シャオミの逆を行く自動車メーカーが出したスマホ「NIO Phone」
ASCII.jp / 2024年8月8日 12時0分
中国のEVメーカーであるNIOは2024年7月27日にスマートフォン「NIO Phone(N2401)」を発表しました。昨年9月に発表した「NIO Phone(N2301)」の後継機となります。スマートフォンメーカーが自動車を作るのはファーウェイやシャオミの例が知られていますが、その逆はなかなかありません。中国ではスマートフォンメーカーとEVメーカーの垣根がなくなろうとしているようです。
NIO Phoneのモデル名は自動車にならってか、NIO Phoneの名前はそのままに2023年モデルはN2301、今回の新製品は2024年モデルということからかN2401となっています。今後もNIO Phoneという名前は変えずに、そのあとの型番だけを変えた展開をしていくのでしょう。
なお、N2301とN2401はデザインは変わっておらず、本体サイズがわずかに変化。カメラ周りのデザインも若干変えるなどの小さなアップデートとなっています。本体のカラバリは7色、メインカラーはレッドのようです。
2023年モデルは今年6月のMWC上海2024に出展、こちらの記事で写真を紹介しています(自動車メーカーのスマホから、衛星タブも! MWC上海2024の珍しいスマホたち)。
NIO Phone N2401の主なスペックはチップセットがSnapdragon 8 Gen 3、ディスプレーは6.82型(3168×1440ドット)、120Hz駆動で輝度は2600nit。バッテリーは5020mAhで80Wの有線と50Wの無線充電に対応します。防水防塵はIP68。また5Gの対応バンドはn1/n3/n5/n7/n8/n20/n28/n38/n40/n41/n77/n78/n79です。スペックを見るとかなりハイエンドなモデルであることがわかります。
セラミックボディーの「EPedition」はスポーツカーをイメージさせるモデルで、シックな仕上げに赤のラインが際立ちます。このEPeditonはシリーズ最上位モデルでメモリー構成は16GB+1TB、価格は7499元(約15万3000円)。ほかのモデルは12GB+512GBが6499元(約13万2000円)、12GB+1TBが6899元(約14万1000円)です。
カメラはすべてソニー製センサーで広角が4800万画素(LYT-T808)、超広角が4800万画素(LYT-600)、2.6倍望遠が5000万画素(IMX890)。カメラも高性能です。
さて、NIO PhoneはEVメーカーのスマートフォンですから、NIOのEVとの連携もスムーズです。OSはNIO EVが採用する「Sky OS」をスマートフォン向けとした「Sky UI」を搭載。NIO LinkアプリでEVとスマートフォンを有機的に接続可能で、ダッシュボードにあるAMOLED12.8型(1728×1888)ドットのセンターコンソールディスプレーでEV内の操作も可能です。
NIOのEVに搭載されるAIアシスタント「NOMI」をNIO Phoneからも利用できます。NOMIはNIOが自社開発したAIシステムであり、2024年にはGPT機能を持つ「NOMI GPT」も発表されました。
このようにNIO Phoneは、EVと日々の生活をつなぐ橋渡し的な役割を持つ製品なのです。NIOのEVユーザーなら自宅内から外に出てEVを運転中、そして目的地に到着後のアクティビティーを含め、NIO Phoneを中心にシームレスな体験が得られます。
EVとスマートフォンのOSを統合していることからアップルのCarplayやグーグルのAndroid for Carsよりも深い連携ができるわけです。自社の強固なエコシステムを構築できることから、中国の他の自動車メーカーにも「自社スマホ開発」の動きが広がるかもしれません。
筆者紹介───山根康宏
香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から100万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。
この記事に関連するニュース
-
アップルが「折りたたみ」をやらざるをえない理由 海外では折りたたみ時で1センチ未満のスマホも
東洋経済オンライン / 2024年8月4日 8時0分
-
次世代EVの頭脳に、NIOがフルドメインOS「SkyOS」発表
レスポンス / 2024年7月31日 7時30分
-
Nothingの最新スマホ「CMF Phone 1」は背面カバー交換でスマホにワクワクを取り戻した!
ASCII.jp / 2024年7月27日 12時0分
-
自動車メーカーのスマホから、衛星タブも! MWC上海2024の珍しいスマホたち
ASCII.jp / 2024年7月25日 12時0分
-
ボールペンから20万円のスマホまで手がけるシャオミの製品が日本でも増えている
マイナビニュース / 2024年7月24日 11時0分
ランキング
-
1「Xperia 1 VI」を1カ月使って感じた“変化と進化” これぞ唯一無二のエンタメマシンだ
ITmedia Mobile / 2024年8月12日 10時0分
-
2ダイソーで770円の「モバイルバッテリー 5000mAh」は実用的? 暑い夏だからこそ気を付けたいことも
ITmedia Mobile / 2024年8月12日 17時30分
-
3まるで亡き愛犬が目の前でよみがえるかのような感動 「Vision Pro」は異次元のデバイスだった
ITmedia Mobile / 2024年8月12日 6時5分
-
4今売れている「サウンドバー」トップ10&おすすめ3選 圧巻の7.1.4chやサブウーファーが付属するモデルに注目! JBLの立体音響にこだわったモデルをピックアップ【2024年8月版】
Fav-Log by ITmedia / 2024年8月12日 7時10分
-
5Google ChromeでmacOS 10.15(Catalina)のサポートが終了へ
マイナビニュース / 2024年8月12日 18時52分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください