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1ヵ月使ってわかった「HUAWEI WATCH FIT 3」の◯と×

ASCII.jp / 2024年7月27日 12時0分

使い始めてから1ヵ月経ったHUAWEI WATCH FIT 3。公式オンラインストアでの価格は2万1800円

 HUAWEI WATCH FIT 3を使い始めてから1ヵ月経ちました。端末はファーウェイからレビュー用に貸与を受けたものですが、2万1800円(7月16日現在の公式オンラインストアでの価格)は安いと思います。使い勝手には満足していますが、一方で「ここは改善してほしい」と感じた部分もあります。今回はその両方について本音で書かせていただきます。

使って実感した5つのメリット

 まず、HUAWEI WATCH FIT 3の良いところ。筆者が使っていて、特に気に入っているのは下記の5点。

1. 電池持ちがよい 2. 大画面が見やすい 3. 「HUAWEIヘルスケア」アプリが使いやすい 4. 「ボディメーカー」は利用価値大 5. ランニング中に音声ガイドが聞ける

 それぞれについて簡単にレビューしていきます。

●1. 電池持ちがいい  筆者は健康モニタリング機能を全て有効にして、毎日1時間程度のワークアウトも計測しています。就寝時は毎日着けているわけではなく、ときどき腕に装着したままで寝て、睡眠状態をチェックしているといった感じ。これで電池は1週間以上持ちます。つまり、充電は1週間に1回で済みます。

通常使用でのバッテリー持続は最大10日間。充電は週に1回でOK!

●2. 大画面が見やすい  現在、市販されているスマートウォッチの文字盤は、円形と四角形の2タイプに分かれます。好みにもよりますが、情報表示の効率性では四角形に軍配が上がります。HUAWEI WATCH FIT 3は約1.82インチ(480×408ピクセル)の有機ELディスプレイを搭載し、画面の視認性が非常に高いことも利点。特にワークアウト中の情報が見やすいことに魅力を感じました。

画面が大きいので、ワークアウト中のデータ表示が見やすい

●3.「HUAWEIヘルスケア」アプリが使いやすい  HUAWEI WATCH FIT3とスマートフォンのペアリングや設定、計測データの管理には「HUAWEIヘルスケア」アプリを用います。例えば、Apple Watchでは「Watch」と「フィットネス」、Google Pixel Watchでは「Google Pixel Watch」と「Fitbit」の2つのアプリが必要ですが、HUAWEI WATCH FIT3では1つのアプリで済むのは非常に便利。また、同アプリの使い方がわかりやすく、健康モニタリングやワークアウトの結果が見やすいことも気に入りました。

「HUAWEIヘルスケア」は操作性がシンプルながら、細かい分析結果なども見られる

●4.「ボディメイカー」は利用価値大  ヘルスケア機能の中で、ファーウェイの優位性となるのが「ボディメイカー」。食べたもののカロリー量を記録していくと、その日に消費したカロリー量と差し引きされて、摂取すべきカロリーの過不足がわかるという機能。ウォッチでは食事の入力ができず、「HUAWEIヘルスケア」アプリで入力する必要があったり、正確なカロリー量を調べて記録するのが手間だったりもしますが、ダイエットや健康維持に役立つこと請け合い。さらなる改良を期待したい機能です。

摂取カロリーと消費カロリーを統合して管理する「ボディメイカー」。食べたものと量を指定するとカロリー量がわかるようになったが、表示されない料理もあり、さらなる改良が期待される

●5. ランニング中に日本語の音声ガイドが聞ける  HUAWEI WATCH FIT 3はワークアウトのメニューが充実していますが、中でもランナー向けの機能が充実。スマートウォッチとして標準的な機能に加えて、「AIランニングプラン」というユーザーに最適化したプランを作成してくれる機能も搭載されています。以前は、音声ガイドが日本語に対応していなかったのですが、昨年10月に発売された「HUAWEI WATCH GT 4」から対応。その際に試したところ、ウォッチ本体は日本語の音声ガイドに対応しておらず、日本語を聞くにはスマホを携帯し、「HUAWEIヘルスケア」からプランを起動する必要があったと記憶しています。

