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アップル新型「iPhone」8月発表説も サムスン、グーグルなど“前倒し発表”相次ぐ

ASCII.jp / 2024年7月12日 9時30分

 2024年7月10日、サムスン電子がイベント「Galaxy Unpacked」をフランス・パリで開催。Galaxy Z Fold6やGalaxy Z Flip6、さらには日本発売未定ではあるがスマートリング「Galaxy Ring」などが発表された。

 これまでニューヨークやサンフランシスコ、ソウルで開催されたサムスンの折りたたみスマホ発表会。数年前まで8月開催が定番であったが、昨年は7月26日、今年は7月10日と、年々、発表日が前倒しになっている。

 今年のパリは、7月26日から開幕するパリオリンピックを強く意識したようだ。サムスン電子は1998年の長野冬季五輪からオリンピックのメインスポンサーということで、今年も選手や関係者にオリンピック仕様のGalaxyを配布する予定だ。 

 オリンピックで話題の多いパリで、あえて折りたたみの新製品を大々的に発表することで、世界からの注目を集めたかったのだろう。

 今年、サムスン電子がオリンピックを意識して新製品発表を前倒ししたせいか、業界内のカレンダーに異変が起きつつある。

サムスン、グーグル、モトローラが“前倒し”

 まず、サムスン電子の新製品発表よりも前に発表して目立とうとしてきたのがモトローラだ。

 6月24日にアメリカ・ニューヨークで折りたたみスマホである「razr 50シリーズ」を発表。パーティではパリス・ヒルトンがDJとして登場するなど世間の関心を集めた(ちなみにパリス・ヒルトンは2006年、NTTドコモがモトローラ「M702iS」を発売した際、築地本願寺で開催されたイベントのために来日している)。

 また、例年のスケジュールを大きくずらしてきたのがグーグルだ。

 例年、10月初旬開催であったPixel関連の新製品発表会が、今年は8月13日開催となった。

 8月13日なんて、日本はお盆休みの真っ只中だし、アメリカやヨーロッパもホリデーシーズンで多くの関係者にとって夏休みシーズンであるはずだ。

 なぜ、こんなにも前倒しにしてくるのか。

 やはり、グーグルPixelとしては「AIスマホ」として確固たるポジションを築きたいのだろう。

 今年6月に開催された開発者向けイベント「Google I/O」の基調講演はGeminiの発表が中心で、Android関連の発表はかなり限定的であった。

 そんななか、アップルはWWDCで「Apple Intelligence」を発表。AIによってiPhoneの使い方が変わるプレゼンを展開した。

 では、AndroidがGemini対応でどうなっていくのか。

 グーグルとしては例年、9月に開催されるアップルのスペシャルイベントよりも先に発表、発売して、Apple Intelligenceに先手を打っておきたいのではないか。

早ければ8月中に新型「iPhone」発表も?

 サムスン電子やグーグルによる発表スケジュールの前倒しを意識しているのかは定かではないが、「今年、アップルの発表会も早めに開催されるのではないか」とささやく業界関係者が少なからずいたりする。

 例年、アップルは9月2週目前半あたりスペシャルイベントを開催し、翌週金曜日から新製品のiPhoneを発売するというのが恒例になっている。

 このスケジュールが前倒しとなり、早ければ8月中、もしくは9月初旬には発表、その翌週には発売されるというのだ。

 スマホ業界的にはやはり、iPhoneが発売されるタイミングが1年で最も賑わう「繁忙期」だったりする。古くなったiPhoneから新しいiPhoneに機種変更するタイミングで「いっそ、別のキャリアにMNPしようかな」とか「端末代が高いから、通信費を抑えるためにMVNOに乗り換えようかな」というユーザーが出てくるため、キャリアやMVNO間での顧客獲得競争が激しさを増すのだ。

 そのため、iPhoneが発売されるタイミングで新料金プランやキャンペーン、お得なオプションなどを投入するキャリアやMVNOも出てきたりする。

 また、Android陣営がこのタイミングで新製品の発売をぶつけてくることも珍しくない。

 サムスン電子の「Galaxy Z Fold6」や「Galaxy Z Flip6」は7月31日に発売となってしまうが、8月13日に発表のPixelシリーズは、iPhoneに発売をぶつけてくるのは間違いないだろう。

業界関係者は落ち着かない夏休みを迎える

 また、モトローラ「razor 50」シリーズに関しても、日本法人の仲田正一社長は「日本における商戦期をしっかり捉えられるようなタイミングに合わせて投入したい」と明言しているだけに、早ければこの夏から秋にかけて、FeliCaなどに対応した上で発売される可能性が極めて高そうだ。

 サムスン電子とグーグルが例年のスケジュールを前倒してくるなか、アップルはどんな日程で、iPhone 16(仮名)を発表、発売してくるのか。

 Androidメーカー、さらにはキャリア関係者、販売代理店にとって、どこか落ち着かない夏休みとなりそうだ。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

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