「温度がリアルタイムでわかるフライパン」テンプパンを使えば、料理が3倍上手くなるかもしれない

料理の腕前が3倍くらい上がるフライパン

　テンプパン（ビタクラフト）は、加熱面の温度がリアルタイムにわかるフライパンです。

　しかし、温度がわかるというだけで、安定した料理ができるようになりました。料理の腕前が3倍くらい上がった気がするから不思議です。

ハンドル（持ち手）にリアルタイムで温度が表示される

　食材に刺して使う温度計や、赤外線の反射温度計などもありますが、「両手が空く」のがこの製品のメリットです。

　フライパン本体は、アルミニウム合金とステンレス（底面）のハイブリッド。温度表示機能を使わなくとも、加熱面に平均して熱が伝わるので、普段の料理でも使いやすい。

　しっかりとしたガラス製のフタも付属しているので、筆者はカレーなどの煮物でも活用しています。きっちりと閉まり、フタ自体の重さで加熱時に内圧がかかるので、ふっくらと仕上がります。

　ただし、重さが1810gと2kg近くあることには注意。調理中は食材の重さもあり、レンジ台での「あおり」や、片手でフライパンを持ちながら皿に盛ることなどがすこし難しい人もいるかもしれません。

フライパンは消耗品？ メーカーも神対応

　実はこのテンプパン、料理の出来栄えのアップグレードに感動して、この連載でも2018年に旧モデルを紹介しました（「デジタル温度管理で料理のストレス軽減 Temp Pan自腹レビュー」）。

　しかし、あまりにも使用頻度が高いせいか、最初に購入した製品の液晶が薄くなり温度が見えなくなってしまったのです。購入した老舗デパートに相談したところ、メーカーも“神対応”してくれて新品交換になりました。

　ただし、筆者のような故障の場合、すべてのケースで交換になるわけではないようですから、そこはご理解ください。ちなみに、この旧モデルは現在も活躍中です。

ホットケーキを一気に焼くために さらに2つ買い増し

最近のお気に入りはクリームチーズとスモークサーモンのホットケーキ

　さて、旧モデルはおよそ2万円でした。しかし、新たなモデル「テンプパンII」をAmazonプライムセールで3116円で購入できました。ラッキー！

　ホットケーキの場合、テンプパンを使うと見本写真のように美しく焼けるのですが、1枚ずつしか焼けないのが難点でした。3人分を焼くには15分ほどの時差が生まれてしまいます。

　セールだったこともあり、3口のガスコンロで3枚同時に焼くことを夢見て、2つ買い増しました。それぞれの火力は違いますが、リアルタイムで温度がわかるので、フライパンをローテーションすれば温度も安定して便利です。

食洗機やつけおき洗いも できるようになった後継モデル

　テンプパンIIはフライパン本体をつけおき洗いしたり食洗機で洗ったりできるよう、バッテリーを含むデジタル回路部分がワンタッチで取り外せるようになりました。

食洗機やつけおき洗いに対応できるようデジタルバーツが外せる

　しっかりとした重みのあるガラスのフタも変わらず付属しています。

　前回のレビュー記事では、見栄をはって葉山牛フィレ肉やアワビを焼きましたが、今回も奮発して黒毛和牛A5のシャトーブリアン（フィレ肉）250g×3枚とパンケーキに挑戦してみました。

　もちろん、記事用に自腹で購入したものです。前回の記事もそうでしたが、これが本当の“自腹”レビューといえるかも……。

　ちなみに、牛肉のグレードA5は「商品となる牛肉がたくさん取れて、脂肪の色沢と質、牛肉の色沢や締まり、きめが良く、脂肪が多く細かい」という意味だそう。

　ただし、普段からA5を選んでいるわけでなく、来客時など特別なシーンだけ。普段はテンプパンIIで作ったお好み焼きなどが主食です。

　さて、シャトーブリアンはフィレ部分の中心。若い頃はサーロインなどが好きでしたが、現在はやわらかいこの部位を選ぶようになりました。

シャトーブリアンはフィレの中心部分

　ステーキをおいしく焼くには、210度くらいの温度で一気に表面を焼き、フライパンから外して肉を休ませながら内部に火を通します。調理前に肉を室温に戻す人もいますが、筆者は冷蔵庫から出し立てを焼く方法を選んでいます。

リアルタイムの温度管理でステーキの火の通し具合も安定する

　「210度くらいの温度で一気に表面を焼き、フライパンから外して肉を休ませながら内部に火を通し」と書きましたが、これを目で確認して焼き上げるのは熟練の技が必要。

　しかし、テンプパンならリアルタイムで温度が表示されるので、火の通し具合も安定します。「料理の腕前が3倍くらい上がった気がする」と書いた理由がここにあります。

テフロン加工のフライパンを 長持ちさせるポイント

　ほぼ毎回の調理に使うテンプパン。大事にしているので、調理が終わってすぐに水で洗ったり、ホットケーキでお馴染みの濡れフキンで「ジュー！」という工程だったりはやらないようにしています。

　また、テフロン面はできるだけ傷つけない、高温にさせすぎない（急激な温度変化をさせない）こともフライパンを長持ちさせるコツです。

　具体的には、フライ返しなどに金属製を使わない、240度以上に絶対にしない……などを心がけると長持ちします。

テンプパンみたいにリピートされる フリーランスになりたい！

　筆者のようなフリーランスの仕事は1回ごと。つまり、クライアントから仕事をもらっても、次の仕事が確約されているわけではありません。

　お客さんに気に入っていただき、今回紹介したテンプパンみたいにリピートして購入してもらえることが1番の幸せです。

　「そんなフリーランスになるには……」と日々悩みながらプライパンを振っていますが、その答えはいまだに出ていません。

　しかし、「気に入った調理器具や家電を使うと生活が豊かになり、ほんの少し幸せになる」は確実。もし料理の腕を上げてみたい、プライベートで気分転換してみたいと思っている方は、テンプパンの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

前田知洋（まえだ ともひろ）

　東京電機大学卒。卒業論文は人工知能（エキスパートシステム）。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH（モエ ヘネシー・ルイヴィトン）グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、チャールズ英国王もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

　著書に『知的な距離感』（かんき出版）、『人を動かす秘密のことば』（日本実業出版社）、『芸術を創る脳』（共著、東京大学出版会）、『新入社員に贈る一冊』（共著、日本経団連出版）ほかがある。