【検証レポート】moraで買った音源をApple Vision Proで聴く方法
ASCII.jp / 2024年8月3日 12時0分
アップルの“空間コンピュータ”「Apple Vision Pro」がオーディオ機器として持っている魅力について、前回に続いてレポートします。
今回はvisionOSにネイティブ対応するApple Musicと、iPhone/iPad互換の機能によりApple Vision Proでも楽しめるアプリを使い分けて、様々な音楽コンテンツを楽しむ方法に迫ります。
使い勝手のよいvisionOS版「Apple Music」
Apple Vision ProのvisionOSには、標準の音楽再生アプリとしてアップル純正の「Apple Music」がプリインストールされています。筆者がこのレポートのためにApple Vision Proを取材した2024年7月時点で、visionOSにネイティブ対応しているサードパーティーのメジャーな音楽再生アプリは見つかりませんでした。
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Apple Vision Proでは、App Storeから互換性のあるiPadおよびiPhoneアプリを導入して楽しむことができます。音楽配信系の有名どころではAmazon Musicがあります。動画配信系ではAmazonプライムビデオのほか、Disney+やU-NEXTがvisionOSに対応。YouTubeはまだアプリ化されていないので、Safariなどウェブブラウザから見ることになります。
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visionOS版Apple MusicのデザインはiOS・iPadOS版のアプリに近く、タイトルのカバーアートを大きく表示しながら楽曲リストから聴きたい曲を軽快に選択できるユーザーインターフェースです。Apple Musicのウインドウは閉じると楽曲再生が終了してしまいますが、Apple Vision Proの空間キャンバスはとても広々としています。Mac仮想ディスプレイで仕事をしながら、側にApple Musicのウインドウを立ちあげっぱなしにしても全然邪魔になりません。
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Apple Vision Proで空間オーディオやロスレス再生を聴く
Apple Musicが配信する、ドルビーアトモスによる空間オーディオのコンテンツはApple Vision Proにも対応しています。本体左右のバンドに内蔵するオーディオポッドが鮮やかな立体サウンドを再現します。もしも空間オーディオで制作されているはずの楽曲が、空間オーディオで再生できなかった場合は、本体の「設定」から「アプリ」>「ミュージック」>「ドルビーアトモス」を選び、「自動」か「常にオン」にします。
Apple Vision Proは、本体を装着するユーザーの顔の向きを検知しながら、コンテンツのサウンドの定位を連動させるダイナミックヘッドトラッキングの機能を搭載しています。コントロールセンターを開いてから、コンテンツの音量コントロールをピンチ・ホールドすると空間オーディオとヘッドトラッキングの効果が選べるようになります。
元が空間オーディオで制作されていないコンテンツも「空間化」できます。visionOSの場合、iOSやiPadOSのように「ステレオを空間化」と明記したメニューは表示されませんが、空間オーディオやヘッドトラッキングのオン・オフを切り替えると効果の有無は明らかです。
Apple Vision ProはApple Musicが配信する最大48kHz/24bitのロスレス再生にも対応しています。ビットレートが48kHzを超えるハイレゾロスレス再生は不可。iPhoneのようにハイレゾ再生に対応する外部USBオーディオ機器を接続する手段は今のところありません。
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CD音源や音楽配信サイトで購入したファイルを聴く
CDからリッピングしたり、音楽配信サイトで買った音楽ファイルをApple Vision Proで聴く方法も検証しました。
CDの音源についてはMacで取り組み、ミュージックアプリのライブラリに追加すればユーザーのアカウントに結びついているAppleデバイスで聴けるようになるはずです。でも、なぜか筆者の環境ではApple Vision Proの方で楽曲は表示されるものの再生ができません。もう少し時間をかけて原因と解決策を追求しようと思います。
音楽配信サイトのmoraで購入した楽曲の中には、Apple Musicで聴けない作品もあります。Apple Vision Proで楽しむ方法はいくつかあると思いますが、筆者はvisionOSと互換性のあるラディウスのiOS対応音楽プレーヤーアプリ「NePlayer」を使いました。
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NePlayerには音楽配信サイトのmora、e-onkyo music、OTOTOYで購入した楽曲のファイルを、PCを介さず直接アプリにダウンロードして聴ける機能があります。Apple Vision Proのストレージに保存して楽しむこともできました。デバイス性能の上限は48kHzまでになりますが、同じ楽曲をApple Musicで再生するよりも明らかに多くの情報量が引き出せます。
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Apple Vision Proは「ディスプレイと音楽プレーヤー機能も備える、ヘッドマウント型ウェアラブルデバイス」という異色のデバイスです。visionOSネイティブ、またはiOS/iPadOS互換の音楽再生系アプリが増えて、楽しみ方のバリエーションが広がることも期待できると思います。
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筆者紹介――山本 敦 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。
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