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サムスンはGoogleとの協力でiOSに対抗! 見えたGalaxy AIのビジョン

ASCII.jp / 2024年8月3日 12時0分

Galaxy
サムスン電子 副社長のチェ・ウォンジュン氏

 サムスン電子は最新の折りたたみスマホ「Galaxy Z Fold6」と「Galaxy Z Flip6」を7月31日に発売した。ドコモやauだけでなく、SIMフリー版も同時に登場し、デザインや性能の進化はもちろん、最新のGalaxy AIが搭載されたことが大きなトピックだ。

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サムスンオンライン限定カラーのGalaxy Z Fold6
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AIによってさらに完成度が高まったGalaxy Z Flip6

 そんな中、韓国のサムスン電子本社から研究開発総括 MX事業本部開発部長(Executive Vice-President Head of Mobile R&D Office)のチェ・ウォンジュン氏が来日し、Galaxy AIの戦略と今後のビジョンを日本のメディアに語った。

Galaxy AIは年内に2億台のデバイスに搭載する

 チェ氏は「Galaxy S24から搭載したGalaxy AIだが、Fold6とFlip6にも搭載することで、折りたたみの洗練されたデザインに加え、Galaxy AIが適用された史上最強の折りたたみAIフォンである」と位置付けた。そのうえで「2019年からサムスンがリードしてきた折りたたみ市場を今後も守っていく」と話した。

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 今回、日本での発売が例年より早まった背景については「日本はグローバルで4番目に大きなマーケットです。さらに高い品質のモノが求められる国で、Galaxy Z Fold6の反応もいい。ユーザーとの接点を増やすためにGalaxy Halajukuだけでなく、ポップアップストアも増やしていく予定です。サムスンとしても日本のマーケットを重要視しているのです」とのこと。

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 そのうえで日本のユーザーから発売と同時に使いたいという声もあり、日本の通信事業者の協力もあって、グローバル発表から間を置かずのリリースとなったようだ。日本はファーストローンチ国に選ばれるのかという質問もしてみたが、具体的な答えは得られず……。ただ、日本への本気度は伝わった。

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 また、現在はハイエンドモデルにしか載っていないGalaxy AIだが、クラウドとオンデバイスのハイブリッドAIということを活かし、ゆくゆくはミドル~エントリークラスにも採用したいとのこと。また、今年の年末までに世界中で利用されている2億台のGalaxy端末にGalaxy AIを搭載するとのことだが、この中にミドル~エントリークラスも含まれるようだ。

 とはいえ、オンデバイスAIの場合はチップセットのパフォーマンスに依存するため、ハイエンドモデルとまったく同じ機能が使える、というわけにはいかないと、チェ氏。たしかに、現在のGalaxy AIは昨年発売のGalaxy S23シリーズにも対応しているが、Galaxy S24シリーズでしかできない機能もある。

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Galaxy AIの新機能、ポートレートスタジオを使えば簡単に写真をイラスト化できる
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コミック風や3Dアニメ風なども選べる
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こちらはチャットアシスト。これだけのテキストで文章を生成してくれる
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SNS向けの文章でカジュアルという設定だとこのようなテキストになる

 個人的にはAIを使った日本語の文字起こしの精度を上げてほしいと思っているが、その件についてチェ氏に聞くと「日本語の精度を上げるための努力はしていく」とのことなので、今後に期待できそうだ。

Googleとの協業は オープンコラボレーションの成功例

 AIといえばもうひとつ、グーグルと共同開発した「かこって検索」がある。これは、知りたい場所を指先で囲むだけでAIが答えを検索してくれるというもの。この機能に関しては「Pixelでも使えるからグーグルの機能と思われがちですが、グーグルとサムスンで共同開発した機能なんです」と強くアピールした。

 共同開発の目的としては、「iOSに対するAndroidプラットフォームの競争力強化という共通の目的があった」とのこと。かこって検索もそうだが、グーグルと協力して開発したものがAndroid自体に導入されれば、Androidの性能も上がり、iOSに対しての優位性も向上する。サムスンの地元・韓国でもiPhoneユーザーが増えている背景もあり、共同戦線を張った、ということだろう。チェ氏は「今後も弊社はグーグルとの協力関係を強化し続ける」という。

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 現在かこって検索を使えるのはサムスンのGalaxyとグーグルのPixelだけだが、そのほかのAndroidスマホでも使える可能性はありそうだ。

ほかのAIとGalaxy AIの差別化

 最近はPCもスマホもAIが話題だが、Galaxy AIとほかのAIとの違いは何なのだろうか?

 チェ氏は「弊社が考えている差別化のポイントは大きくわけて3つあります。まずはGalaxyを使っていただいているユーザーに有意義な体験を提供するためです。その体験はスマホを超えてGalaxyのエコシステム全体に広がっていきます。続いて2つ目ですが、やはりハイブリッドAIであるということです。オンデバイスとクラウド、そのときの環境にあわせて使い分けることができます。とはいえ、我々はデバイスメーカーですで、オンデバイスでの競争力を確保して競争力を図っていきます。」

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 そして3つ目は「ユーザーがデバイスを使えば使うほど、そのデバイスはユーザーについて理解を深めることになります。デバイスの中に蓄積されるデータに基づいて、その人の思考パターンを理解し、AIがより個人に最適化されたAI体験を提供できるようになります」と説明した。

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 サムスンは独自のOne UIを開発しており、オリジナルのアプリ(Notesやカレンダーといったネイティブアプリ)にもAIを導入すれば他社への優位性になり、スマホだけでなくWatchやBudsにもAIを採用して連携させることでエコシステムへと繋がるのである。

 現在、様々なスマホがAIをうたっているが、やはり頭ひとつ抜きん出ている感のあるサムスンのGalaxy AI。そしてスマホやタブレット以外にも展開しGalaxyエコシステムを構築するという。日本では圧倒的なシェアを誇るiOSへの対抗策となるか注目したい。

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