 今回、HUAWEI WATCH FIT 3で試してみたところ、ウォッチ本体から日本語の音声ガイドを聞けるように進化していました。音声ガイドがそれまでに走った距離や時間を知らせてくれて、ランのペースも指示してくれるので、専任のコーチがいるような気分で運動に励めます。

計画を立ててトレーニングに励むことが可能。音声ガイドはオフにすることも可能。HUAWEI WATCH FIT 3とワイヤスレスイヤホンをBluetoothで接続して、イヤホンで聞くこともできる

強いて挙げる不満点は4つ

 HUAWEI WATCH FIT 3は2万円台で買えるスマートウォッチなので、機能面での贅沢は言えません。実際、価格のわりには機能は充実しています。ですが、“欲を言えば”と、ちょっぴり不便を感じた点もあります。それが下記の4点。

1. 通知設定に制約がある 2. メッセージに返信できない 3. 決済サービスを利用できない 4. 地図アプリが使えない

 それぞれの理由を説明します。

●1. 通知設定に制約がある  スマホではオンにしていても、ウォッチではオフにしたい通知があったりします。また、その逆を求める人もいるかもしれません。HUAWEI WATCH FIT 3の通知は「メッセージ」や「「Gmail」「LINE」など、主要なアプリは個別での設定に対応していますが。多くのアプリは「その他」で一括して設定するようになっています。筆者はiPhone 15 Proとペアリングして使っていますが、iPhoneの「メール」アプリが個別でオン・オフの設定ができないのは不便に感じました。

 ただし、Androidスマホを使っている場合は、デフォルトの「Gmail」アプリが個別での設定に対応しているので、不便を感じないかもしれません。

通知は「HUAWEIヘルスケア」アプリで設定する。iPhoneと接続して使う場合、iPhoneの「メール」アプリが個別で設定できないのは不便

●2. メッセージに返信できない  受信したSMSや「LINE」のトークなどは読めますが、それに返信することはできません。画面が小さいので、キーボードを表示してテキストを入力するのは難しいでしょうが、定型句やスタンプなどで素早く返信ができれば「便利なのになぁ」と感じたのが本音。マイクが搭載されているので、音声入力機能の搭載も期待したいところです。ちなみに、Androidスマホと接続して使っている場合は、電話を着信したが応答できないときに「クイック返信」という定型のメッセージを送信できる機能を利用できるようです。

●3. 決済サービスを利用できない  FeliCaを搭載していないので、「Suica」や「PASMO」など交通系ICカードに対応しておらず、そもそもNFC非搭載なので、クレジットカードのタッチ決済も利用不可。「PayPay」「au PAY」など、日本国内で普及しているQRコード決済も使えません。どれか1つでも使えたら、スマホを持たずにランキングなどに出かけたときに、コンビニでドリンクを買ったりできて便利だと思うのですが……。

メニューに「支払い」という項目はあるが、日本ではいまのところ利用できない

●4. マップアプリが使えない  HUAWEI WATCH FIT 3は、アプリを追加することはできません。アップデート時に新しいアプリが追加される可能性はありますが、自分が使いたいアプリを自由に追加することはできません。日常づかいに必要となるアプリは揃っていますが、“あったらよかったのに”と思ったのが地図アプリ。スマホと連携して使える地図アプリがプリインストールされていて、スマホで経路を検索して、ウォッチでナビ機能の一部を利用できたらいいなぁと思ったのが本音です。

 不満点として挙げた4つは、HUAWEI WATCH FIT 3がファーウェイ独自の「HarmonyOS」を搭載していることにも起因します。HarmonyOSのスマホと接続して使えば、もっと便利に使えるのかもしれませんが、日本では販売されていませんからね。でも、iPhoneでもAndroidでもほぼ同じように使えるように設計されていることもHUAWEI WATCH FIT 3を評価したいポイントです。

 メリットとして挙げた電池持ちや「HUAWEIヘルスケア」「ボディメイカー」などに魅力を感じる人には、満足度が高い1本となることでしょう。

 

筆者紹介——村元正剛  iモードが開始された1999年から携帯電話市場を追い、新機種のレビュー記事などを多くの雑誌やウェブに寄稿。最近はスマートウォッチやワイヤレスイヤホン、スマートスピーカーなど、スマホとつながるデバイスにも興味を深めている。編集プロダクション・ゴーズの代表で、スマホ関連の書籍/ムックの編集も手がけている。

 

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