには4種類ある。だが、iPadの機種によって使えるモデルが異なるうえに、それぞれで若干の性能差もあるので、選択するときはけっこうややこしい。そこで今回は、Apple Pencil各モデルの機能の違いや、対応するiPadについて紹介していこう。

Apple Pencil各モデルの機能を確認しよう

 初代のApple Pencilがリリースされてから約9年。この間に4つの製品がリリースされてきた。これらの製品が発売された時期の状況などを振り返りつつ、機能の特徴と対応しているiPadについて見ていこう。

●Lightningコネクタで充電・ペアリングする「Apple Pencil(第1世代)」

 2015年11月、「Apple Pencil(第1世代)」は初代のiPad Proと一緒に発売された。かなり大きな注目を集め、発売当初、品薄になったのは記憶に新しい。

 初代の製品ながら、筆記の主な機能は現在もApple Pencilの土台となっている。具体的には、「高い精度(ピクセルレベルでの精緻さ)」「遅延の少なさ(低レイテンシー)」「傾き検知」「筆圧検知」は、すべて第1世代から搭載されている。

第1世代は2015年に発売。Apple Pencilの基本的な機能は、この第1世代から備えられている。価格は1万6800円。

 デザインは、丸みを帯びた円柱形のかわいらしいもの。だが、机に置いておくと転がってしまうのが難点だ。また、手に持ったときのグリップ感も弱いため、使いにくさを感じる人もいるだろう。

 充電とペアリングは、iPadのLightningコネクタに挿入して行う。これが非常に不格好で、へたに力が加わるとポキッと折れてしまうのではないかと不安になる。また、充電の際にキャップを外さなければならないので、なくしやすいというデメリットがある。

充電とペアリングはiPadのコネクタに差し込む方式。何かのはずみで折れてしまいそうで怖い。キャップをなくしやすいのも難点。

【Apple Pencil(第1世代)対応のiPad】 ・12.9インチiPad Pro(第1世代と第2世代) ・10.5インチiPad Pro ・9.7インチiPad Pro ・iPad Air(第3世代) ・iPad mini(第5世代) ・iPad(第6世代、第7世代、第8世代、第9世代、※第10世代) ※iPad第10世代はUSB-C to Lightning変換コネクタが別途必要。

●吸着充電の採用で利便性が高まった「Apple Pencil(第2世代)」

 12.9インチiPad Pro(第3世代)、11インチiPad Pro(第1世代)と一緒に発売されたのが「Apple Pencil(第2世代)」だ。このモデルではデザインが変更され、充電とペアリングの方式も改善された。また、機能が一部追加されている。

第2世代は2018年に登場。デザインとともに、充電とペアリング方式が変更された。価格は2万1800円。

 大きく変わったのが充電方法。Apple Pencilの本体内にマグネットが搭載され、iPadの側面に取り付けて充電ができるようになった。この「吸着充電」により、利便性が向上。さらに、iPadに取り付けておくことで、Apple Pencilが行方不明になるといったトラブルが減少した。また、充電と同時にペアリングが行われるので、手間なくすぐに使えるのも便利な点だ。

Apple Pencil(第2世代)では、充電とペアリングはiPadの側面に吸着して行う方式になった。iPadに取り付けておけばいいので、充電ができていないといったトラブルや、ペンをなくすといった問題が減少した。

 吸着仕様のため、ペンのデザインは円柱形の一面が平面形状になり、持つときもグリップしやすく、疲れにくくなったと言える。また、ダブルタップ機能を新たに追加。ペンを握った状態でトントンとダブルタップすると、消しゴムツールと最後に使ったペンツールが切り替えられる。スムーズにツールを選べるようになり、ペンとしての利便性が向上した。

基本は円柱形だが、一面のみ平面という形状へ変更になった。これにより、第1世代のように転がってしまうということが減った。

 このように進化を遂げた第2世代だが、これ以外の基本機能については第1世代と同じ。ただし、描画性能などは向上している。

【Apple Pencil(第2世代)対応のiPad】 ・12.9インチiPad Pro(第3世代、第4世代、第5世代、第6世代) ・11インチiPad Pro(第1世代、第2世代、第3世代、第4世代) ・iPad Air(第4世代と第5世代) ・iPad mini(第6世代)

●USB-C端子搭載のiPadで使える「Apple Pencil(USB-C)」

 「Apple Pencil(USB-C)」は、2023年10月に発売されたモデル。デザインは第2世代とほぼ同じだが、安価なのが特徴。ただし、そのぶん一部の機能が削られている点は注意が必要だ。

2023年10月に発売されたのが「Apple Pencil(USB-C)」。価格は1万3800円で、Apple Pencilの中では最もお手頃だ。

 ペンの上部先端にはフタが付いており、これをスライドさせるとUSB-C端子が現れ、そこにケーブルを接続して充電とペアリングができる。そのため、USB-C端子を搭載したiPadならどれでも使えるので汎用性が高い。

ペンのフタをスライドさせ、USB-Cケーブルを接続して充電とペアリングを行う。USB-C搭載iPadなら、すべてのモデルで利用可能だ。

 このモデルで非搭載となった代表的な機能は「筆圧検知」だ。描いている線に強弱がつけられなくなったので、イラスト作成といったデザイン用途で使う人は注意が必要。また、ダブルタップ機能も省略されている。

 さらに、第2世代と同様にiPadへマグネットで取り付けられるが、充電とペアリングはできない。このように、第2世代で便利だった機能が省かれているので、選択する際はこれらの機能を使うかどうか、確認することが必要だ。

