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KaiOS搭載折りたたみケータイを入手! 「Orbic JOURNEY Pro 4G」は新たな“ガラケー”時代を作れるか、実機レポ

ASCII.jp / 2024年7月27日 11時0分

 昨年、日本上陸した米国のスマホメーカー、Orbic(オルビック)。今年2月のMWCでも予告していたKaiOS搭載ケータイ(いわゆるガラケー)の「Orbic JOURNEY Pro 4G」がついに発売された。1万9800円とお手頃な価格でもある同製品について、今回はまずはフォトレポの形で紹介する。

KaiOS搭載ケータイ
やっぱり通話のしやすさならこのスタイル! 日本では初となるKaiOS搭載ケータイが登場。早速レポートする

新興国向けにローエンドなケータイでアプリを動作 “第3のモバイルOS”の「Firefox OS」から生まれたKaiOS

 あらためてKaiOSの紹介から。ちょうど10年ほど前に“第3のモバイルOS”として、話題となった「Firefox OS」。2016年に開発が終了されたが、KaiOSはその後継プロジェクト(B2G OS)から、さらにフォーク(分岐)する形で誕生した。

KaiOS搭載ケータイ
「Orbic JOURNEY Pro 4G」。通話に特化した折りたたみケータイは世界的にもまだまだ需要はあるようだ

 狙いは新興国を中心にまだまだ数が多いローエンドのケータイ。テンキー付きでタッチパネルがなく、また性能は低いが低消費電力のケータイ(フィーチャーフォン)で、Firefox OSと同じくHTML5ベースのアプリが動作するというのが最大の特徴だ。また、Googleからの出資を受けるなど、Googleとの協力関係もあり、後述するようにGoogleマップやYouTubeなども利用できる。

性能だけなら7~8年ほど前のエントリースマホの性能 サイズは大きめでデザインもアメリカンな感じではある

 実際に本機のスペックを見ても、SoCはCortex A53×4コア、1GBメモリー、8GBストレージと、7~8年ほど前のエントリースマホの性能。ここに240×320の解像度を持つ3.2型液晶(サブ液晶は1.77型)が組み合わされている。

KaiOS搭載ケータイ
開いた状態。3.2型液晶を搭載している
KaiOS搭載ケータイ
テンキーを中心にその上部にはボリューム/クリア/カメラのキー。上部の真ん中には十字キーと決定キーがある
KaiOS搭載ケータイ
サブディスプレーは1.77型。時計のほか、通知の表示、自撮り時にはファインダーになる

 ただしネットワークは4G対応で、国内キャリアのプラチナバンドをサポート。もちろんVoLTEでの音声通話をサポートする。Wi-Fiは2.4GHz帯のみのIEEE802.11nに対応。Bluetoothも利用できる。microSD(最大128GB)の追加も可能だ。

KaiOS搭載ケータイ
SIMスロットはnanoSIM×1。microSDも増設できる
KaiOS搭載ケータイ
利用にはAPN設定など、基本的な知識は必要。テザリング機能もある

 そしてサイズだが、これが意外と大きい。横幅は約60.9mmで、縦は折りたたんだ状態で約115.3mm。iPhone 13 miniと比べると、さすがに一回り半ほど小さいが、並べてみると案外差が小さい。強いプラスチック感のある(しかし実用的な)筐体とともに、これはあくまで「アメリカのメーカーの製品」であり、「日本のケータイ(ガラケー)」のイメージを捨てると違和感は薄れる。

KaiOS搭載ケータイ
iPhone 13 miniとの比較。それよりはさすがに小さいが、以前の日本のケータイと比べるとかなり大きい
KaiOS搭載ケータイ
折りたたんだ状態での厚みは約19.8mmと最初期の3Gケータイ級。左側面には充電や通信用のUSB Type-Cにカメラボタンも
KaiOS搭載ケータイ
右側面にはイヤホン端子が

GoogleマップやYouTubeは案外スムーズに動く 一般のウェブサイトへのアクセスは限定的

 メイン画面には独自のアプリストア、ウェブブラウザー、Google検索、Googleマップ、YouTubeの5つのアイコンが並び、十字キーの左を押すことでアクセスが可能。どのアプリも動作は案外スムーズ。低い画面解像度で問題無いなら、各種ウェブサイト/ウェブアプリを利用できる。

KaiOS搭載ケータイ
メイン画面には5つのアイコンが。十字キーの左でアクセスできる
KaiOS搭載ケータイ
十字キーの真ん中のボタンを押すと機能/アプリ一覧が表示。アプリストアも用意されている
KaiOS搭載ケータイ
アプリはいろいろ登録されているが、ゲーム以外は日本のユーザーにはなじみのないものが多い。世界の広さを感じる
KaiOS搭載ケータイ
Googleマップが利用可能。プリインアプリだけにKaiOSに最適化されているのか、ズームイン/アウトにスクロールと操作は快適

 ただし、動画配信のようなサイトをブラウザーで表示させた場合は、画面解像度や端末リソースの問題でまともに動かないことが多い。また、カーソルの移動は十字キーのみ(タッチパッド的なものはない)なので、これもやや不便だ。

KaiOS搭載ケータイ
画面解像度が低いだけに一般のウェブサイトの表示はやはり厳しい
KaiOS搭載ケータイ
TVerにアクセスしたところ動画の再生自体は可能だったが、表示がどうにもおかしいことに。一般のウェブサービスなども実用的な利用が困難なケースが多そうだ
KaiOS搭載ケータイ
XやInstagramもアクセスできないわけではないが、あえてスマホではなく、この端末で使う意味があるかどうかは微妙だろう

アドレス帳はGoogleアカウントと同期できる カメラはアウト側のみだが自撮りも可能

 アドレス帳はGoogleアカウントを登録すれば、同期が可能になる。すでにAndroid機などにアドレス帳を取り込んでおけば、簡単に移行可能というわけだ。Gmailについても同様にプリインアプリから操作できる。

KaiOS搭載ケータイ
Googleアカウントを登録すると、カレンダーや連絡先、メールなどを利用できる
KaiOS搭載ケータイ
アドレス帳を同期したところ。スマホと同じアドレス帳をすぐに利用できるようになった
KaiOS搭載ケータイ
ケータイらしく、ホーム画面で数字キーを打つと電話番号として認識される。番号を途中まで入力しただけでアドレス帳に含まれる候補が表示。通話だけならスマホより便利なのは間違いない。Gmailも問題無く使えそうだ

 500万画素カメラはテンキーのカメラボタンを押すか、端末を閉じている状態では左側面のキーをダブルクリックで起動可能。インカメラこそないが、サブディスプレーをファインダーとして、自撮りには対応している。

KaiOS搭載ケータイ
イン側にカメラはないので、自撮りをしたいときは端末を閉じて、左側面のカメラボタンをダブルクリックしてカメラ機能を起動。サブディスプレーをファインダーにして撮影する
KaiOS搭載ケータイ
実際の写真はこのとおり。高画質とは言えないが、メモ用としては十分だ

 日本語入力は特段の違和感はなく、文字種切り替えは「#」キーで可能。ただし、「2」キーの上の「CLR」キーは常にカーソルの左側の文字が消える(Backspaceキー相当)ので、日本のケータイ文化に慣れた人は若干戸惑うかもしれない。

KaiOS搭載ケータイ
日本語文字入力では予測変換や連想候補の表示も可能

 このほかどんなアプリや機能が使えるか、さらなる詳細は後日紹介予定だ。

 

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