【Apple Pencil(USB-C)対応のiPad】 ・13インチiPad Pro(M4) ・11インチiPad Pro(M4) ・13インチiPad Air(M2) ・11インチiPad Air(M2) ・12.9インチiPad Pro(第3世代、第4世代、第5世代、第6世代) ・11インチiPad Pro(第1世代、第2世代、第3世代、第4世代) ・iPad Air(第4世代と第5世代) ・iPad mini(第6世代) ・iPad(第10世代)

●新機能を採用した最上位モデルの「Apple Pencil Pro」

 2024年5月、「iPad Pro(M4)」「iPad Air(M2)」と一緒に発表されたのが、「Apple Pencil Pro」だ。名前に「Pro」と付くだけあって、現在、最も高機能なApple Pencilとなる。

2024年5月に発売された「Apple Pencil Pro」は、最も機能が豊富なモデル。ただし、利用できるiPadが限られる点は注意。価格は2万1800円。

 追加された機能は「スクイーズ」と「バレルロール」。スクイーズは、ペンを強く握ると、画面上にツールパレットを表示できるというもの。ペンを移動させなくても、即座にツールが切り替えられて便利だ。

スクイーズは、ペンを指先で強く握ると画面上にツールパレットを表示できる機能。利用するツールを素早く選べて便利だ。

 バレルロールは、ペン内部にあるジャイロスコープによってApple Pencil Proの回転を認識し、ペンやブラシの先を回転できる機能。より細かくペン先をコントロールできるようになった。

バレルロールは、Apple Pencilを回転させるとペンやブラシの先も回転できる。ただし、アプリ側が対応していないと利用できない。

 便利なダブルタップ機能は、引き続き利用可能だ。ダブルタップ時に「触覚フィードバック」によってブルッとペンが震えるようになったので、ツールの切り替わりを直感的にわかるのがメリット。さらに、「探す」アプリにも対応したので、Apple Pencilをなくしても場所の特定ができる。なくしやすいデバイスなので、これはうれしい機能の追加だ。

 充電やペアリングの方法は、第2世代と同じ吸着方式。だが、マグネットの位置が異なるため、第2世代対応のiPadでは利用できないので注意しよう。

【Apple Pencil Pro対応のiPad】 ・13インチiPad Pro(M4) ・11インチiPad Pro(M4) ・13インチiPad Air(M2) ・11インチiPad Air(M2)

どのApple Pencilを選ぶべきか?

 このように、Apple Pencilには4種類があるが、第1世代に対応したiPadは少なくなってきた。そのため、現行モデルを使っている人の選択肢としては、価格の安い「Apple Pencil(USB-C)」にするか、充実スペックの「Apple Pencil Pro」あるいは「Apple Pencil(第2世代)」にするかということになる。

 実際、どれを選ぶべきかは悩みどころだが、「これだ!」という答えはなく、その人の使い方や感性などに依存する部分が多い。よって、目的に合わせて、どれが最適かを考えていこう。

●メモを取るだけならApple Pencil(USB-C)でOK

 「ノートアプリなどでメモを取る」「スクリブル機能で文字を入力する」といった使い方がメインなら、筆圧検知はあまり重要ではないため、Apple Pencil(USB-C)で十分だろう。むしろ、筆圧検知がないと均一な文字が書けるので、筆圧が安定しない人や、テキストしか書かない人にとっては逆にアドバンテージになることもある。

筆圧検知がないと上側のように均一の文字が書ける。そのため、ノートを取るような場面では見やすいノートが作れるメリットがある。

 価格もほかのApple Pencilより安価なので、コスパを求める人にはいいだろう。他社製の互換ペンだと細かい部分でトラブルが起きやすいが、純正のApple Pencilならそういった心配がないのもメリットだ。

 また、汎用性が高いのもメリット。USB-C端子を持つiPadならすべてのモデルで利用できる。複数のiPadを運用している場合、予備の1本として持っておくのもアリだ。

●ペンの楽しみや利便性を重視するなら第2世代またはPro

 「Procreate」「CLIP STUDIO PAINT」「Zen Brush 3」など、ペンで描いて表現するアプリを使うなら、筆圧検知は必須。そのため、このような目的で使う人は、第2世代か、またはProを選ぶべきだろう。

画像は「Zen Brush 3」で簡単なイラストを描いた例。このようなアプリでは筆圧検知がないとよさを生かせない。

 これらのアプリを使わない人でも、紙にペンで書くような書き味を求めるなら、こちらのモデルを選択したほうがいい。この感覚は、数多くあるペンデバイスの中でもApple Pencilが飛び抜けている。

 また、利便性も見逃せない。iPadに取り付けるだけで充電とペアリングができるので、使いたいときに充電が切れていたとか、ペアリングされていないといったことで使えないトラブルもなくなる。毎回ケーブルでつないで充電するのは地味に面倒な作業なので、こういったストレスをなくしたい人は、第2世代またはProがいいだろう。

iPadに吸着させるだけで充電とペアリングできるのは、第2世代やProのメリット。ストレスなくApple Pencilを利用できる。

 ちなみに、Apple Pencil(USB-C)との価格差はいずれも8000円。ここで紹介した機能や特徴が自分にとってのメリットとなるかどうか、判断して決めてほしい。

どうしても迷ったら実物を触てみること

 Apple Pencilのようなペンデバイスは、実際に使ってみないと違いや善し悪しはわからないものだ。気になる場合は、お近くの「Apple Store」や大きめの家電量販店などで実物に触れてみてほしい。筆圧検知を含めたペンの書き味、ダブルタップがどういったものかなどが判断できるだろう。

 今回は、現在発売されているApple Pencilの違いや対応モデルについて紹介してきた。機能の有無や使い方の違いなどが複雑なので悩んでしまいがちだが、ポイントをしっかりと押さえれば、自分に合ったApple Pencilを選択できるだろう。

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